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第103話 選手の管理をするかの如く ー長尾栞編ー

あずさ先生が優美さんに向かって話し出した。


「それでね大人なのに、優美ちゃんにこんなこと頼むのも心苦しいんだけど・・」


「なんですか?」


優美さんがニッコリ笑って聞く。


「実はみんなも期待しての事なんだけど、あの嫌なら断ってくれていいのよ?」


「どうしました?あずさ先生らしくないですよ!単刀直入にお願いします。」


さらににこっと優美さんが余裕の笑みを漏らす。


自身も気づいていないのだが久しぶりに男に抱かれた喜びと、みんなのために自分の役割を果たしたという達成感でゆとりが出ているのだった。


「優美さんに一つだけやってほしいことがあるのよ。」


「はい?」


「遠藤君の次の子作り相手の采配をしてほしいのよ。ごめんね大の大人がこれだけいて、こんなこと頼むのは申し訳ないんだけど。」


「いいですよ。」


驚くほどあっさり受けてくれた。


「本当に?」


「ええ別に。でも近頼の気持ちを聞きながらになるかもしれませんけど。」


《近頼の・・呼び捨てなんて正妻の風格だわ。》


「それは構わないわ。」


「あと私の独断も入って強制的にそして定期的に全員に回すようにしますけど、全員異存はないですか?」


「私はないわ。」


華江先生が言う。


「もちろん私もよ。」


「当然私も。」


あずさ先生と瞳さんがいう。


「優美!私が先輩だからって遠慮はいらないわ。」


翼さんが言う。


「そうね。わたしが友達でも遠慮しなくていいわ。」


麻衣さんが言う。


「私も全然問題ないですよ。優美さんを信頼してますし。」


未華さんが言う。


「私も問題ないです!お願いしたいくらい!」


「同じく!お願いします!」


「私もおねがいしたいわ。」


奈美恵さん沙織さん愛奈さんが言う。


「優美お姉さんなら安心。」


「私もそう思う。」


里奈ちゃんとあゆみちゃんも同意する。


私は・・


「・・でも・・優美さんに全て任せちゃっていいんですか?辛かったりしないですか?私もお願いはしたいんですが・・本当に良いですか?」


優美さんの気持ちも遠藤さんの気持ちもわかるから、私はそれをさせることにちょっと複雑な気持ちを持っていた。


「うん。だって私が何のために彼が子作りを出来るようにしたのか・・それはみんなの為だもん。私は近頼が好きだし独り占めしたいって言う気持ちもないわけじゃないけど、彼がみんなのために頑張りたいって言ってるのよ。私は近頼の力になってあげたいし皆の気持ちも全部叶えたいから。」


《やはり優美さんは器が大きいな・・》


「優美さんありがとうございます。」


私はその優美さんの気持ちを聞けてうれしかった。


皆も遠藤さんと優美さんは本当に皆の事を考えているようだった。


「でも私が決めるのは決して効率とか優先順位とかじゃないですよ?私の気持ちがそうだって思ったらやってもらいます。」


「それがいいと思う。」


華江先生がきっぱりと言った。


「俺も好きな優美ちゃんが決めてくれるんだったら本望です。俺なんかが相手でみんなに申し訳ないって言うのも大きいけど出来る限りの事はしますから。これからよろしくお願いします。」


「ありがとう。」


「お願いします。」


「うれしいわ・・」


「私も」


「二人に感謝します。」


皆が二人の思いに応えたいと思った。


優美さんが続けた。


「私が次の人に直接言うようにして、選ばれた人と近頼のコンディションを見て日を決めていくようにします。おそらく近頼は若いし毎日でも行けるかもしれないけど、目的は子作りだから中休みの日を儲けてやろうと思います。子作りの効率を考えて何をしたのか?何が良かったのか?何がダメだったのか?ヒアリングしますがいいですか?」


皆が頷いた。


すごい・・プロ野球選手の奥さんのようだ。


遠藤さんをしっかりとサポートしていく気迫が伝わってくる。


「遠藤君が優美ちゃんを選んだ理由わかる気がするわ。」


華江先生が言うとみなが納得した。


「そうですか?私なんか本当に適当で考え無しなんですよ。買いかぶりすぎないようにおねがいしますね」


またニッコリと笑った。


《凄い余裕だ!正妻の余裕。》


この人こそ遠藤さんの正妻にふさわしいと誰もが思った。


皆が集中してそんな話をしている中、私は話を切り替えた。


「それじゃあ優美さんが采配すると決まった事ですし、今日は回収の日です!そろそろ準備しましょう!」


私が言うと皆がハッとした。


「そうでした!そろそろ準備しないといけないですね!」


遠藤さんが言う。


「私さあ栞ちゃんみたいにしっかりしてないけど大丈夫かなあ?」


優美さんが言う。


「ふふっ栞ちゃんはホントしっかりしてるよね。ぽわーんとした美少女ってイメージだけどね。」


あずさ先生に言われてしまう。


皆がコクコクと頷いていた。


「ぽわーんとしてますよ?美少女って言うのは違うと思いますが。」


と私が言う。


すると・・


「「「「「いやいやいやいやいや」」」」」


皆が否定した。


「あなたが美少女じゃなかったら誰が美少女って言うのよ!」


瞳さんが言う。


「本当ですよ私女優なのに・・こんな素人いるんだって思いましたよ!」


「自分で気づいていないって天然ですよねぇ。」


里奈ちゃんとあゆみちゃん年下チームに言われてしまう。


「天然とかいわないでぇ」


「はははは。」


そして私たちは回収のために各部屋に戻るのだった。

次話:第104話 私が選ばれた日

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― 新着の感想 ―
[一言] あ、近頼君丸投げした!そうね女心なる異生物の 気持ちなど朴念仁には難しいから、良い解決法だね 自身はプレーに専念してマネージメントは秘書に 丸投げが無難だものね! 何時も返信ありがとう、私も…
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