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忌子の少女

妾が今代の勇者を消し去ってから1ヶ月の年月が過ぎた。

特に何事もなく惰眠をむさぼる日々を妾は送っていた


「暇じゃ……」


数千年生きる妾でも、一か月何もしないと言うのは暇すぎる。暇死ぬ。

歴代最強と言われた勇者を倒したから人間はしばらく攻めて来んだろうし……やばい……何をしたらいいのじゃ?

……散歩でも行くか…………


妾は、キャメロットの王城を飛びだしたのだった








「うーん……!やはり森林浴はいつになっても気持ちいいものだの〜♪」


妾は現在、妾が住まう魔鏡と生物の住む世界の狭間にある森……精霊の森に来ていた

精霊の森とは、その名の通り精霊が住まう森のことで、全部で4箇所ある。ここはその中でも風の精霊が多い場所だ。

なお、妾と精霊はとても仲がいい。その理由は、ここの大精霊と妾は仲がいいからじゃ。


「ブラッディ!あっそぼ〜」

「おお!いいぞ〜」


そう言って声をかけてきたのは黄緑色の髪で、耳の尖った羽の生えた小さな人間……この森に住む大精霊の一角 風の大精霊シルフだ。風の精霊が多いのはこいつのせいじゃ。

尚、普通の精霊は光の塊のような姿をしているのだが、大精霊…最高位となると生物のような形を取れるようになるのだ。


「全くもう!ブラッディったら3年?あれ?5年だっけ?まあ細かいことはいいや!全く暇だったんだから!」

「そんなに妾ここにきとらんかったか⁉︎わるかったのぉ…」

「嘘〜あ!そういえばこの前ね〜」


全く、数千年生きてると時間の立ち方がおかしくなるのじゃ


ちなみにシルフとは500年以来の付き合いになる。……人類によって絶滅まで追い込まれ、傷つき、この森に倒れていたところを妾が救ったのじゃ。

……あの時は人類は少々おいたがすぎたからの、妾の所にもひっきりなしに勇者がやってきておったから、流石の我もめんどくさくなってシルフとともにほとぼりが冷めるまで冒険者になって人間の中で生活しておった。


ちなみに冒険者とは……え?だいたい知ってるから説明しなくていい?そうか……一応違うかもしれないから大雑把に説明するぞ。

冒険者というのは冒険者ギルドという組織に所属し、人々から出される依頼を受け、その依頼で出される報酬をもらい一攫千金を狙ったり、堅実に日々生活すると言ったロマン溢れるものたちじゃ。たとえそれが人の世に馴染めなかった社会不適合者だとしても……

まあ、そういう観点から沢山の様々な人間が所属できる冒険者ギルドは、妾たちが人の世に隠れるには冒険者は便利だったから妾も冒険者をしたのじゃ。


ちなみに妾最強と呼ばれた元EXランク冒険者なんじゃよ?どうじゃ凄いじゃろ。

まあ、そのせいでそんな生活も一年で終わったがな。しょうがないじゃろ?だって入ったからにはトップを目指したいんじゃもん。……ごほん。まあ、妾の後にEXランクがいなければおそらく伝説になってるじゃろうよ。


「……それでね!おーいブラッディ‼︎聴いてる?」

「……ん?ああ、聴いておるよ?」

「嘘だ!」

「ああ、嘘じゃw」

「そこはごまかす所でしょうが(ビシッ!)」


ククク……やはりこいつは面白いのぉ

妾とシルフはしばらく談笑しておったが突然シルフの耳がピクピクッ!と動いた


「…本当?ありがとね〜」

「どうしたんじゃ?」

「なんか、人間の女の子?が精霊の森に入ってきたんだって〜」

「女の子じゃと!その子はどんな感じじゃ!可愛かったか!」

「お、おぅ……ブラッディってやっぱり女の子大好きなんだね…………」

「当たり前じゃろ!」


胸を張って答えた妾にシルフが呆れたような目を向けてきおった。いや、可愛い女子を愛でるのは当たり前じゃろ?え?違う?

とりあえず見に……


「え⁉︎それは本当‼︎」

「一体どうしたんじゃ?」


いきなり叫びおったシルフに妾は声をかけた。こやつがここまで慌てるには珍しい……


「えっと……ブラッディ……さっき言った女の子だけど、殺さないで保護ってできない?」

「いや…まあできると思うが……なぜじゃ?」


まあ、クズでもない限りは殺さずに保護するが…


「じゃあ。お願い」

「わかったぞ」


そう言って妾は少女の元に飛んで行ったのだった





「うん?あれかのう?」


妾の目の先には、白髪の髪の少女とそれを追いかける男どもの姿があった


「…確かシルフは娘と言っていたのぉ……まあいい。とりあえず男どもを倒そう……あ……」


あの娘こけおった。ってああああ!あの男ども慈悲はないのか慈悲は!男どもは、剣を持ち娘を殺そうと襲いかかったのだ。

妾は急いで少女と男もの間に入ると、男が振り下ろした剣の刃を………………



素手で止めた



「何⁉︎」

「い、一体どこから‼︎」


いきなり現れた妾に男たちと娘は驚愕したような顔を見せた


「おう、お主大丈……ぶ……か?」


娘に声をかけた妾は、その美しさにただ声を失った……年の功は10歳ほど……真っ白な髪は泥で汚れているが、その美しさを隠すことがなく、愛らしい顔に、瞳は妾と同じ赤い瞳……ボロボロの衣服をまとった幼い柔肌は少々痩せこけておるが、その美しさを損なわせていない……いや、美しさの方が優っていた。





やばい……何この天使……可愛いすぎじゃろ






「「「な⁉︎」」」


あ、可愛すぎで呆然としてたら自然に力入ってたのかの?男のつるぎの刃が妾の手の場所から「ボキン」と折れた

男たちと天使…げふんげふん……少女はそれを見てあっけにとられおった。


「さーて……妾はこの少女を連れて行くが問題ないじゃろ?」

「ッ⁉︎待て!」

「どうしたんじゃ?」


なんか男が必死で止めてきおった……服装からして村人じゃないかの?

男は必死で、意味不明なことを言った


「その娘は『忌子』だ!厄を受け止められずに俺たちの村に厄災を振りまいたそいつを許すわけにはいかない!」

「……と言っておるが…本当かの?」


呆気にとられていた少女だったが、妾が声をかけるとぶんぶんと首を横に振った


「……と言っておるが?」

「うるさい!…は⁉︎まさか貴様忌子によって召喚された悪しきもの⁉︎」

「いや、お主どこに思考がトリップしておるんじゃ?」

「キシャアア!悪しき者の言葉に惑わされる我らではないわ‼︎」



なんじゃ⁉︎いきなり殴りかかってきおって!まあ、妾魔王じゃけど…人間からしたら魔王って敵になってる存在じゃけど……妾国滅ぼしたことあるけど……あれ?妾人間からしたらものすごい悪者じゃないかの?


……まあいいじゃろう……この男たちは妾と敵対したのじゃ。それで死んでも……


「お主ら後悔するなよ?」

「何?」


妾が殺気を放った途端、空気が揺れた。静かだった森はさらに静まり返った。

男たちは、困惑したままばたばたと倒れおった。ただ殺気を放っただけだというのに情けないのぉ……まあいい。あとはこやつらを処理して、この娘を誘か……げふんげふん保護しなければな……あー忙し忙し……


そんなことを考えながら妾が娘の方を向いた。その視線の先には男たちと同様気絶している娘の姿がが……


「あ…しまった……」


出力ミスった(てへっ☆)







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