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最弱で駆ける道  作者: 織重 春夏秋
第一章 『始まりの洞窟』
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第一冊 『森林より始まり』

 木々が生い茂り、草木が風によって揺れる音がする。豊かな温度を持った風は全身を優しく撫で、動かない体が身震いする。

 微睡みの中、頰にチクチクと刺さる草の痛みで、陽はゆっくりと目を開けた。


「ぅ……ァ……?」


 情けない声を出しながら目をこすり、段々と意識を覚醒させていく。体がだるく完全ではないが、ある程度意識がはっきりしてきたようで、段々意識がクリアになってきた。

 

 ──────そこには、幻想的な光景が広がっていた。


 視界に移るのは木々が生い茂る森だ。

 巨大な木からは木漏れ日が漏れ、太陽がこれでもかという程に輝いている。しかし熱いかと言われればそうではなく、温かい感触だ。地球温暖化によるどろどろとした熱さなどないように感じられる。辺りを見れば機械なんて無粋なものはなく、どこまでも続く天然の迷宮のよう。ピヨピヨとなく鳥(体は黄色だった)が、陽が起きたのに驚き、飛び去って行く。


 さながら一枚の絵として完成しているかのような光景に、陽の眠気は一瞬で吹き飛んだ。

 それを視認した瞬間に飛び起き、周りを呆然と見渡す。目が覚めれば森の中、なんて展開はありがちではあるものの、実際体験してみれば異常でしかない。或いは同じく異常であるのなら適応できたかもしれないが、陽にとっては混乱するだけ。


 まず陽が行ったのは状況判断である。

 先ほど見た通り、目の前、右左、はたまた上までも木、木、木木木。目を凝らして先を見ようとしても、どこまでも続く気に視界が遮られ、自分が森にいるという情報しか分からない。


 あるのは、ここが異世界であるという事。そして自分が憎たらしい『神』によって転移させられ、今現在こんな訳の分からない状況に陥っているという事。

 普段なら怒りもわくのだろうが、ここまで状況が違うと怒る気にもなれない。陽はとりあえず落ち着くために空気を吸っておく──────おいしい。


「さて、神の言う通りならここは異世界なんだが……」


 頭を書きながら、疑問を口にする。

 というより、それしか考えられないだろう。さらに言えば森しか見ないという事は、近くに人もいないからお約束の『冒険者ギルド』や『ステータスプレート』、はたまた『魔法適正』もないという事である。つまり何が言いたいかというと、陽は全くの無能であるという事だ。


 何が特別な力が宿っているかも! と期待して落ち込むほど馬鹿ではない。一応の保険として近くの木を掴み、思いっきり力を込めているのだが、変化はない。どうやら問答無用で強化されているわけでもなければ、人間という種族が最強でもない。


 一応、『スタータスオープン!』と『鑑定!』はやっておいた。結果は、ご察しの通りである。


「まさか本当に何もないとは……」


 神がそう言っていたのは覚えているにせよ、本当に何もなく、異世界に飛ばされるとは思っていなかった。『言語理解』ならあるようだが、周りに別の言語もない以上、確認することは不可能である。


─────最上が妙に気になるが、それはスルーだ。


 となれば、『異世界に行った時の対処法その2(その1はチート能力の確認である)』、食材の確保だ。


 周りを見渡せば木々はたくさんある。毒が入っているだとかは分からないが……そんなこと言っていたら飢え死にするので、一応探してみる。


「くそう、なんで俺がこんな目に……くそう」


 神へ悪態をつき、イライラした気持ちを抑えつつ森を歩く。理不尽に誘拐された気分なので、少し腹立たしい。せめてチートを……と、今願っても遅いことだ。


「……こうしてみると、すごいな」


 森を歩いてみて、改めてその凄さを実感する。

 まず、音が一切しない。地球であるのなら機械の音が常に聞こえてきそうだが、今現在は陽の足音と草音しか聞こえない。生き物もいるのだろうが、本当に遠くに来た感覚がある。


