生徒会室の秘密
【生徒会室】にいるのは…。
生徒会長の森重 聖(高校3年)、副会長の野守 桜(高校3年)、会計の吉田 マイケル (高校2年)、書記の田中 美海(高校2年)、庶務の森重 繭(高校1年)
中学と小学の生徒会長。佐藤 瑛太(中学3年)、堂島 陣(小6)
そして、謎の人たち。乾 太陽(高校3年)、双葉 なな(高校2年)、矢島 秀(高校1年)、遠藤 要(中学3年)、小沢 りく(小6)
そんな人たちに囲まれて、半泣きの俺。そして、生徒会長の森重 聖が口を開いた。
「本日、池上 若菜さんをお呼びしたのは…。突如、あなたが強い力を得た理由を説明して頂くためです」
うっ…。いきなりTSバレテンジャンコースですか…。
「森重…。いや、生徒会長…。俺から説明させてくれ」と、乾 太陽が手を挙げた。
さっと席を立つと、俺に向かって歩きながら、質問をしてくる…。なんだこいつ…。2時間ドラマの刑事役かよ…。
「池上さん。あなたはご存知かも知れませんが…。この世界で隠されている事実を説明します。まず、大前提として…【異世界】は存在する。そして天文学的な条件をクリアすれば行き来も可能だ。それは、この世界に【魔法】や【魔物】というイレギュラーな力が、存在することを意味する。それを管理するのが、WMO(World Magic Organization)という国際組織だ。ここにいる俺、双葉さん、矢島くん、遠藤くん、小沢くんが、その国を超えてライセンスを保有するメンバーだ」
まぁ、話の内容が、ぶっとびすぎてついていけないが…。俺もTSされたんだから、少しは真実味がある話だと思う。
「で、本日未明、この街に魔王と呼べるような魔力を持った人物…調査した結果、池上さんだったが…」
「街たまえ。これだけは、はっきりさせておきたい」
【生徒会室】の奥にあるドアから、数名の大人たちが入ってくる。中には外人さんまでいる…。俺、英語など話せないぞ??
そして初老の男性が話し始める。
「我々は、あなた様と敵対する意志はございません。お互いに平和的な関係を築き、可能であれば、そのお力をお貸し頂きたい」
はて? 誰だこの人? と…そんな顔をしていたのだろう。
「ふふっ。若菜ちゃんは可愛いな。この方は、第96代、内閣総理大臣の伊藤 五郎さんよ」
「はえ? いやいや…そんな手の込んだ…ドッキリ…えっ!? マジ?? いやぁ、だ、騙されないよ? 総理大臣が、SPも付けずに…こんな場所にいるわけないじゃない?」
「それは…。若菜ちゃんが本気出したら、誰も止められないからね。意味ないでしょ?」
俺は訴えた。そんなはずはないと…。ちょっと可愛いだけの小6女子だと…。だいたい魔法なんて使えないし、そんな力なんてあるはずがないと…。
「そう言われましても…。貴方様の魔力はビンビンに地球の裏まで行き届いています」とWMOの事務局長メドローア・アダムスキーが流暢な日本語で言った。