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78~80日目

78日目

 冒険酒場に来ている。せっかくだからここで依頼を探してみようと兄が提案したのだ。私としては野宿をしないですむなら何でもいい。


 そしたらビックリ。タチバナと再会した。


 私のことを宿屋のおばちゃんから聞いて探してくれてたみたい。


 ごめんよぉ。ずっと迷宮で野宿だったんだよ。クソ兄貴がスパルタだからさあ。


 せっかくなので3人で依頼を受けることにした。


 そしたらちょうど商人風の女性が酒場に入ってきた。不安げな様子であたりを見渡した後、受付に相談を始めた。


 兄がさりげなく側に近づいて事情を聴く。


 女性はスパイス屋さんらしい。仕入れ業者が予定の時間になっても来ないから様子を見にってほしいとの依頼だった。


 配達ルートを教えてもらい、配達業者の匂いのついた品を、犬に嗅がせて外に探しに行く。道路から離れた場所に放置された幌場所を発見。そこから犬ににおいをたどらせて、探すとコガネムシの巣のなかに入り込んでしまったようだ。


 すぐ助けに入ろうとすると、兄がタチバナの異変に気づいた。タチバナはしきりに大丈夫だと強調したが、最後には白状して虫が苦手だと教えてくれた。


 だからダンゴムシと戦う時も爆弾で遠距離攻撃をしていたらしい。


 そうだったのか。一緒に巣の中に入るとかたくなななタチバナを、兄は幌馬車の荷物を盗まれないようにする見張りが必要だと主張し、犬を一匹つけてタチバナに見張り番をお願いした。


 配達業者を助けても積み荷がなくてはスパイス屋は困るだろう。


 そう主張されてはタチバナも折れざるを得ない。


 私たちはコガネムシの巣に侵入した。うん、集合体の虫ってやっぱきもいわ。


 巣の奥で目的の男性を見つけた。


 珍しい花を見つけたからお土産にしようとしたら、虫に追いかけられて巣に迷い込んだらしい。


 無事に見つかった良かった。日暮れ寸前だったので、ひやひやしたよ。


 積み荷ごとスパイス屋に送り届けて依頼達成。


 お礼に店の商品をもらえることになった。


 料理しないからスパイス屋とか今までのぞいたことなかったけど、素材としても使えるみたい。




79日目

 せっかく私を探してくれていたタチバナに申し訳ないので、一泊だけして迷宮に潜ることにした。


 兄は先に帰宅した。別にタチバナに遠慮してというわけじゃない。もともと昨日で帰るつもりだったのだ。


 迷宮に入る前に、匂い袋のことをタチバナに聞くと、私が知っていると思っていたようだ。知らなかったことを驚かれた。常識らしい。


 素材採取目当てで、わざと匂い袋を持たずにコウモリを狩っていたと思っていたようだ。


 兄の言ったとおりだった。コミュニケーションの大切さを痛感。


 今日はどうしようかと相談して、2階層で素材採取をしながら鉱石も少し掘ることにした。


 安定してトライショットも打てるようになってきた。


 ちょっと戦闘の楽しさがわかってきたかな。


□音声ログ□

「ナメクジは平気?」

「うん。あれはわりと大丈夫」

「そか。じゃあやっぱ2階層のほうがいいね」

「鉱石は一階層のほうが出やすいけど」

「んー、クズ石はほしいかな」

「それなら2階層でもたくさん掘れると思う」

「よしっ。じゃあ2階層にしよっか!」

「うん」




80日目

 自分の現状が信じられない。


 なぜか私は今、シードルの家にいる。


 しかも彼は私の腰に抱きついて寝ている。


 ここは天国ですか?


 <庭園>に帰還後、知らない子に「あんた、リナリー?」って話しかけられた。はいって、答えたら「ここにいろよ」と言われて返事したらどっか走って行っちゃったし、なんなのー?


 どのみち荷物たくさんだし、すぐには動けない。


 兄にSOSを送ってのんびり待つ。


 しばらくすると、すごい形相のシードルが走ってきて、肩に担がれてどこかに連れてかれた。


 それがまさかのシードルの家だ。


 彼は私の前に仁王立ちして、ここ数日何をしていたのか、尋問された。私はなぜか土下座スタイルで、事細かに何をしていたのか報告。シードルはため息をついて、私の腰に抱き着いて寝てしまったわけだ。


 毛が気持ちいい。けっして柔らかいわけじゃないけど、あったかくて弾力がある。


 もふりたいという欲望と戦ってたら、シードルがうなりだした。


 怖い夢でも見てるのかな。


 一気に冷静になって、彼が怖い夢をみませんように、とそっと背中あたりをなでなでしてたら、いつの間にか寝てしまった。




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