魔力は最強、魔法は最低でしゅ。
う〜ん…。協力するって言っても、エクスプロージョンもメテオストライクも使えないのに…。一体何をすりゃー良いんだよ…。
それに魔力が地球の裏側まで行き届いている? 普通、魔力に当てられたら、体調不慮とか起こしそうじゃないのか? とりあえずは、こんな条件でどうだろうか?
1.魔力を制御する技術を教えること。
2.可能な限り普通の生活を送れるようにすること。
3.働いた分、お給料をくれること。
4.嫌になったら、いつでも契約を破棄できること。
俺からの条件は、無条件で受け入れられた。
「まず、早急に実施して頂きたいことは…魔力の制御です。ダダ漏れですから、まぁ、魔王様に匹敵する力ですから、悪党どもも誰も近づいてこないと思いますが、魔力を扱える人間に影響が出始めています」
これは意外と簡単だった。意識の中に、魔力放出のONとOFFのスイッチがあるのだ。それをOFFにするだけだった。
「それでは失礼させて頂きます。あの…普通に暮らしたいので…。あまり関わって欲しくないです…」
【生徒会室】から出ると、姫が瞳を潤ませながら抱きついてきた。あぁ…おっぱい当たってるよっ!! 女の子同士だから抱きつかれるが、女の子だから嬉しさ半減…。なんて非常な世の中なんだ…。
そして、生徒会のみなさんが考えてくれた言い訳で姫を誤魔化す。
「なんか、この前書いた作文が、良い所まで行ったんだけど、落選しちゃったんだって」
「作文? 交通ルールを守ろう? みたいな?」
「うん。それそれ。何かね、学校でも期待していたみたいだったんだ」
「へぇ…」と、姫は、なんか釈然としない様子だったが、気にしたら負けだ。
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そして、その夜、夢の続きを見た。出やがったな…魔改造幼女めっ!
(元気でしゅかぁ!?)(言い忘れたことがありましゅ!!)(ベルゼブブ様が混ざっちゃいました!!)(でも、その世界だと強力過ぎるので、使える魔法は1つだけにしましゅた!!)(すっごくショボい魔法でしゅ!!)(魔力は最強、魔法は最低でしゅ!!)(使い方はでしゅね…)
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嫌な汗で全身ビチャビチャになりっていた。魔力は最強…。魔法は最低…。これ…やばくね? みんな俺のことを…魔王と匹敵する実力だと思ってるのに…。バレたら…。どうなる!? いや…騙しておくのも良くない。ならば…正直に話すか?
くそっ! あの幼女め…。何てことしてくれちゃったの??
どうしよう…。言うべきか、言わないべきか…。
そもそも…俺は、誰かの…彼女になるために、女になって小学生まで戻されたんだ。世界など関係ないじゃないか…。うん、きっちり、そのことを説明したほうがいいな。
いや、待てよ…。ゴブリンが言ってたな。最上位の魔道具を使ったって…。そんなの一般人じゃ手に入れるのは無理だよな。ってことは…。【生徒会室】にいた奴等の中に犯人が?