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72~74日目

72日目

 ルンルン気分で門へ行くと、待ち構えていたシードルに稽古つけられたました。


 手取り足取りで、スキンシップに近いイチャイチャができるのでは、という夢想を打ち砕くハードな訓練。息も絶え絶えで地面に伸びてしまいたい。


 でもそのあと、シードルと詰所でお茶ができた。


 部外者の私がシードルと一緒にお茶できるだなんてほんと贅沢だよなあ。


 本日の幸せを噛みしめながら、門番仲間さんが焼いたというクッキーをかじる。私があげた蜂蜜で作ったらしい。なんて素晴らしい。


 ばくばくクッキー食べてたら、シードルがなんか変な質問をしてきた。よくわからないまま正直に答えてたら、爆笑されたんだけど、どこに笑う壺があったのか不明だ。でもシードルが機嫌がいいので良しとしよう。



□音声ログ□

「お前さ、男と付き合いたいとか思わねえの?」

「思いませんね。興味もありません。シードルをめでるのに忙しいので」

「ふーん。じゃあ仮でいいから、付き合ってる男がいるって想像してみろよ。その男からさ、会う時間が減るから、十数年来の友達との付き合いやめろって言われたらどう思う?」

「なんです、それ」

「いいから答えろ」

「クソみたいな男ですね。別れます」

「じゃあさ、仕事で疲れてるところに、付き合ってる男から今日は休みだから遊ぼうぜって、言われたらどうする?」

「疲れてんですよね。断りますよ」

「俺のこと好きじゃねえのかよ、って切れられたら?」

「? 最悪ですね。別れます」

「男だと、父親でも兄弟でも嫉妬して、俺以外の男と、二度と口聞くな。オレを優先しろって言われたら?」

「クズじゃないですか。二度と会いません」

「その男が俺だったらどうする?」

「喜んで全部言う通りにしますよ」

「あっはっはっはっは。即答じゃねえか!!」

「?????」

「ハハハハハハハ」




73日目

 兄からあと半日で、岩窟都市に到着すると連絡をもらったので、店を閉めて出立の準備をする。心配なのは女王たちのことだ。今回雨が降る気配はない。なるべく早く帰ってこよう。


 門へ寄り道をする。出かける前にシードルの顔が見たかったけど、門にはいなかった。今日は中の警護の日らしい。


 しかたないので門番さんにしばらく出かけてくることを伝える。前もこんなだったな。


 街の天球儀でクレイドルを通って<岩窟都市>へ。


 兄は準備万端だった。


 迷宮に挑む前に、ターシャを誘ってもいいかと聞いてみた。せっかく仲良くなったから、できればまた一緒に冒険がしたい。


 問題ないみたいなので、前に泊まった宿にいく。おばちゃんは私のことを覚えていてくれていた。


 ターシャは今日も迷宮に潜っているらしい。


 中に入れば会えるかなあ。


 ひとまず迷宮へ向かう。


 見よ、華麗なる弓さばきを。ダンゴムシやコウモリを倒して見せて兄にどや顔して見せる。


 兄は何かを納得した顔をすると、いきなり買い物をすると言い出して迷宮から出てしまった。


 よくわからないまま、兄に言われたとおりに装備品や消耗品を買ったり売ったりしている間に夕方になっている。


 もう今日はおしまいだなあと思ってたら、なんと今から迷宮に潜りなおすと世迷いごとを言い出した。


 うそでしょ?


 嘘じゃなかった。兄は有言実行の人だった。



□音声ログ□

「よし、わかった。いったん街に戻るぞ」

「え、今日はもう終わり?」

「ああ。お前に何が必要かだいたいわかった」

~買い物中~

「よしっ、こんなもんか。じゃあ行くぞ」

「え、まだ買い物するの?」

「ばっか、迷宮に戻んだよ」

「今から? もう夕方だよ?」

「迷宮内は昼夜あんま関係ないから問題ねーよ」




74日目

 最悪な目覚めだ。体が痛い。


 まさか洞窟のなかで野宿するはめになるとは思わなかった。


 もちろん兄に抗議したが華麗にスルーされた。


 乙女をなんだと思ってんだ。


 昨夜、一階層の動物なら私が楽勝だとわかった兄は2階層へと降りた。はじめてのわりに迷いなく先へ進んでいる。


 合流するまえに事前に酒場で情報収集していたらしい。


 曲がりくねった小枝のような道をすすんでいくと、地底湖についた。


 見たことない植物が生えている。採取しようとしたら、待ったをかけられる。ここで私を鍛えたいらしい。


 兄は地底湖を指さした。目を凝らして水底をみると、カタツムリがのろのろと這っている。


 兄は犬たちに待てをしてから水に潜る。しばらくして出てきた。兄の後ろからはカタツムリがのろのろとついてきている。それを倒せと言うことらしい。


 弓を放とうとしたら、カタツムリが紫色の水玉みたいなのを放り投げてきた。ちょうど弓を放とうとしてたところで避けられず、頭からかぶった。毒だ。


 水玉を避けながら戦わないといけないらしい。


 わたわたとしながら、水玉を避け、矢を放つことを繰り返す。


 なんとか一匹倒すと、兄が近づいてきて、回復してくれながら、アビリティをうまく使うようにとアドバイスをくれた。


 それからすぐに水に潜って一匹だけ釣ってくる。二戦目ということらしい。


 それを延々と繰り返させられた。



□音声ログ□

「野宿嫌い」

「いや、お前、毎日が野宿みたいなもんじゃねえか。いつまで寝袋で寝てんだよ。寝具買えよ」

「あれでじゅうぶん快適だから問題ないの。あー体痛い! もうおうち帰りたい!」

「爆睡しといてよくいうよ」

「爆睡なんてしてない! 私は繊細なの。最低限、屋根があるところじゃないと眠れないんだから」

「じゃあここでも問題ねえじゃねえか」

「ここは迷宮の中じゃん! 危険だし、暗いし、じめじめしてるし!」

「はいはい。ほら、さっさと片付けろ。時間が持ったいねー」

「うううううう」


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