2-2
訪れた日々は、穏やかと平和の二言で片付けられるような日常だった。
日の出と共に魔王と共に家を出て、魔王とは反対の方角を進み、小麦畑を抜けた先にある民家へ向かう。
民家の玄関戸をノックして返答を待たずに入れば、紅茶をすすって待っていたソフィアがゆったりと腰を持ち上げる。
朝の挨拶を交わしたソフィアと共に村の畑へ向かい、いつの間にやら生えた雑草を抜いて、付いた害虫を駆除して、広大な休畑の一部を耕す。
まさか自ら鍬を手にとって畑を耕し、身体中を土まみれにするなんて、思いもしなかった。
こんなこと、土精霊にやらせれば一瞬で済むことだというのに。
そう思いながら鍬を振り下ろし、休畑になって久しい土を掘り起こす。
掘り返した土からはウネウネとミミズが這い出て、鍬でミミズを真っ二つにする事故を多発させながらも、アネモネは汗水を垂らして慣れない畑仕事に精を出す。
土そのものの状態は悪くなく、休畑にしていた分だけミミズが巨大化しているというのに、土精霊の気配は影も形も無い。
こんなに肥えた大地なら土精霊が狂喜乱舞していてもおかしくないというのに、不思議だった。
息を吐いて鍬の刃を土の上に置いて鍬を立たせ、その柄頭に両手を乗せて、息を吐く。
首にかけたタオルで汗を拭きながら、あたりを見渡せば、山菜を採りに山へ向かうアニタの後ろ姿が小さく見えた。
小麦畑の方には、ひょこひょこと白髪頭が二つ見え隠れする。
「疲れたかえ?」
腰を大きく曲げたソフィアが雑草を握った手を腰のあたりに回して、アネモネのすぐ側に立っていた。
「いいえ、まだまだ大丈夫です。皆さん、働き者ですね」
アネモネは僅かに笑みを浮かべて返せば、ソフィアはニコニコと笑う。
「逆に動かにゃ、動けんくなるだに。動ける時にゃ動く、これが一番さね」
快活に笑うソフィアはそう言うと、ゆっくりと休畑の中を突き進んで、雑草を堆肥の上に放り投げる。
その間に自分の両の手のひらを見れば、腫れ上がった豆の一部が潰れていた。
手に豆ができるなんて、幼い頃に剣術を習っていた時以来だろう。
ソフィアが戻って来る前にこっそりと溜息を吐き出して、鍬を握り直す。
昔は世帯ごとに畑を持って個別に管理していたそうだが、村の過疎化が進みすぎて、あらゆるものを共同した村は、新しい世帯が増えたことで、少しばかりの拡張作業に追われていた。
それも昼前には、今日の畑仕事はおしまい、と老婆たちは引き上げる。
ソフィアの家に老婆達が集まって、はぁやれやれどっこいしょとばかりに腰を据え、軽い昼食を作り上げて食べる。
本日は、といえば、いつの間に作成したというのか、ベッテお手製のパンだった。
カゴに飾るように盛られたパンを老婆達は手にとって食べだし、アネモネもまた恐る恐るとパンを手に取る。
周りの食べ方を見てから、丸々としたパンを千切って口に含めば、出来立てふっかふかのそれは、外はカリっとして、中はふんわりもちっとした小麦の甘さがたまらない一品だった。
パンを食べたことそのものが初めてで、アネモネはその美味しさに目を丸くする。
魔族は、水と霞だけあれば飢えて死ぬことはない。
だが、飢えを凌げることと、食欲を満たすことは別になる。
言い知れぬ飢餓感が常に付きまとい、肉や魚、野菜を体は欲するも、魔界ではそれらが手に入ることは滅多にない。
魔王と200歳ほどしか変わらないヴィリアス曰く、昔は魔界も豊かで、肉も魚も草花も豊富だったが、魔王が人間界への扉を閉ざして以降、魔界の地は年を経る毎に痩せ細り、今や不毛の大地に成り果てたという。
