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33話 着替えと告白

 幸せな時間は、あっと言う間に過ぎ、3時限の授業が終わると、昼休みとなった。

 レダと部屋に戻って食事と思ったが、そうは問屋が卸さなかった。


 終了のベルが鳴るやいなや、女生徒に殺到されたからだ。

 

 サーペント様、お昼をご一緒に……

 一緒に食べましょう……

 ご体調はいかがですか……………。


 うわっ。何だ。耳が痛い。マジで。

 みんな、それぞれ見るとかわいい子がほとんどなのに、集団となったら中々の凶暴さだ。


「皆さん!」

 その一声で、騒々しさがかき消えた。

 おお。シャーロット!


 どうやら、女子達のクラスカーストで君臨しているようだ。


「皆様、アレク様がお困りですわ。一斉に話しかけては、ご迷惑です」

 救いの女神か!?


「とはいえ、皆様の反応も無理からぬところ…」

 ん?


「…よって、皆で食堂にご一緒し、お話を伺いましょう!!」


 げっ、かえって事態が悪化してるように思えるのは、気の所為か?!

 レパードに視線を送ってみるが、手で謝られた。シャーロットとの力関係が、見えた気がする。


「アレク様。ここはひとつ、フェルマー様のご意見にしたがいましょう」

 レダですら、あきらめたようなので、降伏して承諾した。


「では、あなたたち。先行して、席を9人分確保なさい」

 そう言われた女子達3人は、ダッシュで教室を出て行った。


 この後、食堂に行ったが、ただただ拷問の場だった。


 午後からは、専門科の時間だ。休憩と着替えのために自室へ戻る。

 昼休みは、貴族のための学園だから1時間半と長い。食事に時間を掛けても、まだ30分はある。


「大変でしたね」

「ああ、疲れた。何食べたか憶えていない位だ」

「うふふふ」


 女は3人寄ると姦しいと言うが、その倍以上居たのでエラい騒ぎだった。


「さて、ではアレク様。魔法師の衣装に着替えましょう」

「ああ」


 レダも慣れたもので、あっと言うまに、俺を脱がした。

「実習服です」


 普通の手首足首が締まった薄い地のツナギだ。


 レダは前のホックを外して上を広げた。

「アレク様。どうぞ!」

「ああ」

 俺は、そこに片足ずつ突っ込むと、レダが上に引き上げる。袖を通し終わったら、ホックを掛ける。

 ふむ。厚手の生地だが、暑苦しさを感じないな。なんか処理がしてあるのだろう。


「後は、チュニックです」

 長さ3m、幅1.2mほどの大きい布の真ん中に、縦に切れ目が開いている貫頭衣だ。

 そこに頭を通し、腕を出して、脇を留めると着付け完了だ。中央は裏から当て布されており、肩から腹辺りはやや硬くて余り皺が寄らないが、そこから裾まではしなやかだ。表面には細かい文様が刺繍で縫い込まれている。人件費が掛かっていそうな服だ。


 ん?まだ実習服が余ってるが。

 

「では、私も…」


 はっ?


 レダが、上着のボタンを外し始めた。

 その衣装は、レダの分か。


──ということは?


 ここで着替える?


 レダが上着を袖畳みにして、背もたれに置く。

 おおう…。

 ブラウスに包まれた胸の隆起が、裾野から露わになった。

 つんと持ち上がったままだ。

 若いって良いなあ。


 ちらっと、こちらに視線を送り、俺の視線を確認した。

 レダは眼を伏せ、ほわっと朱が差す。


 ベルトを寛げ、前開きのボタンを外していく。

 薄いベージュの下穿きが露呈した。


 えーと、レダさん。これは、何のプレイなんでしょう?

 いずれにしても、朝脱げ!と言ったときに涙目になってた、同じレダとは思えない。どういう心境変化があったのか


 腰に手を掛かる。

 ごくっと、思わず唾を飲み込む。


 僅かな躊躇の後、ゆっくりとスラックスを引き下ろす。

 脚を抜き取ると、前が目の当たりになる。


 先生と同じように土手高な陰阜だ。

 それにしても綺麗な脚だ。

 ユリの脚も美しいが、全く負けていない。


 膝から下は細いのに、尻からの流れはうっすらと脂がのっており、女性的だ。

 肌は、つるつるのすべすべだ。

 うわぁー。触りたい。


 視線を上に持ち上げると、シャツの裾が広がり、胸の頂からストンと垂直に落ちているのが見える。絞られているのも良いが、これも良い。


「あのう。アレク様」

 シャツのボタンを、下から外しながら、レダが口を開く。


「うっ、うん。なんだ?」

「次の時限まで、時間がありません。大変申し訳ありませんが、今は見るだけにしておいて下さい」


「あっ?ああ…ランゼ先生から、そのう…何か言われているのか?」


「ふふ。気になります?」

「ああ」

「私が、従姉から言われて、アレク様を誘っているとでも?」


 ランゼ先生から、言われていることがある。

 学園において、ランゼ先生の意識を潜在下に閉じ込め、レダは実在の人間として人格を宿らせると。そうで無ければ、ヴァドー師を含め、職員を偽ることはできないと。


「でも、レダと会ってから、日が浅いのに…」

「男女の仲となるのに、どれだけの日数が必要なのでしょう。それに好きになるだけなら、刹那と掛からないのではないでしょうか?」


「それは…そうだが…」

 全てのボタンを外し終わり、前を開いた。

 薄い絹の胸当てに包まれた、大きな丘が揺れる。


「確かにいろいろ言われました……ただ、今この躰をご覧頂いているのは、私の思いつきです」

「…そっ、そうなのか?」

「チュニックで少しは遮られるとは言え、実習服は襟やら脇の隙間から、身体の線が見えますので、他の女生徒に目が行かないように、致しませんと」


 うーん。逆効果じゃないか?


「それは、レダが俺のことが好きだからか?」


 ふっと、眼を細めて笑う。

 猫のように小悪魔のように。


「信じて戴けないかも知れませんが。私、御館に来るずっと前から、アレク様を知っているような気がするのです」


 レダは、偽りの記憶が与えられている。

 ランゼ先生は、なんと罪なことをするのか。


──俺のためだな。


「私は、アレク様が愛おしいいです。殿方として!そして自分の子のように」


 はっ…???


「変でしょう、産んだこともないのに…でも、女ってそういうものなのです」


 レダの顔から硬さが消え、薄い微笑みは神々しかった。


「そうか。信じるよ」


 その雰囲気を甲高い音が打ち消す。


「予鈴です…実習服を着てもよろしいですか?」

「ああ。そっ、そうだな」

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