悪夢の始まり
グロ展開です。今後加速していきますので、苦手な方はご遠慮下さい。
別の世界の世界線で、誰かが呟いた。
「なあ。異世界なろうものってなんでもありなところが楽しいじゃん。」
「分かる~。でもさ、シリアルキラーとかが異世界転生したりしないところが良いよなあ。」
「それな~。まあ、おれらが知らないだけかもしれへんけどな。」
「そらそやなw」
逆に異世界転生したのが大量殺人鬼だったのなら?
そんな最悪な悪夢の正体がこのおれ様、ダークマター様だ。
おれはもともと日本の九州の方に住んでいた。木曜日の暇な時間ができたときにはなあ。
年老いた幸せそうな老人たちをいたぶり殺してたってわけよ。
人間はよお。年をとると大事なものが増えてくる。それを壊してやるのが最高なんだ。
お決まりのセリフがあってなあ。
「どうだ~? もうこれでお前は大好きな孫の顔が見れなくなるなあ? クフフフフ。なあ。あいつそろそろ帰って来るんだろお? 後でいたぶって殺してやろうかなあ。まだ迷っているんだよなあ。」
こういうと、大抵は自分はどうなっても良いので、孫の命だけはと泣き叫ぶ。
クフフフフ。最高だ。日本の警察にも、半径30kmでおこした事件だってのに捕まえられやしない。
おれは順風満帆な生活を送っていた。クフフフフ。
だが、運悪く、隕石が頭に落ちてきてなあ。あっけなくポックリと逝っちまった。
我ながら最悪の死に様だったぜ・・・。まあ、良い。
死んだら地獄に行くかと思いきや、おれの第2の人生がスタートしちまった。
目の前にはおあつらえ向きの幸せそうな少女が一匹www。
おれは弱いものをいたぶるのが好きでなあ。
こんな恵まれた境遇のコヤツをほっておくわけねえんだよなあ。
お前に最悪な事件を起こさせてよお。破滅させてほしんだとさ。神さまが!
よりによっておれに目をつけられるなんてよお。お前死んだぜ・・・。
クフフフフフ・・・。おれは愉快のあまり指を鳴らす。一つの厄際を届ける為に。
*****
「ウィリアム様、ううう。私をおいて行かないで下さい。い、痛い・・・。」
「やっと目が覚めたか。嬢ちゃん。」
ズキズキ痛むこめかみをさすり、天井を見やる。年季が入ってる建物だが、掃除が行き届いており清潔そうだ。
「ここは・・・!?」
「カリンお嬢さまだろう。」
「(ズキンッ)ど、どちら様でしょうか。」
「この貧民街にもあんたの名前は伝わっているよ。」
「・・・。」
「そう警戒しなさんな。おっとおれがおじさんだから、か? おーい。目が覚めたぞ。」
トットット。小さな音が走り寄って来た。
「お姉ちゃん~! 心配してたんだよ!?」
「!!!あ、あなたは!?」
「いつもお世話になっていたのに悪いねえ。」
「ちょうど1年前くらいかい? あんたが孤児院に顔を出さなくなってさあ。子供たちが寂しがっていたんだよねえ。」
「・・・。あ、あのう・・・。」
「まだ傷口が痛むんだろう? 無理に話さなくていいさ。」
「ほら、あんた!? 女の子の部屋にながいしないでおくれ! 安心してねむれないだろう?」
「い、いえ。あ、ありがとうございます。助けていただ、ううう。」
「ほら。あんたは今は安静にするんだよ! お水をもってくるからさ・・・。」
「は・・・い。」
「よろしい。あんたの実家にも連絡してもらっているんだけどねえ。」
「もうずぐ迎えが来るさ。安心しな。」
おばさんの優しい声色に気が緩み、意識が遠くなっていった。薄目に残忍な笑みを浮かべた悪魔が私をみおろしていた・・・。
*****
眠っている間も、彼は黙ってくれない。
{ヒロイン? マリアを殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ}
い、嫌です。わた、しは・・・。
あいつが現れてから、散々だ・・・。そうだろう? 殿下は彼女との時間を作るようになった。
関係ない、です。
なあ。お前も自分に今まで好意的だった男が、鞍替えするのは嫌だったんだろう?
べ、別に私は・・・。
本当か!?
あなたには関係ないです!
よ~く考えるんだ。この先、お前を彼以上に愛してくれるやつが現れると思うのか?
・・・。
なあ。人はさあ。簡単に死ぬんだ・・・。例えばお前と契約しているおれが、お前の脳の血管を詰まらせたりしてなあ。
・・・・。
眠っている間に楽にしてやろうか? なあなあ!? 自分に噓をつくんじゃねえよ。
お前は今まで善いやつだったなあ。そんなお前がやつを殺したところで誰もお前だとは思わねえ。
わ、私は・・・。
お前はやつを殺したい・・・。
天地がひっくり返ってもありえません。
そうかい。ならよお。話はもっと簡単だ・・・。
おれはなあ。高位の精霊でよお。それこそお前の前相棒を瞬殺できるほどのなあ!クフフフフ。
人間如きの魔法や存在には知覚さえ無理って次元なのよお。
おれが明日からお前の前で何人も痛めつけてやる。安心しろよお。殺しはしないからなあ。
なんせ殺したりなんかしたら、お前を痛めつけるおもちゃが一個減っちまうしなあ。
お前をいたぶり続けたいからなあ。クフフフフフフフ・・・。
{さあ、もう一度おさらいだあ。ヒロインが死ぬか? お前が死ぬか? 選ばせてやるよ~。おれはどうしようか迷っているんだよなあ。クフフフフフフフ。もう終わりだ。終わりなんだよ。楽になれよ。詰んでんだよ。諦めろ。絶望しろ。クフフフフフフフ!!!!}
私が目を覚ました時には馬車に揺られていた。
「大丈夫ですか? お嬢さま!! 皆さん気が狂うほどに心配していらっしゃいましたからねえ~!」
「お父さま、お母さまは・・・。」
「奥さまは社交パーティー、旦那さまは先日もお仕事で戻られておりません。」
「そう。」
窓には私を嘲笑う悪魔の笑みが映っていた。
読んでくれてありがとう♪




