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18~20日目

18日目

 <錬金>スキルを習得した。


 昨夜、蜂蜜屋をやることがいかに馬鹿げているか兄から説教を受けた。それでも折れない私を見かねてこのスキルをとるようにすすめてきたのだ。


 兄の説明が長いので省略すると、錬金スキルならば、料理でも生活用品でもとにかく何でも作ることができるのだそうだ。もちろん蜂蜜製品だって作れる。だから蜂蜜屋をするなら、錬金は必須だとやけくそぎみに力説された。

 そうとなれば、私のすることは一つ。


 華麗に土下座を決めて、お金を貸してほしいとお願いした。


 店を始めるためには、家具や調理具や巣箱やら、そろえなければいけないものが山ほどある。しかし私の手持ちのスターシードは錬金を習得したので、残り100sdぽっち。


 日々、食べていくだけで精いっぱいだ。


 二つ返事でいいよ、とぽんとお金を貸してもらえた。


 こんなにあっさり借りれるならば、土下座はとっておいた方が良かったと思わないでもない。そんな考えが透けてみえていたためだろうか、耳をひっぱられて、ぐいと間近に顔を寄せられた。


 あくまで貸すだけだから耳をそろえて返してもらうからな、と低い声で凄まれた。お兄ちゃん、怖いです。

 借りたスターシードで、錬金窯を購入。


 これだけで兄から借りた額の3分の2が吹き飛んだ。恐ろしいわ。


 それから巣箱を買ったり、花の種を買ったりしていると、借りた金はどんどん減っていった。


 しかなたい、ベッドは寝袋でいいや。



□音声ログ□

「ふう、けっこうな荷物になっちゃったね」

「最初に台車借りてて正解だったな」

「もう、これくらいでよくない? 細かいものはあとで買い足すよ」

「おい、ベッドとかテーブルはいいのか?」

「あ、忘れてた……でもお金そんなない」

「寝袋なら余ってるからやるぞ?」

「え、ほんと? ちょーだい!」

「うわっ。マジかよ。やめとけよ、ベッド買えって」

「いいよー、寝袋で十分だもん」




19日目

 廃屋周辺を掃除する。この森はあちこちに茨が群生しており、廃屋の周辺も茨まみれなのだ。素手で触ると痛いので、ナイフで茨を払っていく。


 昼過ぎ、兄が仲間を連れてきてくれてきてくれた。


 屋根の穴や壁の修繕、扉や窓を新しく付け直してくれた。さらにカウンターも。


 これだけでずいぶんと見違えたものだ。


 錬金釜のある作業場と、お店部分は、扉ではなく布で仕切ることにした。カウンターの奥の空間に板を打ち付けてもらい、棚のうえにロフトのような空間を作ってもらう。


 寝袋をおけば完璧だ。布で仕切ってあるから、正面の扉が開いてお客さんが入ってきても、着替え中の裸とか見られずにすむし、すぐ応対ができる。


 窓からは建物の裏手が見える。あそこに蜂の巣箱を設置したら素敵かも。


 外観もなおしてほしかったが、絡まっているツルが壁の中に入り込んで、取り除くと壊れてしまうらしい。むしろツルが家を補強してくれているのでこのままの状態のほうがいいそうだ。


 ご祝儀だと仲間さんたちからいろいろもらった。


 ツィーさんは植物の種がつまった小袋をくれた。


 ラムダさんからは作業ロボットを2体くれた。原住生物が近づいてきて撃退するほと強いらしい。


 ジジさんは食料としてスープ缶を20個くれた。


 最後に兄がなレンズみたいなのくれた。きれいだけど、アクセサリーにするには大きすぎるな。


 眺めてたら<ステルス>のスフィアで、星殻に装填すると、一定時間姿を消して移動が可能だと教えてもらった。

 テンションがうなぎのぼり。


 これで好きな時に門へ行けるじゃん!


 勝ち組じゃん私!



□音声ログ□

「ほらよ」

「何これ」

「ステルスのスフィア。餞別にやるよ」

「? きれいだね」

「それあると、一定時間姿隠して移動できるんだよ」

「うわうそお?!」

「街に買い出しとか、依頼受ける時とかあった方が便利だろ。お前弱すぎるし。犬たちもいつまでも貸しとくわけにはいかねえから、しかたなしだな」

「ありがとう、お兄様! お兄様ア!」

「いいか。あくまで店の経営のために使えよ? 門にばっか遊びにいくんじゃねえぞ?」

「もちろんであります!お兄様、ありがとうございます!」




20日目

 一人で門に行く。


 変身してステルス機能を発動。


 本当に見えてないか不安だがGO。オオカミやリスに遭遇するが、不思議そうな顔はされたけれど、大丈夫そうだった。においは消せないらしいから、至近距離に近づくとさすがにばれるらしい。ドキドキしながら、門に無事到着できた。わーい。


 残念ながら、シードルは門の奥で仕事だった。


 衝撃である。ここに来ればかならず会えると思ってたのに。


 同僚さんがいたので、お店ができたことを伝えておく。


 開店したら、ぜひシードルをつれて買いにいくよ、と約束してくれた。


 あと名前も覚えた。ザカルドさん。いい人だ。



□音声ログ□

「あれ? リナリィちゃんじゃん」

「こんにちわ」

「シードルは今日は奥の仕事だよ」

「そうですか」

「あはは。あからさまだねえ」

「シードルを見るためだけに、ここに来ましたから」

「俺はどう? 俺も結構もてるんだけど」

「(ちらっ)ああ。オニイサンモ、カッコイイデスネ」

「あっはっはっ。ほんと面白いよね、君って。でもちょっとは俺のことも気にしてよ。今度、お店にシードル連れて行くからさ」

「ありがとうございます!! あなた良い人だ!」

「ザカルドだよ。名前もぜひ憶えてほしいな」

「ザカルドさんですね。ぜひ、お待ちしてます」




リナリィ

星霊:射手座

武器:弓

光:25

ステータス:[筋力 F][持久力 F][技量 E][敏捷性 E][精神力 E]

スキル:[動功 0%][弓 0%][園芸 28%][錬金 0%]




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