アネモネが生まれた頃には、魔界は不毛な大地でしかなく、食欲に関する言葉を並べ立てられても、餓死とは無縁なのだから何をそこまで文句を言うのか、と魔界にいた時は思っていた。
だが、人の世に堕ちて思う。
こんなにも美味しい物を知っていたのなら、これらが食べられない状況はあまりにも辛い。
「美味しい・・・」
思わず声にもしてしまえば、ベッテがニヤリと笑った。
「そうじゃろうそうじゃろ。村ンで、パン作りはアタシが一番だかんねぇ」
「ベッテに習うといいだに。すんぐ美味く作れるで」
ソフィアの言葉に、ベッテは胸を張り、マルガとアニタが、んだんだと頷いた。
「では今度、是非、お願いできますか」
アネモネの言葉にベッテは、ふふんっと笑って頷いた。
「そうじゃね。じゃが、小麦取れた後のがいいだね」
「あぁ~そうさねそうさね。小麦ん取れた後がいいだね」
老婆達の話を聞いて、アネモネは素直に頷いた。
あの広い小麦畑で作られた小麦で、村人達は一年の間を食いつなぎ、微々たる金に換金する。
小麦の刈り入れの際には、村民全員で行うそうだが、それでも村民全員で行える範囲までの小麦しか育てることができない、とも言い換えられる。
来年からは、もっと広く小麦畑を作ろう。
今年からは、畑をもう少し広く使って野菜を作ろう。
そう笑いながらこなす老婆の中に混じって、アネモネは穏やかに笑う。
それは時に魔族であることを忘れかけそうにもなりつつ、午後からの自由行動時間に自らを奮い立たせ、山奥で修練に励んだ。
弓の作り方は二週間と一日目の時にヤニクから教わり、ソフィアの夫だったランベルの遺品である短剣を使って木製の矢を作り出すことにも慣れた。
銃もあるにはあるが、この村に荷馬車を引いて商人がやってくるのは一ヶ月に一回、稀に二回という状況のため、銃弾を買うよりも、木材から矢を作った方が手っ取り早い。
そして何よりも、山の主が銃声を嫌うそうで、弓を使わにゃ何が起こるかわからん、と、ヤニクが溢していた。
一本の太木を目標にして、矢をひたすらに引く。
最初は狙ったところに当たるどろこか届きもしなかった。
だが、それも、一週間もすれば狙った幹に突き刺さり、二週間もすれば、目標の点を射抜くことができるようにはなった。
夕方を過ぎたあたりで下山して、ソフィアの家へ行けば、老爺と魔王も各々の収穫物を携えてやってくる。
老婆とアネモネはそれらを昼のうちに採った野菜と共に、鍋にし、焼きにし、ささっと調理を終えて、均等に分配する。
ソフィア以外の家で夕食を作ることはまずなく、アネモネと魔王が暮らす家の炉に至っては、湯を沸かすだけにしか使用していない。
分配した料理を皆々が家に持ち帰って食べ、そして日が完全に没したところで、蝋燭を使うのが勿体ないので早々に寝る。
そんな生活に慣れきって、もはや日数すら数えることを放棄しそうになり、潰れた豆も固まって少々硬くなった頃合いの昼少し前。
暑くなってきた日差しが憎らしくて空を見上げたところで、聞きなれない音が微かに耳に滑り込む。
馬車の車輪が土と石塊を踏み散らし、蹄鉄がカポカポと音を立てる、その音に。
アネモネが音のした方角へ視線を走らせると、ソフィアも土の上に放り投げた害虫から視線を外して、アネモネを見、そしてアネモネが顔を向けた方角を見る。
「ああ、都の商人さね」
遠くからやってきたその姿を見て、ソフィアはアネモネが聞かずとも答えた。
茶色毛の馬一頭が荷馬車を引き、荷馬車に座り込んで馬の手綱を引く商人は、アリアの人殻年齢とそう違わないように見える。
