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後ろから感じる殺気

翌日。

下駄箱でスリッパに履き替えていると後ろから肩を優しく叩かれる。

振り返ると、星河さんが満面の笑みで立っていた。

俺の胸の鼓動がはやまる。

すごく可愛い。

「星河さん、おはよう。いつも、この時間だっけ」

「巳波君、おはよう。大体この時間帯だよ。巳波くんってば、私に気付かないのっ!」

「静かに過ごしたい人間なんだよ。星河さんと喋ると周りの視線が集まったり、詮索されるから。あまり......」

「そんなふうに......でも昨日から付き合い始めたから、話しかけ──」

「それはちょっと、教室以外なら」

「嫌だよっ、私は巳波君が好きなんだからっ。ひっつくよっ!」

意地悪い笑顔を浮かべ、俺の手を繋ぐ彼女。

手を繋ぎながら、廊下を歩いていると背中に強い衝撃がきた。俺は、あまりの痛さに叫んだ。

「いってぇー。加減しろよ、加減を。三ノ宮ァ」

俺の隣にきた友達に苦情を言う。

「悪い。わるいわるい、さなっち。女子と歩いてたからつい。珍しいなぁ、さなっちが女子となんてっ」

手を合わせ、平謝りする三ノ宮。

「巳波君。彼は」

「えっと。俺の友達で三ノ宮悠。モテる奴だよ」

「三ノ宮、悠、さんですか。仲良くしてください」

「三ノ宮です。よろしく。えっーと......」

「私は巳波君の彼女で星河みさかです」

「はあぁぁー。彼女っ、さなっちの、付き合ってんの!」

三ノ宮が顔を近づけてくる。唾が飛ぶ。

「ああ、昨日から。それより、さっきから唾が飛んできてる。落ち着け、三ノ宮」

「ちょっと熱がぁ」

額に手をあて、そんなことを言う三ノ宮。

「保健室に行ってこいよ、三ノ宮」

三ノ宮は、保健室の方に歩いていく。ふらついていた。

三ノ宮と別れた頃から、後ろからものすごくどす黒い空気が漂ってくる。殺気のように感じる。

それなのに、俺の隣で歩いている星河さんは笑顔を浮かべている。彼女は、殺気に気付いていない。ヤバい殺気に気付かない彼女。本当にすごい。

これは、命が危ない感じだ。気付いていない振りをしよう。

俺の身体から汗が出てくる。

ヤバい。ヤバいヤバいヤバい。



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