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最果ての町で

ようこそ、最果てへ、どこが境界なんかを決めるのは人次第ですね。読んでいただけると幸いです。

~ようこそ最果ての町へ~

 皆様のご到着を心よりお待ちしておりました。ここまでたどり着くには本当に大変だったでしょう。どうぞどうぞごゆるりとしてください。何せここより先は何もないのですからこれ以上のものは望むべきもございませんでしょう?時間はたくさんありますよ。ゆっくりすることをお勧めいたします。


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 今日もまた、この最果ての町にお客様が来た。今月はこれで15人目だ。最近来る人が多い。

 私がここに来た時なんて本当にわずかな人しかいなかったというのに、集落は村になり、そして町になっていった。この場所が大きく変わる狭間を私は見ているのだなと思うと、私も年をとったなとも思う。この最果ての町に来てもう15年。。。何度も死ぬような思いをしてかき分けてかき分けてやっとの思いで進んできた。たどり着けたのは運が良かっただけだろう。道半ばであきらめていった仲間。運が悪く死んでしまった者も大勢だ。

 そんな世界だ、当然相手を蹴落とした。仲間を裏切った。でもそうまでしないとここにたどり着けなかったことを思うと仕方がないのだろう。結局は自分可愛さなのだ。おそらくここへ来る人はみんなそうなのだろう。最後は自分が生き残ればそれでいい。そうだ、何も間違っちゃいないさ。

 けれど、今この町にたどり着く人が多くなったということはそれだけここまでの道のりが楽になったか、比較的安全になったのだろう。そう考えると私のしてきた苦労よりも今、たどり着いた人たちは楽ができたわけだ。技術の進歩はすさまじいものがあることはわかるが何故か自分が成し遂げた功績が安っぽく見えて嫌だとも思う。

 当然楽になったといってもこの町に来るには、それなりの修羅場を潜り抜け、何かを犠牲にしてきているはずだからこの町の価値は変わらないはずなのに、、、ふと、そう思うと私もやっぱり自分がこの町のことが好きで、たどり着けたことに誇りと自信があるのだろう。

 昔はきつかった。今よりも苦しい状況でなど、言ったところで物の価値は変わらないのだから口をつぐんでおくのが正解だろう。大切なのは自分自身がその時に感じた思いだろう。今はこの最果ての町に来れて満ち足りている。


 実は、最近妙な噂を耳にした。。。最果ての町の北西あたりの絶壁の一部が崩れ、もしかしたら先があるかもしれないと言われている。

 この町が最果てと言われているのも、その壁で囲まれているからであり、、、それが崩れたとなると。。。ここは最果てではなくなる。そう考えると私はドキドキした。

 つい1週間前のことだ、最果ての洞窟へ先遣隊が出発した。もしかしたら最果ての先があるかもしれない。選ばれたのはここ最近でこの町に来た若い世代で固められた。どれだけの危険があるかわからないので有志で集まった者たちだ。その有志に私は手を挙げることができなかった。なにせここは最果てだ。この洞窟もどうせ行き止まりだと、そう心に言い聞かせてる。

 そして、今少し不機嫌になりながら、先遣隊が返ってくるのを待っている。この1週間あんまり寝ることができなかったのだ。


その時、町の緊急連絡に使われるスピーカーから情報が流れた。


「えー。んんっ。最果ての町の町内の皆様。先ほど洞窟に行った先遣隊が帰ってきました。その結果、、洞窟の先には、まだ見たことのない場所が広がっているとのことです。。。尚、8人で出発した先遣隊ですが、、、今回、帰還できたのは1人となります。生還者からの話しによると、危険な動植物、地形が多く、多くの犠牲を出しながら進み帰ってきたとのことですので、洞窟内は危険とのことです。また、今回の功績により、この町の名前が最果ての町から、新しい洞窟前の町に変更予定となります。詳しくは後日決定され、通知されることとなります。以上、町民広報担当よりお伝えいたしました。」


その放送はほとんど耳に入ってこなかった。今まで積み上げてきたものが崩れると愕然としてしまうものなのか、それともただ寝不足で呆然としてしまうのか、


私はこの場所で何をすればいいのだろうか。。。とりあえず、洞窟の中は入ることはないだろう。。。



読んでいただきありがとうございました。ショートショートというにはあまりに短く、あまりに稚拙と言えるますが気にしません。メモ書き、走り書き程度のものですのでささやかに流し目していただければありがたいです。

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