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紅鳳町物語-紅き絶望の刻-  作者: シュガー
2/2

壱の刻-ナンバーゲーム-

『私は開拓者。紅鳳町のみなさんにはゲームをしてもらう!』


「ゲーム……?」


「千花先輩!今、なんか開拓者と名乗る人が……」


「こっちにも来た。」


「「ゲームとはなんだ!開拓者とかふざけるな!俺達を戻せ!開放しろ!」」


と、人々が一気に騒ぎ始める。


『やれやれ……君たちは静かに人の話を聞けないのかい?そういう人たちには教育が必要だね……』


開拓者がそう言うと空からなにか細いものが降ってきた。


縄だ。


縄は、騒ぐ1人の首に掛かり、




すごい勢いで上へと上がっていった。


『さぁ、吊るされた彼はどうなったと思う?』


町の人達はなにも喋らない。沈黙が続く。


『彼は上へと行く中で窒息死する。そして宇宙へと行き宇宙の果の逆転重力(アンチ・グラビティ)にぶつかり、あとかたもなく消滅する。』


みんなは恐怖で声も出せずただただ開拓者の声を聞いていた。


こんな状況でも人が死んでいくことに冷静になれる自分を呪いたい。


『さぁ、ゲームを始めよう☆1stステージ、ナンバー!ゲーム!』


数字のゲーム……


『みんな、もう気づいてるかな?みんなに腕時計型の機械を付けさせて貰ったよ☆』


腕を見る。腕時計型の機械には6584と書かれている。


萌ちゃんも腕を見ていた。萌ちゃんにも腕時計型の機械は付いていたが、0972と書かれている。


『みんなの腕時計には4桁の数字が書かれていると思うんだ☆

0000から9999までの一万通り☆

ルールは簡単。同じ数字の人を殺すだけ☆』


……は?

紅鳳町の人口約は37万人……敵は2〜3人くらいいるのか……


『ただーし!自分と違う番号の人を殺したらその人は死亡!

例えば…0826番さんが5984番さんを殺したら殺された方も殺した方も死んじゃうのさ☆』


なるほど、無闇矢鱈と殺せないようにしてるのか、、


『4桁の番号が同じ人がいなくなったら勝☆利!

自動的に次の部屋へとワープさせてもらうよ☆』


『それじゃみなさん、アデュー☆』


開拓者の説明が終わった瞬間周りの人達が暴れ始める。


「お前…そこの女……番号を言え」


警察のような姿の男に話しかけられた。


「えっと……6584です。」


「そうか、俺は0972だ。運が良かったなお前、俺に殺されずにすんd………」


男が一瞬にして燃え上がり、炭になった。


「ハァ……ハァ……」


そういえば、萌ちゃんも0972だった……


これは遊びじゃない。

とっくにわかってたことだけど、改めて痛感した。


「先……輩………私………0972と聞いて………つい………殺しちゃった………」


萌ちゃんはすごい動揺している。


星光学園ではこんなこと当たり前になってたのに平和ボケでもしたのかな…?


いや、自分がおかしい。人を殺す事に動揺しない自分がおかしいんだ。

萌ちゃんは涙目で震えている。


「大丈夫。萌ちゃんがやったことは悪いことじゃない。開拓者。あいつが全て悪いんだ。」


不意に後ろから声がした。


「6584……見ーつけた♪」


後ろに振り返ると女の人が鉄パイプをこちらに振り下ろす。


それを片手でキャッチする。


どうやら能力はまだ使えるみたい。

あの事を思い出してしまいそうで使うのを拒んでいたが、今は仕方ない。


鉄パイプを弾き返してカウンターの構えをとる。


女は鉄パイプを投げてきたが、避けると、


後ろの太った男の頭に当たった。


「んぐぅぁ!?」


異様な叫び声を発し頭から血を流す。


「え……え……!?」


女も困惑している。


「あなたが!あなたが悪いのよ!あなたが素直に死んでいればあの人も犠牲にならなかっ……」


「なんで?」


「は?」


「なんで避けちゃいけないの?」


「あ、あなた誰よ!これは私とあの糞女の事!部外者は黙ってて!」


「私は千花先輩の後輩。部外者じゃない。」


女は何かを言い返そうとしてたが、萌ちゃんの威圧に負けてなにも言えない。


ってか何やってんの!?


「これは 生きる ゲームなの。素直に死ぬ?馬っ鹿じゃないの?先輩は生きる為に最善を尽くしただけ。なにもおかしくない。あなたがおかしい。」


「くっ……」


バタンッっと音がして鉄パイプの当たった男が倒れる。


『おっと、あなたは6584番なのに0005番を殺したね?ペナルティだ。』


空から縄が降ってきて……


女を宇宙の彼方、逆転重力へと吊り上げていった。

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