魔改造
ときたま書く程度です。まったりと…。
真っ暗な空間。耳鳴りだけが聞こえる。匂いはしない。寒くも熱くもない。わかるのは床に裸で座っているということだけ…。
俺は『池上 鉄火』。高校二年生の男子だ。ここにいる理由もわからなければ、直前に何をしていたのかも覚えていない。いや…午後の授業…確か国語で、めっちゃ眠かった記憶がある。
『ほっほっほっ。待たせてしまったのぉ』
突然目の前に淡い光が現れたと思ったら、英国風紳士の服を着たゴブリンが現れた。
「ゴ、ゴブリン?」
「おぉ。えっと…。池上 鉄火くんは、ゴブリンを知っておるのじゃな。まぁ、ワシのことは良い。それよりも、手続きを進めさせてくれ、この後も沢山の依頼が詰まっておるのじゃ」
ゴブリン = 死。という方程式ではないようだ。安心して「手続き?」と聞き返した。
「ふむ。魔法が存在しない鉄火くんの世界に、違法に持ち込まれた魔道具が複数存在してな。その一つが使われたのじゃ。確か、【奇跡の羽】と呼ばれる。どのような願い事も叶えられる…最上位の魔道具じゃな」
「どんな願いも? それと俺が…なんの関係が??」
「まぁ、どうせ記憶は消されるのじゃ。教えてヤらんこともない。鉄火くんの事を好いておる男がおってな。鉄火くんを女の子にしたいそうなのじゃ。詳細は、幼馴染の可愛い女の子。おっぱいは大きく、目はぱっちり。優しく良い香りがして、勉強もスポーツもそこそこの健康優良児。出会いは小学校6年あたりで…そんな…ちょっとエッチな彼女が欲しい」
「待て待て待て。それって俺の知り合いってことだよな。うわっ。キモい…」
「時間もないのじゃ。早速、鉄火くんを改造させてもらうぞ…」
あぁ…体がいじられ…大事なものがもぎ取られるのがわかった…。
(何してるでしゅか?)(コラ、ドラ子、邪魔をするでない)(邪魔なんてしてませんでしゅよっ!?)(それが邪魔だと言っておるのじゃ!!)(この子、可愛いしゅね。そうだ! プレゼントでしゅ!!)(コラコラ、勝手なことを!! しかもそれって…ベルゼブブ様??)(うん、ねんねするって…つまらないでしゅ)(あぁぁぁぁぁぁ…、わし、知らんぞ?)
「おい、俺の体で遊ぶな…」
その可愛い幼女は、ハサミやら、ノコギリやら、得体の知れない薬やら、魔物の内臓やらで、俺を魔改造しまくった。こいつには、麻酔とか…そんな優しさがねぇーのかよっ!?
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うっ、う〜ん。酷い夢を見た…。ベッドの上にあるはずのスマホを探す。あれ? ない? ベッドの下にまた落としちまったかな…。
ズドンっ!? ベッドの下に下ろした足が床につかず、空振りしてしまい、ケツから床に落ちてしまった。
「痛っ!! 何だよ…」
声が高いことに気がつく。
ハッとなって、衣服を確認する。パジャマがやたら大きいわけじゃない。そうだ、つまりは子供になんて何って無いはず…。いや、パジャマって…。俺、そんなの着て寝ないぞ??
チラリと、スタンドミラーを見ると、可愛い花がらのパジャマを着た女子がいた…。