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#47 成人の儀に向けての作戦会議

「こちらでお待ちください」


メイシス王女の講習が修了してから数日後に王宮に呼ばれた。これから国王とメイシス王女と宰相を交えて王女の成人披露パーティーの日に執り行うもろもろの内容について話し合いを行うためだ。ハッキリと言って気が乗らないが当事者のため逃げる訳にもいかずしぶしぶ参加していた。


「よく来てくれた。娘から大体の事は聞いていると思うがやはりキチンと話しておくべきだと思ってな」


「この度は色々と確認したいことが多くて何から話せばいいか分かりませんが、本当に僕で良いのですか?」


「私から言い出したのだから問題はないし、何より娘本人が乗り気なのだから今さら変更はないだろう。但し娘からも聞いただろうがやはり第三とはいえ王女を平民に嫁がせるのは周りの貴族どもが黙ってないだろうからそなたを『名誉貴族』として叙爵させて貰うぞ。叙爵理由は数々の発明品に加えてメイシスの上級錬金術士としての才能開花を手助けした事による王家への貢献だ」


国王陛下はチラリとメイシスを見ると僕に向き直り言った。


「叙爵階級は『名誉伯爵』だ。メイシスを嫁に出すなら最低限上級貴族である伯爵以上で無ければいかんからな」


それを聞いた僕は驚いて国王陛下に聞いた。


「伯爵ですか?しかし、平民の私が下級貴族を飛ばしていきなり伯爵になるのは周りの反発があるのではないですか?」


「勿論それはあるだろうな。だが、これから周りの貴族達に余計なちょっかいをかけられぬ為にも通さねばならぬのじゃ」


国王陛下が頭を悩ませている傍でメイシス王女が考えを出してきた。


「ならば力を示せば良いのではありませんか?錬魔士の名前は伊達ではない事を示せば他の貴族達も納得するしかないでしょう」


「そう簡単に言うけれど具体的にどうすればいいか分からないんだけど」


メイシス王女は少し考えてから話し始めた。


「錬魔士様の代名詞は精霊召喚にありますので精霊のどなたかが力を見せれば良いかと思いますわ」


「ちから・・・か。剣術ならミスド、魔術ならセジュ、異空間収納ならシール、万能メイドならミルフィだな。誰が一番説得力があるかな?」


それを聞いた国王陛下が考え込む僕に自分の思いを伝えてきた。


「それについてはちょっと待ってくれ。実はこの発表後に錬魔士殿の工房隣にメイシスの住居兼工房を用意するつもりなんじゃが、一人で住ませるには防犯上問題があるがそなたとはまだ婚約発表しかしないから一緒に住むのは早いと思うのじゃ」


『いやいや、研修中は常に工房に泊まり込んでいたでしょうが・・・』


「でじゃ、出来ればメイシスの工房にも側仕えと護衛の出来る精霊をお願いしたいんじゃよ」


「分かりました。その精霊達も同席させて他の貴族達を牽制するんですね。後で王女の愛用カップとそうですね、王宮メイドの服を一着用意してください。側仕えも護衛も女性精霊が良いんですよね?」


「さすが錬魔士殿だ、良く分かっておられる。是非とも頼みますのじゃ」


「ララ、後で手伝って貰うよ。この際だからメイシス王女も見学していくと良いよ」


「了解ー!まかせておいて!」


「私が同席しても大丈夫なのですか?本来精霊召喚の儀式は錬魔士様ご本人しか立ち会うことが出来なかった神聖なもののはずだと思いますが・・・」


「そんなに小難しく考える事は無いよ。今までそうだったのは僕しか出来なかった事と僕が他人と錬金術に関してあまり積極的に話してこなかったせいでもあるんだ。でもふたりともまだだけど婚約者で弟子だから良いかなと思ってね」


「またひとつ錬金術士として認めて頂いたのですね。ありがとうございます」


「精霊召喚に関しては僕の工房でなければ駄目なので後程媒体を持参してきてくださいね。後は気は乗らないですが叙爵の受け方の享受をお願いします」


「あい分かった。それはこちらで対処させて頂く」


こうして来る日の準備は着々と進んでいくのであった。

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