 さらに言えば、本当に面積がでかいのだ。

 木々を抜け木々。何を見ても木々という情報しか分からない。たまに小さな鳥がいるが、捕まえられるとは思わないのでスルーだ。上を見れば、どうやらこの木は一ずつ、横一メートルほど、縦四メートルほどの大木であるらしい。


 少し道のような場所が見えはするが、次の瞬間には木の迷宮。今自分がどこを歩いているかすら理解できない。もしかしたら道を戻っているかもしれないという感覚に、少し恐怖を覚える。

 

 人工物も一切ないし、こんな光景は初めてである。

 もともと陽がどういう生活をしていたのかは分からないが、なんとなく感覚として、この森は自分の住んでいたところでは感じられないような壮大をさ持っている。都会のような機械社会では感じられない、自然の豊かさと温かみというやつである。


 そんな自然の恵みに期待し、歩く事数十分。


「うん……まさか木の実どころかキノコもないとは……」


 途方に暮れていた。

 歩けど歩けど何も見つからない。生い茂る草や少しばかりの段差などは見つかるものの、食べれそうな果実となると見つからなかった。一応木の実は見つかったか、それが地面に落ちた途端地面がジュ―……という音を立てて溶け始めたので、確実に毒である。その時は戦慄せざる負えなかった。


 さらに言えば、歩き続いたせいか脳が渇きを訴え始めている。まだまだ耐えられそうではあるが、このままいけば水分不足で死ぬ可能性もあるかもしれない。もっとも、まだまだ大丈夫だという精神が先行し、危機感はまだない。


 水飲み場さえ、水溜まりさえも見つからなかったのは言うまでもない。葉に水が溜まっているだとか、地面が湿っているだとか、川が見つかる気配もない。

 あるのは、ただ黄色い鳥だけ。もういっそのごとこいつを何とかして喰ってしまおうか、そう思っていた。


 そこで陽は、何を思ったのか木の一つに傷をつけることにした。なんとなく、『森では常に目印をつける』という、固定概念がそうさせた。これで意味がなければ完全に無駄足だし、かっこつけた割には恥ずかしすぎる。


 が、そんなことをしてしまうぐらい何もない。いくら走っても、いくら方向を変えようとも見えてくるのは木と鳥だけ。

 陽は『勘弁してくれ』と、内心ため息をつきながらも歩き出した。


「ちょ、まじかよ」


 結果、ビンゴ。

 数分後陽は、自分の付けた傷を発見した。今までを考えるのなら、同じ場所をループしていたのだろう。さらに、陽がそれを認知した瞬間、近くの木に止まっていた黄色い鳥がどろりと溶けた。そのまま、消滅していく。


「うわぁ。過酷だな」


 思わず顔を顰める。

 どうやらこの黄色い鳥がループの犯人だったらしい。まさかこんな小さな鳥にそんな力があるとは思えないが、ここは異世界。何が起きても不思議ではない。


 どうやら犯人が鳥だと分かればループは解除されるらしく、それ以上歩いても繰り返さなかった。


「ようやくってところかぁ……」


 今まで小鳥にお踊らされていた事実に、思わず苦笑い。そして頬を伝う汗をぬぐう。異世界召喚にしても、過酷と言わざる負えない状況だ。それも、奴隷扱いされる転移者や悪魔扱いされる転生者から見ればましなのだろうが、何も変化せずただ緑だけが続くというのは精神的につらい。


 そしてもう一度、状況を整理してみる。

 まず、確認していなかった持ち物……なし。ポケットにも靴の中にも何もない。続いてステータス、食材と続いていくが、全て何もない。あるのは正真正銘自分の身一つである。チートが宿っている気配はない。


 万が一と思い、自分の種族が変化していないか、なんて変な考えを持って、耳、足何かも調べてみた。だが、その類は一切見当たらない。無能で人間の空城 陽だ。


「もう歩くのは疲れたぞ……?」


 その上記憶がないと来れば、どうしようもない状態だ。ここまできて、『禁じられた過去が!』なんて考えている陽はお気楽だ。神本人から『君駄目だよ』と言われたばかりだというのに。


