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#48 メイシス王女の側近精霊

「言われた媒体の品を持って参りましたわ」


次の日の午後、メイシス王女が側仕えの精霊を呼び出す媒体を持って工房を訪れた。


今回呼び出す精霊はメイシス王女のサポートをするメイド精霊と身辺警護の護衛精霊になる。普通ならば簡単には受けない依頼内容だが、婚約者となれば安全を担保する意味でも必要だろう。


精霊同士の交流も出来ると良いのでミルフィに信頼出来る知り合いが居ないか聞いてみたら妹を推薦されたので縁の理を使いメイシスが持参した愛用のカップに召喚させてもらった。


「お初にお目にかかります。ミルフィの妹の『ショコラ』で御座います。至らない事もあるかと思いますが何卒よろしくお願い致します」


「ずいぶん礼儀正しい妹さんだね。こちらこそよろしく頼むよ。それでこっちが僕の婚約者でこの国の第三王女のメイシスだよ。君は彼女のサポートについて欲しいのだけどどうかな?」


「こちらの女性ですか?ふむ、なかなかの素質をお持ちのようですね。良いですよ、私が完璧にサポートして見せますので日頃お呼びする名前を教えて頂けますか?」


ショコラはメイシス王女にニッコリと微笑むと握手を求めながら名前を聞いた。


「そうですね。本来ならば様付けなどはして欲しくないのですが、立場上は私の側近になるので呼び捨ても対外的によろしくないですね」


メイシス王女は少し考えた後にある提案をした。


「そうですわ。メイシス様だと堅苦しいので愛称の『メイ』に様を付けて『メイ様』と読んでくれたら嬉しいですわ」


「分かりました。ご主人様のご要望によりこれからは『メイ様』と呼ばせて頂きます。どうぞよろしくお願いします。私の事はショコラとお呼びください」


「ありがとうショコラ。私こそよろしくお願いしますね」


「良かったねショコラ。私はマスターの工房にいつもいるので気軽に声をかけてね」


「ミルフィ姉様にはお変わりなくお元気な様子ショコラも嬉しいです。分からない事があれば相談させて頂きますね」


「もう!ショコラったら相変わらず堅苦しい喋り方なのね。でも真面目なあなたならきっとメイシス様のお役にたてると思うの。頑張ってね」


お互いの挨拶と契約が済んだので今回はもうひとり召喚させる予定だ。王宮御用達のメイド服から護衛精霊を呼び出す予定だ。


「今回はララにも手伝って貰うよ。いいかいこの召喚媒体にララの魔力を制御しながら出来るだけ注いでくれるかい?その間僕は能力の底上げをする魔方陣を組むからよろしく頼むよ」


「了解よ。私の中の魔力達、ぎゅっとにぎって圧縮させて竜の力を練り込んで・・・いいわよタクミ!」


「幾多の厄災をも拳ひとつでうち壊す強靭な肉体と主に降りかからんとする悪意ある敵を寄せ付けぬ闘気を胸に我が婚約者メイシスを守護する精霊よ!ここに姿を現せ!精霊召喚!!」


儀式が始まると凄まじい魔力が媒体のメイド服に集まり光を放ちだした。光が収まるとそこにはメイド服を着たひとりの女性精霊が立っていた。彼女は閉じていた眼を開くと僕達を見回してから深々とお辞儀をして自己紹介を始めた。


「始めまして私は『カレン』と言いますの。得意な事は格闘全般ですの。私が同席している場での主人となる方の安全は保証しますの」


凛とした雰囲気で拳を突きだしてキメポーズをとるカレンを見て僕は思わず手の平を顔に充てて『あちゃあ』といった顔をした。


『うん。メイド服に召喚する精霊ではなかったな。持ってきて貰う服のチョイスを間違えた・・・。ショコラも家事担当だから基本メイド服だし、カレンはメイド服の精霊だから基本メイド服だよな。まあ警戒されにくくて良いのかも知れないけれど』


「カレン。彼女が僕の婚約者で君の主人になるメイシス王女だ。君とショコラのふたりでメイシスの側近としてサポートして欲しい」


「メイシスですわ。カレンさん、ショコラさん、よろしくお願い致しますわ」


「お互いの挨拶も済んだところで今度あるお披露目会の計画をたてようか。王様はこっちの味方だし、やるからには全力でやることにしよう」


僕は秘蔵のお菓子を皆に出しながら打ち合わせを進めていった。

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