第127話 女子トーク
初めての体験だった。
私は遠藤さんしか男性を知らない。他の男の人を知らなかった。
それなのに私は親友だったなっちゃんと家族になるために3人で結ばれる事を選んだ。
なっちゃんの唇
なっちゃんの体
私はなっちゃんとも一緒になった。
お互いがすべてをさらけ出して何も隠すものがなくなった。
なっちゃんはとても暖かくて溶けそうなそんな感じになってた。
あれから遠藤さんとの逢瀬は、いつもなっちゃんと一緒だったし寝る時はいつも一緒にいた。
「しおりんだーいすき。」
「私もなっちゃん大好き!」
今も一緒にいるのは私の部屋のベッドの中。
今日も一緒に寝るために一緒にお風呂に入って髪を乾かし合って、同じ時間をたくさん共有した。
「どうかな。子供出来たらいいんだけど。」
「なっちゃん。そんなに焦らなくていいよ。じっくり取り組んで行けばいつかは出来るよ。」
「しおりんは1回で出来たんだってね!すごいねー。」
「まさかのまさかだったけどね。」
「私はどうなんだろう、特に兆候みたいなものは無いけどまだ彼とは3夜一緒にいただけだからなあ。」
なっちゃんがうーんといった表情で言う。
「そういえば!とうとう正妻の優美さんが懐妊したらしいしね。」
「順番で言ったら9人目?ずいぶん後になっちゃったみたいだけど。しおりんが第一号だったっけ。」
「優美さんは全然気にしていないみたい。出来たことで物凄く喜んでたし。」
「凄い人だ。」
「本当にそう思う。」
二人で寝る前によく話をするようになった。まるで姉妹のようにいつも一緒にいる。
なっちゃんは、この私たちのグループに入ってきてもう馴染んでしまったようだ。
「梨美ちゃんは一人で遠藤さんと会ってるみたい。」
「どちらかと言うと凄く恥ずかしがり屋だからね。梨美ちゃんらしいって言えばらしいかな。」
「みなみ先輩はスポーツマンの愛奈さんと相性がいいらしくって、愛奈さん沙織さんと一緒にいる事が多いみたいね。」
他愛もない話をしていた。
ただ二人で話しているうちに、なっちゃんの言いたいことがなんとなくわかって来た。
「私達がいつもくっついているから、梨美ちゃんが1人になる事多くなってきたのよね。」
「確かに。どうにかしたいなって思ってたんだけど。」
「しおりん。」
「なに?」
「しおりんさえよければなんだけど、梨美ちゃんも一緒にってダメかな?」
「私はダメじゃないけど、梨美ちゃんがどう思うかじゃないかな?」
「だよね。」
「今から梨美ちゃんとこ行こうよ。」
「今から?」
「うん今から。なっちゃんもそう思ってるんなら話が早い。私も気になってたしこういうのは早い方がいいよ。」
「しおりんは変わったよねー。」
「そうかなあ。」
「力強くなったわ。やっぱり母は強しってところかな。」
「えー。そうかなあ。」
「しおりんが言うなら行って見よう!」
二人はベッドから出て服を着始める。まだそんなに夜も遅くないしきっと起きてるだろう。
部屋を出て梨美ちゃんの部屋に向かう。
「しおりん。夜は暗いね。」
なっちゃんがしがみついてくる。夜のホテルの廊下は非常灯だけで薄暗かったからだ。
「節電の為に非常灯だけだからね。展望台は明るくしてると思うけど。」
「生きている人の為だっけ?」
「ここを見つけて来るようにしてるの。」
「人が来た事あるの?」
「まだないかな。あっただ一人だけ男の人がたどり着いたけど、悪い人でね。」
「その人はどうしたの?」
「事故の後で死んじゃった。」
「そうなんだ…」
その話をしてたら少し怖くなって足早に梨美ちゃんの部屋に向かう。
そして階段を下り梨美ちゃんの部屋の前についた。
コンコン!
「はあい。」
ガチャ
梨美ちゃんはまだ普通に服を着ていた。
「まだ起きてた?」
「見ての通り起きてたよ!どうしたの?」
「入っていい?」
「どうぞどうぞ。」
私達は3人で梨美ちゃんの部屋に入って話を始めた。
「梨美ちゃん寂しいかなあと思ってきたんだ。」
「えっ?どうしたのいきなり?」
「私としおりんが最近べったりだったしさあ、梨美ちゃん一人でさみしいかなと。」
「あー、そう言う事かぁ!でも大丈夫だよ。もともと一人の方が気楽でいいって言うのもあるし、遠藤さんも良くしてくれているから。」
「意外にケロッとしていたので安心した。もしかしたら疎外感を感じているんじゃないかと思ってたわ。」
私が言うと梨美ちゃんはクスっと笑った。
「あいかわらず二人はやさしいねぇ。でも本当に大丈夫だから心配いらないよ。」
「よかった。」
「でも少しだけ興味がある事もあってね。」
梨美ちゃんがおもむろに話し出す。
「なになに?」
「いまさら隠しごとするのもないと思ってね。」
「梨美ちゃんも何か話したい事あるの?」
「ちょっと下ネタ的な話でごめんねぇ。えっと私意外とアブノーマルなのかも。」
「えっ!えっ!」
「うそ!」
「うん。優美さんや麻衣さんは結構、遠藤さんとのあのときいっぱい遊んでるんだって。」
「あーそれは聞くね。あと沙織さんとか未華さんとかも結構そうらしい。」
「私も興味あるんだよね。」
「意外!梨美ちゃんは清純派だと思ってた。」
「それはぁ見せかけだけ。私いろいろと興味があるのよ。」
「もしかして遠藤さんにせがんでみたり?」
「うん。した。」
「わー。」
「キャー。」
私となっちゃんは照れながらも話をきく。
「麻衣さんにその事言ったら、回収の時に何度か大人のお〇ちゃを取りに行った事あるって。」
「あーあるある!」
私が言う。
「えっ?そうなの?」
「うん、私は恥ずかしくてセクシーランジェリーを取って来ただけ。」
「みんなは?」
「いろんなもの回収して来たみたい。」
「きゃーっ!」
すると梨美ちゃんが言う。
「やっぱりそうなんだ!私も行って見たいなあ。凄く興味があるんだ。」
「えー、私も行って見たい!」
二人が私を見る。
「う、うん。わかったじゃあ優美さんに相談してみるよ。」
「やったぁ!」
「楽しみ!」
私はひそかな二人の女子大生の楽しみを聞いてプチショックを受けるのだった。
《そうかあ・・女の子は皆そういう事に興味があるんだなあ。あまり無頓着なのは私だけなのかもしれないな。》
皆がそう言う事をどこで覚えるのか知りたいところだ。
そうして女子大生3人組の夜は更けていくのだった。