もしも主人公(ヒーロー・ヒロイン)だったならば
もしも、自分が何かの主人公であったのなら、自分はどんな主人公であっただろうか?
超能力や超人的な力を持っていただろうか?何かの組織の一端で悪の組織と戦ってだろうか?それとも、何人もの美少女の心をいとも簡単に掴めていただろうか・・・なんてことを、毎日のように思い描くことはあっただろう。
まぁ、そんなことは自分にはどうでもいいことだ。なぜならば、自分は『何かしらの主人公』にはなれないことはわかっているのだから・・・
「次はいつ襲ってくるか分からない・・注意しないとな・・・」
「私なんかが魔法少女になっちゃった・・・どうしたらいいの・・・」
「もしもし、俺だ。俺の戦闘スーツは直ったか?」
「ぐぅあああっ!!奴にかけられた呪いが・・・っ!!」
なぜかと言うと、この世界には『主人公たち』が溢れかえっているからだ。
何処から話をすればいいかわからないけど、とにかく分かる範囲からでいいだろう。
まずはじめに、この世界には怪物や怪人、宇宙人やロボット等、破壊工作を行う物体が出現しはじめる。
次に、それらに対処するために、特別な力を持った人達が現れる。つまり『主人公たち』だ。
そして、なんの因果があってのことか、自分を除いたクラスメイト全員が、この『主人公たち』。
これはイジメか何かだろうか?自分は完全に巻き込まれている。
自分が一体何をしたというのだろうか?もしかしたら自分も何かしらの『主人公』なのだろうか?
いや、それは有り得ない。自分に特別な力などないのだから。
彼ら『主人公たち』から見れば自分は『モブ』だ、ごく普通の学生をやっているモブなのだ。
ならば自分は最後まで『モブ』を貫き通そうではないか。