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泣きながら土下座されたら、それ以上の追求は難しい。その日は、そこでケット・シーの捜索も打ち切りとなった。


家に帰ると、今更ながら弟の存在に気付く。その名も、『焔』。大人になりきれなかった父親が、やっちゃった名前です。


「おかえり〜」とソファーに寝転んだまま心のない挨拶だ。テーブルを見ると、夕食の用意が? またアレか…。ママさんバレーか…。


〜〜 若菜へ 〜〜 


お母さんは、バレーに行ってきます。


夕ごはんは用意してあります。


焔をお風呂に入れてあげてね。


バレーの後はカラオケに行きます。


先に寝ててください。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ちなみに父親は、単身赴任で家にはいないのだ。


夕食の用意と後片付けだけで、かなり時間を取られてしまう。ぐっ。勉強の時間が…。って、いつもはしないけど、なぜかこういうときにできないとイライラする。できても、しないけど…。


「ほら、焔、お風呂はいるよ」


こいつ小4なのに、怖がって一人で風呂にも入れない。


「えー…。今、嫌だ。後がいい」


何が面白いのか不明なTV番組を一緒に観る。TV番組が終わりに近づくと、焔は服を脱ぎ始めた。おい、ここで脱ぐのかよっ!? すっぽんぽんになって、お風呂に走って行った。俺は脱ぎ捨てられた服を拾いながら風呂に向かう。


焔の体を綺麗に洗ってあげる。どこぞの王様のようにふんぞり返っている。このガキめ…。そして湯船に入ると、俺が洗っているのをじーっと観察している。まさかエロに目覚めたのか!? 小4で?


「ねぇ、お母さんスイカみたいに大きいのに、お姉ちゃん、おっぱい…つるぺただよね?」


ぐっ…。男で言うところのアレのサイズを指摘されてように、心に刺さる一言だ…。


「うっさい。まだ小さくていいの。大人になれば、お母さんと同じ…スイカサイズになるわよ」


「ふ〜ん。もう熱いから出るね。頭洗って!!」


出てきた焔のアレは立派に大きくなっていた。本人には自覚が無いようだが…。これはデリケートな問題だ。指摘したりしないで、気が付かない振りをするべきだろう…。


風呂から出ると、パジャマを着せて、二階の弟の部屋に連れて行く。これでやっと弟の世話が終わった…。そして…俺は勉強…は、疲れたからなし! 俺も寝よう…。


うつらうつらとしていると、「お姉ちゃん…一人怖い…」と焔がベッドに入ってくる。いやいや、俺が男のときは、こんなに甘えて来なかったぞ?


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