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105話 東西南北決着

 王宮では国王が神具『神の救い』を発動させている関係で玉座から動けないでいた。

 護衛として騎士団が王宮には詰めている。

 動けないとはいっても会話はできるので、国王は各戦場の報告を聞く。

 概ね落ち着いたというのが騎士団の報告。

 戦場から連絡係が走ってきて東から順に事の顛末を伝える。


 東の敵は青竜。

 豪雨を降らすドラゴンは熟練の魔法使いの魔法でもダメージというダメージを受けずに悠々と空を泳いでいた。

 8番隊隊長ジルベの超魔法をもってしても片腕を削るのが精一杯だったその化物を修羅の団長、(たつ)がスキルにより隔離世界に閉じ込め一対一で討伐を成功させた。


「まさか怪我を負っていたとはいえ、一対一で勝つとは……」

 王宮内で驚嘆の声が上がる。

 それと同時に怪訝な表情を浮かべる者もいた。

 修羅といえば王国にとっては害になる可能性が大いにあるギルド。

 力が強大ならば国の敵になった時に非常に厄介だと考えたのだ。

「職業、スキルの確認はできているのか?」

 ある程度は把握できています。


「まぁまぁ、その話は後日でよかろう。国を救ってくれた英雄なのだから」

 国王がタツの話を止めさせて次へ移るように宰相に告げる。


 西の敵は白虎。

 討伐部隊の数は少なかったものの、3番隊隊長ターニャの尽力もあって後退はしながらも戦線を維持していた。

 それでも状況は厳しくジリ貧になっていたところへ、味方殺しのギルドメンバーが参戦して騎士団に助力していたが、それでも分が悪く最後はギルドマスターの味方殺しが攻撃を開始。

 味方殺しはもちろん生存、ターニャを含め数名の騎士のみが生き残り、他は全て全滅しました。

 見事に自分のギルドメンバーも巻き込んで勝利を収めていた。


「相変わらずの殲滅力というべきか……」

「あれが王都で暴れた日には……」

 味方殺しの名は王宮にまで轟き、恐れられていた。

「とっ、とにかく敵を倒してくれたのなら良かった」

 国王も敵を倒すためなら多少の犠牲はやむなしと納得する。

 今回に限っていえば神の救いがあるおかげで人的被害は0なのだ。

 十分な戦果といえるだろうと自らを納得させる。


 南の敵は朱雀。

 熱風の前には10番隊隊長の一撃をもってしても、触れることすら叶わず。

 全ての攻撃が届く前に溶かされていた。

 戦場が焼け野原となるほどの高熱に一方的に晒されていた討伐部隊は小型のモンスターを処理するのが精一杯だった。

 それでも数が多くて厳しかったところをウィズ研究会が助力して一気に戦線を取り戻して、ウィズ研究会のギルドマスターであるリブロが朱雀との火力勝負に打ち勝ったのだった。


「ふぅ、ようやくまともな連中の名前が出てきたか」

 前二つが王国にとって危険因子になる可能性があったのに比べたらウィズ研究会とそのギルドマスターのリブロは安全も安全だった。

「しかし、奴らは知識欲に取り憑かれている。いつ危険な研究に手を出すかも分からんぞ」

「もしかしたら既に禁忌に触れているかも知れん」

「国の安全を考えるのは分かるが、そこまで考えていてはキリがないだろう」


 北の敵は玄武。

 白の断罪者が指揮をして討伐にあたり、はじめのうちは玄武の能力に苦しめられていたが、能力を解明してそれに聖女ヒジリが対応。

 そして断罪者トーヤ本人が玄武との直接対決を制していた。

 北の戦場は玄武の歩みが遅かったのもあって、最も早く勝利を収めて、最も被害が少なく勝利を得ていた。

 13番隊隊長のクルーウェルは勝利を見届けた後、騎士団を王都へと引き返させて警護に合流している。

「さすがですな、カレル殿」

「全くですね。白の断罪者にご子息も大活躍だ」

 王宮での発言力の強いカレルに取り入ろうと心にもない言葉をかけてくるのは、自分の利益にしか興味のない官僚たち。

 少しでもミスをしたらとってかわろうと機会を狙っている。

 だが今回のターゲットは別にあったらしい。


「それに比べて黒の断罪者は何をしているのやら」

「この一大事に全く出てこないとはな」

「直前で殺されたようだ」

「困りますな。王国のために働いてもらわないと」

 ここにはいないシュバルツ家が責め立てられる。

 ジャンヌはこの一大事にも王宮に足を運んでいない。

 自らの領地で静かに座していた。


「王よ、私に任せていただければ完璧な暗殺者を見つけ、育て上げますよ」

 ジハードは自信満々に言い放った。

 シュバルツ家やヴァイス家はただの家系ではなく一種の役職のようなもの。

 血筋ではなく当主が次の当主を選ぶ。

 これまでそれが破られたことはない。

 しかし、王国の仕える家として王が命じれば当主の座にとって変われると考えているのがジハードを含め数人官僚の中にいる。


「ジハードよ、主の手管はよく知っている。だがそう簡単な問題ではないのだ」

「いえ、失礼いたしました」

 王宮内は危機も乗り越えて少しの安堵とポスト争いのための牽制が飛び交っていた。

 そんな中、扉が勢いよく開かれる。

 現れたのは若い騎士の1人。

 普通ならば罪に問われるところだが、その騎士の必死の表情と次に出た言葉に再び王国は揺れることになる。


「襲撃です!! 王都各地で爆発が起き、数十人の犯罪者が動き出しました」

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