指がアレ
気付かれないよに姫だけを起こしたつもりだったが、桜と真帆も起きてしまった。三人の前で素っ裸にされ、いろいろと教えてもらった。
「若菜ちゃん…。順番がおかしくね?」と真帆。
「大丈夫だよ。若菜ちゃん。こういうのって個人差があるから…」と桜。
「あぁ…若菜ちゃんが大人の階段を…嬉しいよな悲しいような…」と姫。
「うっ。ちょっとお腹が痛いかも…」
まぁ…これは女子の運命なのだろう。あの幼女の所為ではないのだ。
ふと…。自分の左手、それも人差し指に違和感を感じた。人差し指が…男の子のアレになってる!? えっ!? これって…。ま、また…あの幼女の仕業かっ!!!!!!!
一応、高校二年生の男子だったし、このサイズや形から言って…中学生レベル(初期の初期)のアレだろう…。
(うんうん、これで【血の雫:ブラッドドリップ】が使えましゅよ!)
おい、待て。まさか…ここから…雫が出るとか??
「若菜ちゃん? 指がどうしたの?」と桜にツッコまれて、ドキッとした…。よ、よかった…。魔力がない人間には…普通の指に見えるのか…。
「う、ううん。なんでもないよ…」
はうっ!? って、ことは…WMOメンバーには、見られてしまうのか…。
泣きたい…。マジ…泣きたい…。
「本当に大丈夫? 涙が出そうなぐらい痛いの?」桜はお腹をスリスリしてきた。
「ごめん。このまま…寝るね」俺は現実逃避をしたかった…。
くそっ! この機構(男の子のアレ)だと、やはり…使用するには…それなりの…あんな感じになるのだろうか…。いやいや、正直、魔法には興味あったけど、そこまでして使いたいとは思わない。
そして…またまた夢の世界…。
(そんなこと言って!!)(男の子のとき、散々やってたじゃないでしゅか!!)(ここに記録が残ってましゅよ!?)(なんなら証拠みせましゅか?)(えっ!?)(てやんでぇ!!)(折角、魔法をプレゼントしたのに!!)(使うまで毎日、夢に出てやるでしゅからねっ!)
散々な言われようだ…。う、煩いぞ!! 昔は昔だ!! それにもっと違う魔法にしろっ!!
「若菜ちゃん、若菜ちゃん、大丈夫?」
目を開けると、姫が心配そうな顔で覗き込んでいた。どうやら夢で魘されていたようだ。
「う、うん…。大丈夫。ちょっと…怖い?というか、酷い夢を見てたみたい」
左手を見ると普通の指に戻っていた。どうやら幼女が気を利かせてくれたみたいだ。だが、きっと…条件に次第で…アレになるのだろう…。
一人になったときに、ちょっとだけ…使ってやるか…。使わないと怒るよな…幼女…。