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第39話 消えるゾンビの謎 ー長尾栞編ー

人間らしい食事をして身ぎれいになり少し眠って体力を回復した。


狭いリビングに全員が座って一息ついたところで・・


「それじゃあ皆さんの事を聞かせてもらっていいですか?」


遠藤さんが話を促すと皆が自己紹介をし始める。


最初に女医さんから話し出す。


「私はセントラル総合病院で外科をしています。大角華江おおすみはなえといいます。でこちらが・・」


《華江って言うんだ・・華絵先輩と同じ。先輩たち無事かな・・》


私はつい先輩達やなっちゃんの事を考えてしまう。


「私は麻酔科医の北あずさです。」


「私は看護師の牧田奈美恵ともうします。」


すると華江先生が説明し始めた。


「最初は病院のスタッフがもっといたんだけど、病院内に大量にわいてしまったゾンビに一人ずつやられて・・噛まれて発症する前の人間も結構いたんですが・・。」


「噛まれるとか本当にあるんですか?」


「遠藤君本当に会った事ないのね。そう・・あれは間違いなくゾンビよ食べようとしてくるの。」


「そうなんだ・・」


「それで私たち3人は食堂にあったわずかな食糧で3週間切り抜けてきたんだけど、もう限界だったの。そして病院の窓から外を見ていたらマイクロバスが走ってくるのが見えて・・」


私たちのバスを見て慌てて駆け寄ってきたらしい。さらに華江先生が話をつづけるのだった。


「あの?遠藤さん?」


「はい。」


「あなたは男性ですがなんともありませんか?」


「ええ、特には。」


「実はこのウイルスなのですが…。」


「はい…」


「院内の私のラボでわかった結果と病院関係のネットワークで知り得た情報ではありますが…」


「はい。」


「男性は空気感染だけじゃなく噛まれても感染しますが、女性は噛まれないと感染しません。原因はわかっていませんが染色体の問題かもしれません。空気感染はかなり発症率が高く男性は絶滅してしまう可能性がありました。ゾンビになってどんどん増えていく一方で・・噛まれた女性もゾンビになり死んだら全てゾンビになってしまうのです。」


「俺は男なのに感染してないと…」


遠藤さんが考え込んでしまった。


《なるほど・・マイクロバスで華江先生は遠藤さんを見て驚いていたみたいだけど、男性で生きているのは珍しいんだ。近くにゾンビが発症すれば男性は生きているのが難しいのか。とすれば・・唯人君は・・》


華江先生の話は続く。


「そうです。それよりも!」


「は、はい!」


華江先生が凄い事を発見したように声を上げる。


「あともうひとつ先程…とんでもないことが起きたんです。」


「とんでもないこと?」


「ええ。院内に彷徨いていたゾンビが、燃えるようにして消えて無くなったんです…。」


「燃えるように…。」


「そう自分で言っていても信じられないのですが、全部きれいさっぱり消えたんです。」


「きれいさっぱり・・」


「さらに感染してゾンビに変わる前の人達もです。」


「ええっ!?」


「本当に燃えるように…。」


「ゾンビの寿命じゃないですよね?」


「違うと思います。ゾンビは基本朽ちるまでは動き続けると思います。」


「そうなんですね。」


「はい。」


「そこに俺達が来たと。」


「そうなんです。ゾンビがいなくなった病院から出てきたところに、あなた方のマイクロバスがきたんです。」


「偶然でしょうか?」


「わかりません…。」


「華江さん達3人は感染していないのですね?」


「間違いありません。」


マイクロバスが近寄ったらゾンビが消えたってこと?


「えっと・・燃えるようにゾンビが消える?そんなことがあり得るんですか?」


「普通はそんなことあり得ないわ」


華江先生が言うがそれはそうだと思う、人間が・・いやゾンビがいきなり燃えてしまうなんて・・・


「先生の言う事は本当です。それこそ・・燃えるように」


麻酔科医の北あずさ先生も見たらしい。


「燃えるように・・」


私がポツリとつぶやく。


「それは俺達が関係しているって事でしょうか?」


遠藤さんが聞くと、北あずさ先生が言う。


「まったくの無関係という事はなさそうですよね。マイクロバスが来る前は病院の周りにもゾンビはいたはずですし消えましたから。」


看護師の牧田奈美恵さんも言う。


「本当です。病院内にあれほどいたのに・・感染率は本当に高くて、死んだ者は全てああなってししまうんです。それが全て消えるなんて信じられません。」


私がゾンビについて話す。


「実は私は・・ゾンビを見た事が無いんです。」


「「「えっ!」」」


医療従事者の3人が驚く。


「一度も?」


華江先生が信じられない・・という顔で聞いてくる。


「実は俺もなんですよ。」


「そうなんだ!?」


「どうやらそうらしいんですよ。私も聞いた時は驚きました。」


真下マネージャーが併せて話す。彼女と里奈ちゃんは先に話していたのでそれほど驚いてはいない。


真下マネージャーが続けた。


「私と里奈が閉じこもっていたホテルにもたくさんいたはずなんです。それが・・消えてしまっていた。ホテルの窓から見える下にも見えていたんです。それが1階に降りた時には何もいなくなっていました。」


あゆみちゃんが真下さんの話を聞いて、自分が気が付いた事を話す。


「二人に聞いてたんですが、スーパーに行っても薬局に行ってもゾンビも死体も何もなかったって言うんです。」


「本当なの?」


「はい・・そうです。」


遠藤さんが言う。


「街の中にもいないし・・本当にゾンビなんているのかな?と思っていました。」


「そういえば・・ここに来るマイクロバスの外を見ていても全く見かけなかったわね。」


華江先生が言う。


私たちが業務用スーパーに行った時も薬局に行った時も道路上に何もいなかった。それは普通あり得ない事だったんだ。


「やっぱり俺達が何か関係しているのでしょうか?」


「いろいろ調べてみないと分からないわ。」


華江先生が言う。


「調べる?なにをですか?」


すると北あずさ先生が言う。


「華江先生はウイルスや遺伝子の第一人者なんです。」


そうか・・だとすれば・・この異常事態の事もわかるのかな?


「ただ・・私もいくら調べても、まだその要因も何もつかめていないわ。しばらく集中して研究する必要があるのだけれど・・ラボがあの状況では・・」


「皆でどうにかしましょう!」


遠藤さんが励ますように言った。


しかし・・いったいどうすれば・・

次話:第40話 気になる女性陣のバストトップ

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