「いつも同じ人が?」
アネモネの何気ない言葉にソフィアは不思議そうな顔をしつつも頷いた。
「んだ。はぁーなんつったかねぇ。なんとか商会の、なんとかさんだに」
わかったのは、どっかの商業組合に所属している商人である事だけ、というアバウトさに、アネモネは、
「ありがとうございます」
と、礼を述べた。
90過ぎの老婆に記憶力の良さを求める方がどうかしている。
ソフィアが教えてくれた情報だけで、自分が知りたかった情報としては十分だった。
荷車に樽やらなにやらを積んだ商人は、開けた通りで馬の手綱を引いて荷馬車を止めた。
畑からは随分と遠い位置だが小麦畑の中からベッテが飛び出し、足早に商人へと近づいて行った。
商人の傍にたどり着いたベッテは、荷馬車から降りた商人に何事か話しかけ、商人はベッテの言葉に頷くと、荷馬車の中を漁りだした。
外部の人間ほど、気をつけなければならない者はない。
隔絶された山奥の村ならどうとでもできるが、集団という単位が微かにでも引っかかる可能性があるのなら警戒に越した事はなかった。
「見てきぃ、見るだけならタダだでね」
ジッとアネモネが警戒しているが故に凝視していたのをソフィアは羨望と思ったらしく、そんなことを言ってきた。
「いえ、私は特には」
慌てて首を横に振れば、ソフィアはこれ見よがしに溜息を吐き出して、手についた土塊を払い落とした。
そして、アネモネの手首を齢90超えとは思えぬ速度で掴んだ。
「んん、遠慮してどうするだに」
ぐいぐいと引っ張って歩き出したソフィアにアネモネは渾身の抵抗はできなかった。
「いえ、私は本当に」
口でそう答えながら、ソフィアに引っ張られるがままに歩き出すしかない。
力はそこそこ強くてもご老体であることに変わりなく、下手に力を込めて転ばせでもしたら、簡単に骨の一本や二本を複雑骨折するに違いない。
それをソフィアも分かっているからこそ、ソフィアはアネモネの手首を放そうとはしなかった。
そうして畑の中から引きずり出される間に、アニタは商人から小さな麻袋を受け取って、ポケットから小銭を差し出す。
狭い畑道を歩き出したアネモネとソフィアが商人の前へたどり着く前に、アニタは自分の家へと歩き出していた。
そうしてソフィアに連れてこられたアネモネを見て、
「初めて見る方、ですね。お孫さんですか? ひ孫さんですか?」
きょとんとした顔の商人は、やはり若い。
そして好青年らしい笑顔に、茶色い毛が日の光を浴びて透けるような色合いになっている。
くるりとした人懐っこそうな目で、こちらを見る様は、人の良さそうな、善人のように見えなくもない。
だが、アネモネは口を閉ざしたまま、どう返すべきかと目線が横に流れる。
それを見上げたソフィアは、
「わしの従兄の孫の再従兄の父親の従兄の母親のひ孫じゃい」
と、決して誰にもわからなそうな血縁の系譜を口にした。
面食らった商人は、しかしすぐに、笑顔を取り戻して頷いた。
「なるほど、ソフィアさんのひ孫さんですか! エルトラン商会のセオルと申します。以降ぜひ、ご贔屓に」
そうして差し出された手にアネモネはセオルの顔と、その手を二度ほど見比べてから、その手を握り返して浅く頷いた。
そしてすぐにアネモネは手を放したが、セオルはその手を離さずに、まじまじと人の顔を見てきた。
アネモネはその様を見て、警戒心に目を細める。
アネモネの目つきにサッと頬を赤らめたセオルは慌てた調子で手を離し、ペコペコと頭を何度も下げてきた。
「あぁ、ああああ、こ、これは、失礼を」
「いえ」
