81~83日目
81日目
目が覚めたら、シードルが私を見てた。
よだれを毛につけるなよ、と責められて、赤面してしまう。
なんてことをしてしまったんだ私は!
わたわたして慌てて土下座しようとしたら、声をたてて笑われた。
怒ってないっぽい?
でも謝らなくちゃ。どうしてかわからないけれど、私の無断外泊でシードルはすごい怒ってたんだから。
あらためて今回のことを土下座して謝罪。
シードルに二度と、長期外出しないように約束させられた。
部屋には、いつのまにか私の荷物がある。
担がれた時はその場においてったのに、後で誰かにとりにいってもらったっぽい。
大量の荷物の中から、シードルに蜂蜜酒をプレゼント。
すごい喜んでもらえた。
そのあと、部屋のなかでふたりでのんびり過ごす。
私は弓の手入れや、もってきた荷物の整理をした。シードルは蜂蜜酒をちびちび飲みながら読書をしている。
なにこの幸せ空間。新婚さんプレイ?
82日目
暇だ。
シードルは仕事中。
私は店に帰れず、ここにいる。
仕事に行く際に、おとなしくしとけよ、と言われたから、ここにいたほうがいいんだとは思う。
でも、いつまでここにいるんだろ?
いつまででもいたいけれど。
兄には、知り合いに荷物を運んでもらったから大丈夫だと返信しておいた。
ついでにしばらく忙しいとも付け加えておく。これで店に顔出しに来ないよね。
シードルの家は物が少ないけど、男の人の部屋って感じでまとめられてる。
仕事から帰ってきたシードルにおかえりをいう。シードルは目を少しすがめて、ただいまって返してくれた。
料理スキルがないので、パンとスープをあたためることしかできないけど。シードルが惣菜をいくつか持ち帰ってくれるので、それをお皿にうつして二人でご飯を食べる。
夜はシードルに抱き枕みたいにぎゅっとされて眠るので、興奮して鼻息が荒くならないように我慢するのがつらい。
すごい幸せ。
83日目
シードルの家にまだ居候中。
暇である。
ごろごろしかすることない。洗濯や掃除も物がすくないからすぐ終わっちゃうし。
やることがないといろいろと考えてしまう。
必要なものは頼んだら買ってくるって言われてるし、安全のためだと言われて、仕事に行くときに鍵をかけていかれる。別に不満はないし、幸せなんだけど、そろそろ店に戻りたい。
女王たちが心配だ。今回は雨が降った様子がないから、水なしでどれだけ耐えれてるのだろうか。
買った素材も、保存をしないとだめになりそうなやつがある。
窓からこそっと抜け出して店の様子を見てこようかなあ。
シードルにばれたら叱られるかな。
怒るだけならいいけど、すごい悲しそうな顔をされたらつらいからやっぱやめよう。
仕事が終わったシードルに、夕飯を食べながら相談したら、明日店の様子を見に行ってやるよ、と言われた。私は苦笑いだ。




