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紅の……  作者: みわかず
5/5

※残酷表現あります。





くるり、ひらり。


手に馴染んだ黒い刃が 今宵も早くと血を望む


月夜の(もと)の濃い影を つたい来るのは君からの刺客


くるり、ひらり、今生(こんじょう)も いくつの屍を越えたなら


くるり、ひらり、今生も 君を斬らねばならないなんて




僕がおかしいのか 僕と君がおかしいのか


繰り返す転生の先に 果たして 望むものはあるのだろうか


くるり、ひらり、涙さえ 枯れ果て もはや血も凍る


くるり、ひらり、涙さえ 君を美しく彩るもの だった




次こそはと振り上げて 何度君を刺しただろうか


繰り返す出逢いで覚えたものは 一撃だけの終わりかた


くるり、ひらり、愛などと 同じ世界に生きながら


くるり、ひらり、愛などと 対極の君とは赦されない


せめて痛みは少しだけ




(くる)り、くるりと 狂いゆく 二人同じに狂い逝く


他の誰にも斬らせない 君の爪さえ見せたくない


(ひら)り、ひらりと いつまでも 二人同じに待っている


広げられた両腕と (あか)い弧を描いた唇が その証


紅が一番似合うねと 伝えたのはいつだっけ




同じ紅い血を持ちながら 相容れない


血飛沫だけが 交われる そんな糞な世界が消えていて


ただそろりと寄り添うだけの


日だまりで手を添うだけの そんな穏やかな世界で出逢う日を




男でも女でも 獣だろうと虫だろうと


君は花ならいいと 血を吐いた


それを手折らぬ者であればいいと 自身に剣を突き立てた


君を紅に染めるのは 僕の血と 秋のもみじ


(あか)い時間は逢瀬の時間


君が一番映える時




(くる)り、(ひら)り。



くだらないと 黒刃が嗤う


来世もお前がそばにあるのなら 


次こそお前を寄越した神を斬ろう


そうであろうとする世界 阻むものみな斬ってやる




(くる)り、(ひら)り。


 くるり、ひらり。


  (くる)り、(ひら)り。




君と、いつか。












少しブシャれたかしら…(笑)


お読みいただき、ありがとうございました。


…あーあ、残酷表現使っちゃった…(笑)



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