冷気そのもの、といった声音でアネモネは短く言葉を返す。
その反応に顔を上げたセオルは肩をびくりとさせて、目を泳がせた。
その様を見たソフィアがすかさず、
「ははぁ。美人だになぁ?」
そう言いながら、ニヤリと笑った。
アネモネはソフィアの言葉に目を丸くし、セオルを見る。
角なしの美的感覚というものは、どうにもよく分からない。
魔族にとっては角の雄々しさ、美しさ、シンメトリー、アシンメトリー具合が何よりも大事で、その下についている顔は他者と判別するために必要な部位の一つでしかない。
ソフィアの言葉とそんなアネモネの視線に、セオルが耳の先まで、首の下まで真っ赤にして黙り込むと、ソフィアは老婆独特の笑い声を立てた。
「残念だども、もうアネモネには良い旦那がおるでね。諦めた方が良いに」
その言葉に明らかに動揺をきたしたセオルは首を激しく横に振って、
「べっ別にっ! ぼぼ、僕は、そんなつもりは!」
否定の言葉を必死に投げかけてきた。
こちらとて、よく分からない好意など向けられても困る。
アネモネの困惑した顔を見たセオルは青ざめた顔で頭をコメツキバッタのように頭を下げてきた。
「て、手なんか握ってすみません! すみません! 悪気はないんです!」
あまりにもな必死さにアネモネは少し引き気味に、首を横に振った。
「いえ、そういうわけでは」
単に、よく分からない生物を見て、反応に困っているだけだというのに。
周りは勝手に勘違いするから、余計に困る。
アネモネの困った顔にソフィアは、やれやれと溜息を吐き出した。
その時だった。
「我が妻に何事をしたか」
その言葉がセオルの真後ろから聞こえたのは。
気配のかけらもなく投げかけられてセオルは飛び上がって振り返る。
そこには片手に白目を剥いて舌を出したイノシシの頭部を持ち、もう片手には血塗れの片手剣を持った魔王が無表情に立っていた。
瞬き一つの間にその場に現れたようなもので、ソフィアも目を丸くし、何度も目を擦る。
アネモネだけがいつもの事と、動揺はない。
セオルは声も出せずに足をガクガクさせるので、魔王はアネモネを見やる。
「この者は何だ?」
投げかけられた質問に、
「エルトラン商会の商人、セオルさんです。特に何もされてはいません」
アネモネは商人の首が跳ね飛ぶ自体を回避するための言葉を紡いだ。
「ふむ。なれば良いが」
据わった目で魔王はセオルの姿を上から下へと見定める。
「・・・なるほど」
何かを納得した魔王は、
「では戻る。何かあれば呼べ」
と、アネモネに視線を向け直した。
「分かりました」
アネモネが了承を返すと、魔王の姿は霞に消えるが如く掻き消えた。
どこが一万分の一の魔力だというのだろう。
気軽に鏡映魔術を使える魔力が一万分の一というのは、魔王の底が知れなさすぎて恐ろしい事この上ない。
アネモネの小さな溜息に対して、セオルが口をぽかんと開けたまま、アネモネへと振り返った。
「あ、あの、今、あの・・・」
乾いた口から出てきた声は少し枯れており、アネモネは首を傾げる。
「夫ですが」
「い、え? お、ゆ、え? 幽・・・え?」
なにを言いたいのかまるでわからず、アネモネは眉間に浅くシワを寄せた。
「なんでしょう?」
「・・・あ、あの幽霊・・で、すか?」
「集団で白昼夢を見た、とおっしゃりたいのですか? 鏡映魔術ですよ」
「魔術っ?! ま、えぇっ・・?!」
目を丸くして驚いたセオルに、アネモネは同じように目を丸くする。
ここの村人にやたらと魔力を感じなかった理由は、つまりそういうことだったのか。
