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#41 メイシス王女の錬金工房合宿 その六

GW更新強化週間中。

「よーし。それでは今日からメイシス様の錬金術実技講習を始めるぞ。今日からはララも一緒にやるからよろしく頼むよ」


「はーい!まかせて!」

「よろしくお願いいたしますわ」


僕はメイシス王女とララのふたりに同じ素材を渡して錬金釜の前に立たせた。


「いきなりだがまずはこれを作ってもらおうかな。ララは当然出来るだろうけどメイシス様は何をどうやるか分からないと思うので、この紙に書かれている手順に従ってやってみて下さい。大丈夫ですよ基本的に手は出さないですが僕が後ろに控えてますので危ないようなら止めますから」


「分かりました。頑張りますのでよろしくお願いします」


僕がふたりに渡した物で出来る物は「傷薬」であった。これを知っていると何かにつけて助かる確率が上がるので是非とも習得させたいレシピであった。


「とりあえずララ作ってみろ。メイシス様は作り方のレシピと手順書を見ながらララの錬金術をまず見てください」


「了解、いくよー。えーと、カナルの実とスズの花弁を入れて魔力液を規定量入れたら魔方陣を描いて蓋にしてからかき混ぜ君でぐーるぐーるして魔力の高まりを感じたら仕上げに定着石を入れて3分待つと・・・出来た!」


ララの錬金釜から青い光が登った後薄いピンクの液体が出来上がっていた。


「よし。効果を確認するぞ」


僕は薬の効果を確認するための人形に傷を付けてから出来上がった液体をかけてみた。


『しゅわわわわわ!』


人形の傷口から泡が出てきたかと思うと数秒後には傷が消えていた。


「よし。充分な効果だ!なかなか腕を上げたなララ」


「えへへー。まあこのくらいなら楽勝ね。伊達でタクミの弟子を名乗ってる訳じゃないんだからね」


ララは無い胸を張って自慢気にしていた。


「次はメイシス様やってみて下さい。今のララと同じ手順で大丈夫ですよ」


「分かりました。やってみます!」


メイシス王女は素材を錬金釜に入れて魔方陣を組始めた。大体の場合はここでつまずく事が多いのだが座学を真面目に学んでいた為ゆっくりではあるがきちんとした魔方陣を組む事が出来ていた。


「これで蓋をしてかき混ぜ棒で混ぜて・・・魔力の高まりを感じる・・・」


『んー。そろそろ定着石を入れるタイミングなんだけど魔力の高まりが分かりにくいのかな?まあ、失敗しても爆発とかはないからまだ黙っておくか』


隣のララも気がついているけど僕が何も言わないのでおとなしく黙っているな。


「錬魔士様。多分このくらいだと思うのですが、先程のララさんの時間からするとかなり長過ぎるような気がして不安なのですが」


「やはりそうでしたか。もうずいぶん前に入れるタイミングは過ぎてしまってますが、タイミングを間違えたらどうなるかを知る良い機会ですので今から定着石を入れてみて下さい」


「はい。分かりましたわ。えい!定着石投入!」


定着石を入れたメイシスの錬金釜は赤い光を出して定着した。中を見ると液体は濃い赤色をしていた。


「これはどんな効果になるのですか?」


「ん?液体が赤色ですね。錬金をやり過ぎても赤色になることはないはずですけど・・・。普通は赤紫色になって傷口にかけてもしみるだけで全然効果がない失敗薬になるはずなんですが・・・?」


僕は液体をすくって成分を分析する道具にセットしながらふたりに言った。


「この液体の分析をするから悪いけど少し休憩しておいてくれないか?まあ半刻もあれば分かるだろうから」


ふたりが頷いて工房奥のカフェスペースに移動するとミルフィが紅茶を入れてくれたので一緒に休憩することにした。


「ねえねえ?メイシスって王女様よね?婚約者って居ないの?国王様はタクミと結婚して欲しいみたいに言ってたけど本気なのかな?そもそもメイシスはタクミの事どう思ってるの?」


「ララさん。あまりそう言ったことはこの場で話す内容としてはどうかと思うのですが」


「何言ってるのよ。女3人集まれば恋愛話するのは今のとれんどなのよ!この間食べに行ったかふぇで聞いたから間違いないのよ!」


「ララさん。多分それ違うと思いますの」


「ふふ。ララさんて面白いんですのね。そうねいい機会だからちょっとだけお話しましょうか。その前にひとつだけ教えて欲しいの。ララさんはタクミ錬魔士様の弟子ってだけ?それとも恋人?」


「なななななんで私がタクミとここここ恋人になるのよ!タクミとは師匠と弟子ってだけよ!それだけ・・・なのかな?」


「ふふ。ちょっと意地悪な聞き方だったかしら。ごめんなさいねどうしてもララさんの気持ちを確かめてから話したかったから。まず私はまだ14歳で成人してないから婚約者はいません。と言っても未成年で婚約者が居る人も勿論いるんだけどね。お父様は錬魔士様を凄く評価している事と私に錬金術の才能があったので交流をもって欲しいとの事で話を出されたようですわ。そして私はタクミ錬魔士様のことは尊敬しておりますし、お側に置いて欲しいとも考えておりますわ。これで宜しいですか?」


メイシス王女はにこやかにララに答えた時、工房から声がかかった。


「おーい。さっきの結果が分かったぞ!休憩が終わったら工房に来てくれ!」


「あらお呼びがかかりましたね。ララさんまたゆっくりとお話しましょうね」


メイシス王女はララにそう言うとララの手をとって工房へ向かった。

工房講習編まだ続きます。

更新頑張ります。

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