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40話 ディーとの連携

 振り向くとディーが小さな翼をパタパタと羽ばたかせ宙に浮いている。

 魔力が口に集まり咆哮と共に闇の槍が放たれる。

 コボルトウィザードは自分目掛けて一直線に飛んでくる槍に慌てて槍で相殺を狙おうとするが間に合わず体を貫かれる。

「キュイキュイ」

 どんなもんだといった表情で頭をすりすりしてくるディーが可愛すぎる。


 あれは確かに闇槍(ダークランス)だった。

 ということはディーは魔法を使う戦闘スタイルなのか。

 威力も申し分なかったし、成長の方向性が見えれば連携もとりやすい。

「今まで突進なんてさせててごめんな」

「キュイ」

 気にするなという顔で影に潜って行った。

 どうやらMP切れのようだ。

 まぁ、生まれたてで闇槍(ダークランス)なんて撃てば当然だな。

 それにしてもどうして急に魔法を使えるようになったか謎だ。


 せっかくここまで来てるんだし俺はもう少しコボルト狩りをしていくか。

 今回はディーのために来てることもあってモンスターのレベルが低いとこを選んできた。

 ボスモンスターを倒すのもいいな。


 コボルトの群れを見つけた。まだこちらには気付いていない。

 コボルトファイターが二体とコボルトウィザードが一体。

 まずはウィザードから落とす。

 気配を消して背後に忍び寄り首を落とす。

 俺に気づいたファイターが襲いかかってくるが2種類の乱刀で二体を倒す。


 その後もコボルト狩りをしてMPの回復したディーと最強の戦闘スタイルを編み出した。

「ディー、闇槍(ダークランス)

 コボルトファイターの剣を回避しながらディーに合図を送る。

「キュイ」

 ディーがそれに答え、影の中から槍が出現してコボルトを貫いた。

 これなら奇襲にも使えるしディーが危険に晒されることもない。


 本当はボスモンスターと戦闘したかったが物欲センサーが働いているのか、求めたときには出会うことができない。

 十数匹のコボルトを倒したところでメッセージが入り、王都へ帰還する。



§



「会長さん、これどうするんですか?」

「さぁ、どうしようかな」

 青江とアメノマヒトツの会長スメラギがクロツキ専用の装備にはなにがいいのかを話していると、アメノマヒトツの職人たちが次々と装備作りに参加を表明してくる。


「君たち全員が装備を作るととんでもない額の装備になります。よってダメ!!」

 スメラギは職人たちをなだめる。

 手を上げた職人はトップからその弟子たちまで十数人。


 元々クロツキへの装備作りは青江が私的なお礼をするために始めたこと。

 そこにスメラギが混ざり込んできた。

 ここまではよかったが数十人もの職人が参加するなどアメノマヒトツの歴史でもそう多くはない。

 いずれも大規模戦闘で多くの人数の装備が必要になり国からの依頼で動くくらい。

 一人のために動くなど前代未聞だ。

「だいたいこの装備作りは青江さんがクロツキはんにお礼するためであってお金がでません」


「俺は青江さんと一緒に仕事ができるなら金なんていらねぇよ」

 そういったのはアメノマヒトツでも若手ナンバーワンの呼び声が高い青年だった。

 こういう業界は手取り足取りと技術を教えてくれるようなことは少なく技は見て盗むしかない。


「俺も金なんていらねぇよ。レストリア周辺にはダチが住んでる村があってよ、悪漢どもが蔓延っておちおち外も出歩けねえっていってたよ。それがよぉ、そんな状況を救ってくれた英雄のために装備を作るって話しならのらねぇわけがねぇだろ。なぁお前ら」

 男に賛同する声が商会に響く。


「それに会長が面白そうだなんていったら参加してみたくなるに決まってますよ」

 商会で働く女性は決して少なくはない。しかし、職人となると極端に数は減る。

 その一人も参加を表明する。


「なんだよこの空気は……俺は一抜けさせてもらうぜ。興味がわかねぇよ」

 扉から出て行ったのはドワーフの男でアメノマヒトツでトップに君臨する職人。

 しかし、その性格は頑固で捻くれている。

 後に続くように参加しない職人たちが部屋を出て行く。

 残ったのが十数人の職人。しかも腕の立つ職人ばかりだ。


「まぁええわ、まずいっとくけど金は出さへんからな。ほんでやるからには妥協は許さへん。作戦会議始めるで」

 スメラギは自然と笑顔が溢れる。

 一体どんな装備が出来上がってしまうのか。


 水面下でそんな大事になっているなどつゆ知らず、青江から連絡を受けたクロツキはのこのことアメノマヒトツの商会を訪れていた。

 商会に入ってまず気になったのは妙に職人たちから視線を受けている。

 しかも全員がニヤニヤとしているものだから、とても不気味だ。

 前回来たときはこんなことなかったのに。

 受付のお姉さんに案内された部屋は前と同じ部屋、座り位置も同じで青江さんとスメラギが座っている。


「よぉ来てくれました、クロツキはん。今回の装備はアメノマヒトツの総力を上げたといっても過言ではないほどや。その価値にしてーーエリルです」

 芝居がかったスメラギの口上から始まったが語尾は弱まっていき、いくらか聞こえなかった。

 青江さんはその隣で青ざめている。


「えっと……いくらって言いました?」

 スメラギの口からとんでもない金額が飛び出した。

 これにて四章完結となります。

 ここまでお付き合いいただきありがとうございます。

 ブクマ、評価頂ければ幸いです。

 気になる点など有れば気軽にコメント下さい。

 まだまだ続くルキファナス・オンラインの世界を今後もよろしくお願いいたします。

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もふもふ従魔が厨二病に目覚めた件
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