魔族で何一つ魔術を使えない物を探す方が難しいのに、人間界ではその逆なのだと、セオルの態度が物語っている。
失敗した、とアネモネが微かに顔を強張らせる。
セオルがさらに何かを言う前に助け舟を出したのは、セオルと同じように目を白黒させていたはずのソフィアだった。
「なんに? 魔術がつけぇるんは、悪い事かえ?」
その言葉にセオルは言いかけた言葉を止めるように口を閉じ、そして一呼吸おいてから口を開き直す。
「いや、それは・・」
代わりに出てきた言葉は濁り、ソフィアは言葉を畳み掛けた。
「最果ての村に魔術師がおるんは、悪いことかえ? 都人しか使えんものというつもりかえ?」
「いや・・・」
「じゃあなんに。田舎もんが使えるんは悪いことじゃないなら、なんに?」
「き、鏡映魔術で、あんなに完璧に・・・」
その言葉にソフィアのシワだらけの顔に青筋が微かに浮かんだ。
「完璧じゃぁいかんのけ? あぁん? 田舎もんが都人より魔術が得意んはいかんっておみゃぁは言うつもりけぇ?」
「あ、い、いやそんなつもりは・・・」
「じゃあどういうつもりか言ってみぃっ!」
ソフィアの喝にセオルは小さな子供のようにびくりと震えて俯いた。
呆気にとられたアネモネも、言葉など出ては来ない。
「ケッタクソ悪いこと言うもんじゃぁないっ! はぁっ! なんてガキだい! えぇっ?!」
畳み掛ける大声にセオルが泣き出しそうになった時、突然ソフィアが胸を掴んだ。
「ううっ・・・!」
90過ぎて大声を張り上げたことに心臓の方が堪えきれず、ソフィアは呻くともにその場に崩れ落ちて苦しみ出した。
その様にアネモネは目を丸くして膝を折り、
「ソフィアさん?!」
と、その名を呼んで、肩を軽く揺する。
だが、ソフィアは額に脂汗を浮かべ、苦痛に大きく顔を歪めて呻くばかりだった。
助けを求めるように商人を見上げれば、セオルは真っ青な顔をして硬直しているだけだった。
使い物にならない。
目線を外してすぐにソフィアを見れば、口から泡を吹き出し、うめき声が止まった。
目の前にセオルがいること、考慮する余裕はない。
ソフィアの首に指先を添えれば、脈動が、すでに無い。
胸を掴んだソフィアの冷たくなった手の上に、己の手をあわせる。
ふぅっと息を吐き出しながら、ゆっくりと瞼を落とす。
まだ、この人を連れて逝くには早すぎる。
もし、私がこの場にいなければ、こんなことなど起きなかったのだから。
私たちがここに来たのは、運命などではないのだから。
彼女に訪れるべき終末はこうも苦しむべきではないはずだから。
死神の足音が微かに近づいてくる。
それでも乞い願う。
冥界の神に。
そうして願えば、徐々にソフィアの手が暖かくなっていくことを感じ、微かな呼吸音が聞こえてきた。
ゆっくりと瞼を開ければ、穏やかな顔で眠っているソフィアがそこにいた。
アネモネはそっとソフィアの首筋に人差し指と中指を添え、その脈動が穏やかなものであることを感じて、安堵の息を吐く。
そして、目を丸くしたまま何も言えないでいるセオルを見上げた。
「今日、見た事、口外しないでいただけますね?」
アネモネの言葉に、セオルは小さく何度も頷いた。
その様にアネモネは浅く息を吐き、ソフィアを抱え上げる。
だが、釘を刺さずともきっと言えるはずもない。
自分の言葉で怒った老婆が心臓発作を起こして死にかけたのだから。
顛末を話すならば、老婆の心臓発作の原因を作ったのは自分です、と宣伝できる根性があるかどうか、というところにも引っかかる。
セオルにその根性があるようには見えなかった。