vs 騎士団
面積を可能な限り削ぎ落とした三角ビキニ。これを基本として、真っ赤に燃える瞳のドクロの肩パッド。屍竜の首を模したゴツゴツした小手。防御力があるか不明な縞々ニーハイと謎のナースシューズ。表が黒で裏が赤のドラキュラ専用っぽいマント。血管が透けているように液体が流れているティアラ。
俺はそんな格好に着替えさせられている。というか、ロゼリッタは、呪われるから触れませんと言い切り、俺が自分で着替えることになったのだ。
「ほぼ全裸じゃね?」
「でも四肢は露出してませんよ? つまりノー全裸です。ちなみに。それぞれに、どのような呪詛が組み込まれているか、ご説明いたしましょうか?」
「いえ、怖いから…。不要というか、聞きたくない」
「むぅ…。残念です…。あっ!? それと言い忘れましたが、オマーニ様が食あたりに合い…3日程度治療のため、この街に滞在するそうです」
「はっ!? 俺に、いや、私に…それまで、ここにいろと?」
「ですが…。仕方ありませんよね…」
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それから何もすることがない俺は町の外に設営された天幕でゴロゴロする。すると外が何やら騒がしい。天幕からこっそりと外の様子を伺うと…。騎士たちに包囲されているではないか!?
俺は天幕から勢い良く出る。すると崩れ落ちていた…ゾンビやスケルトン達が、威勢よく立ち上がる。それは…100体の不死の軍団+ブラック・スレイプニル+ゴーレムの女剣士+魔王 vs 騎士団という構図が出来上がっていた。
「街のため、市民のため、この命…」と口上を述べ始めた時、慌てて第一近衛騎士団団長のモッコリーズが仲裁に入る。
そして目茶苦茶…モッコリーズが怒られている。
「突如、こんな魔物の軍団が現れたら … (略) … 俺達はみんな…遺書を書いて … (略) … 本当に…助かった…ありがとう…」と最後は泣きつかれていた。
まぁ。今回の遠征食事会は、半分お忍びみたいなものであり、いちいち宿場町のお偉いさんに言って滞在すると、毎日が接待&宴会で疲れてしまうからね。でも、まさか、こんな不死の軍団が第三王女オマーニの護衛だとは思いもよらないよね…。
しかし…長い…。まだ二日目だぞ? このペースで話が進んでいくと…一体、帝都に着くまで何話になるんだろう? と、どうでも良いことを考える。
『ふんっ。主に力を示せる機会であったのに…』と、残念そうにブラック・スレイプニルのハーデンが呟く。
「ベルちゃんが活躍するような。何からしらのイベントが発生すると良いですね」とロゼリッタ。
「待て。余計なことは言うな。筆者がネタ切れで困っている気がする」
「筆者?」
「あぁ。この世界の神だ。魔王となった今、その存在を感じるのだ」
面積を可能な限り削ぎ落とした三角ビキニになり、完全にツルペタが露呈してしまったベルゼブブ。そんな絶壁の前で握りこぶしを作り、熱く語るのであった…。




