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サイホー異世界転生!-いつまでたっても夢から覚めないんだが-

作者: 江東 せとら
掲載日:2019/01/14

異世界転生モノです



*江東は頭おかしくなったのかと思わずに

必ず最後まで読んでください*



喧しい目覚ましの音。

あーもう!うるせー!

俺、天誠(てんせい) しゅうや は目覚めた。

今日も一日がはじまった!いい朝だぜ!!

だけど、今日はいつものいい朝とは一味違う!

掛け布団を吹っ飛ばし、ベットから飛び出る!カレンダー確認!

よし、まさしく今日だ!


そう、

今日という日は俺の大親友、比呂 院子(ひろ いんこ)の誕生日なのだ!

なぁに院子のことだ、

どうせ俺からのプレゼントなんて期待しちゃいないんだろうに。

まあしょうがない。

期待されても困るってもんだ。

なんであきらめてるのかって?

それは、

あれもダメこれもダメ!

俺は何をやるにつけても平均以下しか取れない、ダメ男子高校生だからだ!


だがしかぁし!

俺にはひとつだけ特技があった!



それは裁縫!!!



他は何にもないが縫い物の才能だけは神様が哀れんで俺に授けてくれたらしい!

俺様にかかればマフラー、手袋、ニットもろもろなんでもござれ!


そして、

今日のために俺は汗水垂らして

両界曼荼羅を縫ってきたんだ!!

絶対びっくりするぜぇ院子のやつ!


クローゼットを開けて完成品を確認!


「この胎蔵界の方は特に出来がいいぜ!歴史に残るかもな……」


おっといけないあまりの完成度に自分で自分を褒めちまったぜ!

てへへ!!


こうしちゃいられねえ!はやく登校しねえとな!

俺は素早く制服に着替えて階段を降り、リビングをつっきる!


「しゅうやく〜ん、ご飯食べないの〜、お味噌汁冷めちゃうわよ〜」


ママンの声が聞こえた気がしたがむしむしむし!

院子に一刻も早くこれを届けてびっくりさせてやんのさ!

玄関の扉を勢いよく開ける!



「いってきまぁす!!!!!」



全速力でつっぱしるぜぇ!

力一杯俺は走ることにした!!

学校までは全力を出して15分!

頑張れ俺!

いくら何もできない俺だからってこういう時にヘマ踏むんじゃねぇぞぉ!


そして、伊藤さん家の角を曲がった直後だった。


すっげえでかいクラクション音

急に暴走したトラックが俺の方に突っ込んできた!!


まずいまずいまずい!!!

こんなところで俺の人生終わっちまうのかよ……

せめてこの縫い物の才能を誰かのために使ってから死にたかったぜ…………

次生まれ変わるなら……俺が認められる世界がよかったなぁ、なんてな……


—————薄れゆく意識そして強い衝撃が俺の体を襲った。





あれ……ここはどこだ……

気がつくと俺は真っ白い異様な空間にいた。

変な音がぴこぴこ鳴っている。

そういえば俺、院子に両界曼荼羅あげようと思って登校してたらトラックに轢かれて………


「そうだ俺、死んだんだ……」


「そうじゃお主は死んだのじゃ」


なっ、急に声がしたと思ったら、目の前に白いでろでろの服をきた髭面のお爺さんが立っていた。


「すまんのう。しゅうやくん、こちらの手違いでしゅうやくんの命を奪ってしまったのじゃ」


「お、おじいさん誰だよ?俺、死んだんだろ」


「その通り!そしてわしは、天賦霊尊(てんぷれのみこと)。人間でいう神さまじゃ」


「かっ神様だってぇぇぇえ?」


「いかにも。

そして、しゅうやくん。

今回のことはわしらの責任じゃ、じゃから、しゅうやくんを異世界に転生させることにした」


「異世界転生?」


「そうじゃ、お望み通りしゅうやくんの才能が認められる世界に転生させてやろう」


「えぇ!本当か!」


「本当だとも、望み通りのすきるもやろう」



目の前の神さまとかいうお爺さんはなんだかよくわからんけど

一回死んだ俺のことを俺の都合の良い異世界に転生させてくれるらしい!

そうなると……

スキルは魔力レベル100とかだろうか……どうなるにせよ夢がかなうんだ!!

不謹慎だけど、死んでよかったぁ!

まぁたまには

轢かれてみるも——————








真っ白で異様な空間。

冷たく無機質な壁。

医療機器の脈拍を刻む音。

女のすすり泣く声。

そして

白衣を着た髭面の老医師。


彼は未だ感情がおさまらない母親をなだめるようにその背中をさすった。


病室のドアが開き、

事故の取り調べを行なっていた警察が入ってくる。


「失礼します。

……犯人は未だ逃走中です。

力が及ばず申し訳ありません。

それで……どうですか、しゅうやくんの容態は」


「いや……それがですね」


老医師の表情が露骨に曇る。

泣き崩れる母親を一瞥し、

意を決したように

一つの小さな装置を引き出しから取り出した。


「……これは?」


「これは、平たくいえば人の夢を見ることができる装置です」


無機質な音に囲まれながらベットに横になっているしゅうやの頭にそれを取り付けた。


「今に、モニターに彼の脳内が映像として表示されます。

本来はこういうことには使わないんですがね…………」


ややあって機械の画面に現れたのは異国情緒のある幻想的な街並みだった。

その街で彼は活気に満ちた表情で楽しそうに縫い物をしながら村人と会話しているようだった。


「彼は目を開けませんが、夢を見続けている。

それも、幸せな夢だ。

見たところ現実とは違う幻想的な世界で楽しく過ごす夢を見続けているんでしょう」


刑事が感心したようにモニターを覗き込んだ。


「これは、すごい。

今はこんなこともできるんですね……

しかし、よかったですねお母さん。

しゅうやくんが

目覚めたらこのステキな夢の話をお母さんにたくさんしてくれると思いますよ」



「目は……覚めません」


老医師が俯いた。


「え?なぜです?

夢を見てるんでしょう?

夢が見られるってことはまだしっかり意識があるじゃないですか」


母親を気遣うように言った刑事に

老医師は苦しい顔をし、

モニターの映像を切った。















()()()()()()()()()





病室は金切り声にも似た母親の叫びで満たされた。





タネを明かせばこんなもの。

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