第37章_心を一つに
星泉解放から数日後、王都は復興に向けて動き始めていた。
市民の顔には安堵が広がり、街角では子どもたちが再び笑い声をあげている。
圭佑たちは大神殿の前に集まっていた。
「ここで、最後の儀式をするのね」真子が小さく息を整えた。
「星泉を解放したことで、虚無の残滓が完全に消えたとは限らない」剛が言う。
「だからこそ、この剣に全員の心を込めて仕上げる」圭佑が頷き、光剣を掲げた。
みゆきが祈りを捧げ、瑛太は旋律を奏でる。
「音で心を一つに」瑛太が笑う。
「私は武具の調整を。少しでも力を引き出せるように」真弓が手を動かしながら言った。
剛が槍を地面に突き立て、力強く言う。
「俺は守る。最後まで、お前らを」
真子は光剣にそっと触れ、優しく囁いた。
「みんながいるから、私は強くなれました」
光剣がまばゆい光を放ち、星泉の精霊が現れる。
「心が一つになった……これこそ、この世界を守る力」
その声に、圭佑たちは頷いた。
光剣が眩い輝きを増し、圭佑は両手でしっかりと握った。
「これで本当に終わりにしよう」
剛が槍を構え、仲間たちは彼の背中に並ぶ。
虚無の王の最後の影が神殿の奥から現れた。それはもはやかつての威容ではなく、残滓に過ぎなかったが、まだ禍々しい気配を放っていた。
『……消えぬ……我は虚無……』
圭佑は光剣を掲げ、仲間たちを振り返る。
「みんなの力を貸してくれ!」
「もちろんだ!」剛が笑い、真弓が補助装置を展開した。
瑛太の旋律が響き、みゆきの祈りが剣に宿る。
真子は圭佑の手に自分の手を重ねた。
「一緒に……!」
二人が同時に踏み込み、光剣を振り下ろす。
「はあぁぁっ!」
光が影を包み込み、虚無の王の残滓は悲鳴と共に消滅した。
その瞬間、空から星のような光が降り注ぎ、大神殿全体を照らした。
「……終わった」圭佑が息を吐く。
「はい、本当に」真子は微笑み、涙を拭った。




