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第146話 プリンセスとの出会い

私達が皇居内で畑を見つけた時に、畑には栽培された農作物があった。


そしてその近くにある建物を探ると中に人がいる事が分かる。


今、私たちは人に気が疲れないようにゆっくりと森の中を進んでいたのだった。


「生存者がいましたね。」


「ええ。まさかの農作物を栽培しているなんてね。」


「驚きました。」


遠藤さんとあずさ先生が話している。


「とにかく急ぎましょう。」


愛菜さんが言う。


進みづらい森の中を進んでいく。


すると


「まってください!」


後ろの方から声が聞こえて来た。


「人です。」


「えっ?」


私達が振り返ると森の後ろの方に誰かが追いかけてきているようだった。


「どうします?逃げますか?」


「でも攻撃を仕掛けてきたわけでないわ。」


「たしかに。」


みんなが悩んでいたので私が言う。


「あの、待ってみましょう。」


すると栞さんも賛同してくれた。


「待ってくださいと言ってました。」


少し沈黙してみんなで顔を見合わせる。


「確かに、攻撃ならいつでもできたわね。」


「待ちましょう。」


「念のためみんなボウガンを構えて。」


「はい!」

「わかりました。」


すると藪の向こうから人が二人近づいて来た。どうやら女の人の様だった。


「女性ですね。」


「ですね。」


私達が待っているとその二人は追いついた私たちの所に来て息をつく。


「はぁはぁ。」


「よかった。」


どうやら攻撃してくる気配はなさそうだった。


それもその筈だった…


ここに居る全員がその女性のうち一人を見たことがあったからだ。


「菜子様…」


そう。そこにいたのは私達の国のプリンセス。


菜子様だった。


「まさか…」


「あなた方を助けます。」


菜子様は私達を救助するというのだった。


「えっ?」


「あの家には10名の人間がいます。」


「そうなんですか?」


「と言うか‥‥。」


菜子様は遠藤さんを見て言う。


「男性?」


「え、ええ。」


「まさか男性が生きているのですか?」


「はい。」


「何と言うことでしょう!」


菜子様はビックリしながらも嬉しそうだった。


「日本国に男性が生きているんですね?あなたの他に男性はいらっしゃるのでしょうか?」


「いえ、残念ながら俺だけです。」


「そうですか…。でも希望はありますね!」


「私達もそう多くの状況は分からないのです。他に男性が生きているのかも生存者の情報も。」


「それならとにかくこちらにいらしてください。」


菜子様があの建物に来るように言う。


「‥‥‥。」


遠藤さんが答えないのを見て言う。


「大丈夫ですよ。危害を加えたりはしません。ここにたどり着いた生存者をかくまっているだけですから。」


遠藤さんが私たちを見るので、みんなが頷いた。


「では行きます。」


そして私たちはその建物にみんなで行く事になった。


その建物にいたのは菜子様と一緒に来た人の他に10人がいた。


「皆さん!こんなに生存者がいらっしゃいました。」


菜子さんが言うと皆が私たちの周りに集まって来た。


「男性がいるのですか?」


ひとりの女性が言う。


「ええ。どうやら唯一の生き残りのようなのです。」


「よくぞゾンビの中をここまでたどり着きました。」


すると菜子様が言う。


「食料の備蓄もまだございます。畑では根菜をメインに育てておりお堀の水質も安全でした。」


「すでに調査したのですか?」


「はい、私の専門分野ですので。そして水が必要な時にはポンプで引き上げて畑にかけております。」


「よく数年も生き延びられて。」


栞さんが言う。


「男性は緊急事態になってすぐ、この皇室から皆出ていくようになっておりました。父も祖父も全てがここから赤坂御所へと移りそれっきりです。母も祖母もそれについて行きました。」


「そうだったのですね。」


「そして外界からシャットアウトされて私達姉妹が生き残ったのですが、姉は生存者を探しに行くと言って出て行ったきり帰ってきませんでした。」


「好子様が…。」


「はい。」


「残念ですが…。」


「外はそんなにひどいのですか?」


「はい。生き延びている人間はわずかです。」


「そうですか…。」


そして私たちは彼女たちの住む場所を見せてもらう事になった。


「ここで無線で呼びかけていたのですが‥‥」


部屋に入ると無線機が置いてあった。


「でも電気の供給が止まってしまって、私たちは何とか備蓄の食料で耐えていたんです。」


「それは大変でしたね。」


「私と使用人が潜んでいるところに、ひとりまた一人と生存者が増えて10名となりました。」


「菜子様。実は…」


「はい。」


「私達の他に10名ほど生存者がいます。」


「本当ですか?」


「とにかく話し合いをいたしましょう。」


あずさ先生が言うと菜子様が頷いた。


まさかこんなにたくさん生存者がいるなんて、お互いがそう思っているようだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 内親王殿下を奉じて練馬第一師団に行けば 生き残りが居れば皇室旗16菊花紋を付けた自動車は 攻撃出来ないよ?最優先警護対象だから 高機動車で護衛に付くよ?車の周りを装甲車で取り囲み 護衛に入る…
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