二人のクリスマス—その1
「ほんと寒ぃ〜!はぁ〜」
「そうだね〜。友達に誘われてないよね?今日は私と居るんだよね、佐波くん?」
「みさかと居るに決まってんじゃん。当たり前じゃんか〜そんな疑うのも酷いよぅ、みさかは!」
俺は悴む指先に息を吹きかけ、寒い気温に愚痴ってから恋人の疑いを否定する。
俺の右腕に星河の片腕が絡んでいる。
隣の部屋に住まう住人がいれば、薄い壁なので筒抜けだ。
幸い、今は隣人が外出中らしく俺らがいちゃついていようと壁を叩かれる心配は無い。
高校時代の星河は黒髪のストレートであったが、今はヘアアイロンで髪をうねらせていて、今のヘアスタイルも素敵だ。
昨夜の営みはなかなかのスリルで、緊張感も伴ってとても興奮した。
聖夜の前夜は俺が住むボロアパートに彼女が泊まり、クリスマスを迎えた。
星河は大学の女子寮に住んでいて、俺が泊まることが出来ないので彼女が泊まっていく。
床に脱ぎ捨てられた衣服を着出す俺と星河。
テレビの電源すら付けず、たわいない会話を交わしながら、シャワーを浴びることにした。
俺は、星河が浴室から出てくるまでに珈琲を淹れることにし、ヤカンで湯を沸かし始めた。
湯が沸く間、スマホで何曲かクリスマスソングを流す。
彼女が浴室から出てきて、キッチンを離れて浴室に向かった俺だった。
俺が浴室から出てきて戻ると、彼女がベッドの上で両膝を抱えながらマグカップに注がれた珈琲を啜っていた。
俺は彼女の隣に腰を下ろし、「で、どうする?」と、訊く。
「クリスマスケーキを買いに行きたいなぁ〜って。ダメ、佐波くん?」
「ダメなわけないって。他に買いに行きたいもんある?」
「う〜んとぉ、決めかねてるから……行ってからにしたいの」
「じゃあ、もうじきしたら出掛けよう」
「うんっ!そうしよっ、佐波くん!」
30分が過ぎた午前10時5分にボロアパートを出た俺と星河みさかだった。
錆びた階段を降りて、アパートの敷地内を出た。
頭がズキズキと痛むが、星河に気付かれないように平気そうに装った俺だった。
巳波はようやく進むことができ、星河みさかと順調に大学生活を過ごしてます。
※巳波と星河は同じ大学に通ってない。




