表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
写真で奇跡を起こします!絆をつなぐフォトグラファーの異世界物語  作者: 鶴丸 左京
第一章:フォトグラファー異世界へ
14/28

14、クリスさんとの挑戦2


翌日、ランチ終わりの時間に合わせたように、クリスさんが月光亭に訪れた。


「いらっしゃいませ。あ、クリスさん。今日はランチですか?それとも打合せですか?」


「その両方よ。リンもランチしない?昨日の話の続きをしたいわ!」


「リン、落ち着いたから大丈夫だよ。」


クリスさんの声が聞こえたのか、レイラさんが厨房の扉から声を掛けてくれる。


「レイラさん、ありがとうございます。そうさせて貰いますね。」


私は2人分のお冷を用意して、奥のテーブルにつく。お冷で喉を潤しながら、話を始める。


「それで、モデル…えぇと、着てもらう人は決まったんですか?」


「えぇ、何人か話してみたら、面白そうって引き受けてくれたお姉様がいるの。それでね、サイズを測らせて貰ったから、手直ししているところよ。」


「もう決まったんですか?凄いですね(笑)。昨日、凄い勢いでお店を飛び出して行ったから、クリスさんの行動力に感心していたんです。私もあれから色々考えてみたんです。それで、クリスさんにお願いがいくつかありまして…。」


「あら、そうなの?遠慮なく、何でも言ってちょうだい。」


「売り込み方も、写真のイメージも含めて考えた結果、もう一種類下着を用意して貰えませんか?

今製作している白いタイプのコンセプト…商品テーマは、”清楚"。清らかで品の良い印象のデザインです。

それでもう一種類、製作して貰いたいテーマは、"妖艶”。色っぽくて美しい、性的に刺激する艶かしい印象のデザインです。色は紫や黒が良いと考えてます。

その、正反対の二つのデザインを、同じ方に着てもらうことで、どちらの方にも変身できると、演出するのはどうかなって。それに年齢で好みも変わりますし、一先ずはその二種類を推していけば良いと思います。写真のイメージを絵に描いてあるので、それに近い画角で、それぞれ雰囲気を変えて撮影します。」


クリスさんはポカンと口を開けたまま、私を見つめている。


「リン…あなた……。素っ晴らしいアイディアだわっ!なんて素敵な提案なの!?そうよね、あの下着なら今までの様に『白』である必要はないのよね!私とした事が…!こうしては居られないわ!早速、製作にとりかかるわっ!」


立ち上がって、今にも飛び出していきそうなクリスさんの腕を、思わずガっと掴む。


「ま、待ってください!まだ話の途中です!」


「あらヤダ、ごめんなさいね。創作意欲が湧くと、いても立っても居られないタチなのよ。悪いクセだわ〜。」


「その行動力は、本当に凄いと思います。ただ、話は最後まで聞いてくださいね。」


そう言って笑い合いながら、撮影の構想を説明して、細かな事も打合せをした後、お店に戻るクリスさんを見送った。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



次の休みの日、エリサおばあさんと朝市で買い物を楽しんだ後、お茶をご馳走になっていた。


「ところで、前に話してた洋服屋との撮影はどうなったんだい?」


「お休みをとったので、5日後に撮影の予定なんです。でも、まだイメージの場所が、見つからないんですよね…。」


「イメージの場所?どんな場所を探してるんだい。」


「撮影した写真に、合成出来るような景色の場所を探してるんですけど…。あ、合成っていうのは、複数の物をひとつに混ぜて、組み合わせることを言うんです。

本当はその場所で撮影できれば、一番良いんですけど、下着姿ってほぼ裸なので、そういう訳にもいかなくて…。だから、合成に使えそうな場所を探してるんです。」


そう言いながら、無意識に頬杖をついてため息をついてしまう。

そうなのだ、イメージをクリスさんに提案した日から、脳内でCMをイメージして、乙女心や憧れを表現出来そうな場所を探していた。


「白い花が咲いていてる、草原や森…のように感じられる所がいいなって思ってて…。可憐な妖精が出てきそうな場所を探しているんですけど、中々見つけられなくて…。」


「ふむ…、妖精が出てきそうな白い花の咲く所ねぇ…。花が沢山あるような場所なら、心当たりがあるよ。」


「え!本当ですか!?」


「あぁ、花屋だよ。朝市でいつも行く、あの花屋さ。あの花屋は、親から継いだって言ってたからね、様々な種類の花を扱っているし、家で育てた自慢の花だって、話していたからね。聞いてみたらどうだい?」











読んでいただきありがとうございます。

面白いと感じていただけたら、ブクマやポイント評価をいただけたらうれしいです!

執筆の励みになります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