 このような異世界召喚事情の本を陽はいくつも知っているが(なぜかそれは知識にある)、この傾向は珍しい。森だけ。森の中に何かあって……そんな状況は数あるが、森だけで何も見つからないという状況は珍しい。


 文明、魔法、人類事情さえ確認できていない事実は激しく胸を締め付ける。猫耳や犬耳などといったまさに異世界! なんてことを知ることが出来れば、まだ気合が違かったかもしれない。


「勘弁してくれよ……」


 うわ言のようにそう呟き、陽は歩き始める。

 もう時間の感覚はなくなっていて、どれぐらいの距離を歩いたのかもわからない。少なくとも、常識で考えられる距離ではないだろう。


 このまま、何も発見できないのではないか……そんな陽の不安とは裏腹に、変化はすぐ訪れた。


「ん? これは……!」


 歩いた先に見つけたのは『ナイフ』だった。しかも、森の真ん中に一本だけ、捨てられるように置いてあったのだ。陽は訝し気に思いつつも、痺れを切らしたようにそのナイフを覗き込む。

 

 観察してみれば、それは陽の知るナイフとは一線を画すものだった。いや、形状は一致しているのだ。だが、よく知るナイフより不格好だし、分厚い。何より、色が違うのだ。

 それは茶色……というより、銅色だったのである。陽の中にある知識通りであれば、それは地球でも使われる『銅のナイフ』だ。しかも、使われている形跡があり、少し汚れている。


 それなりに大きさがある。横幅五センチ、縦15センチほどはあった。短剣とナイフの真ん中、といった所か。

 重量感があって、持てばずっしりと、その重さを伝えてくる。


 なぜこんなところにあるのか、どうして転がっているのか。

 疑問はいくらでも出てくるが、いちいちそれを気にしている余裕はない。むしろようやく表れた変化なのだ。今は甘んじて受け入れようとばかりに、陽はそのナイフを手に取った。


「おぉ~、さすが……というべきか」


 そして、意気揚々と振り回してみる。異世界に来てナイフを手に入れれば、それを振ってみたくなるというのが少年心。異世界に憧れているというのだから、なおさらだ。

 初めて持つナイフの重みにも感動。そして異世界らしい? 銅という素材にも感動。今までのこともあってか、感動しっぱなしだった。


「くっ、重い。だけどやめられない……なんだこれ」


 迸るパトスを抑えきれず、その勢いのままナイフを木へと振う。が、一瞬力が抜けたせいかふらっとしたお粗末なものになってしまった。

 がっ、と、一瞬木へ突き刺さるが、そのままずるずると地面に落ちてしまう。


 やはりのうのうと暮らしてきた(神談)陽にとって銅のナイフは重いらしく、あまりうまく使えない。両手で持てばそれなりに扱えるだろうが、何かそれは格好悪い気がする。短剣を両手で持つなど、異世界では邪道(陽の中では)なのだ。


 何とか片手で使えないか───────そう思った時、耳に音が飛び込んできた。


 ガサッ


「ん? なんだ……?」


 今ままで物音ひとつ聞こえなかったのだ。好奇心と本能に巻け、思わず音のする方へ視線を向けた。  

 向かずに逃げていれば幸運だったかもしれない。それを認識する前にやばいと感じ、走っていれば変わっただろうか。それは、もうわからないことだ。


「グギャァ……?」


 緑色の肌、気持ち悪い歯並びの歯。

 小さな体とは似合わない大きな顔。耳のような器官が肥大化しており、目もぎょろぎょろとしている。最低限の布や装備しか着けておらず、異世界物ではありふれたモンスター。その手には、陽が持っているものと同じ、銅のナイフが握られていた。


「あ、あ……」


 ──────ゴブリン。陽の行く先は前途多難だ。


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁあぁあぁぁッ!」


 ゴブリンをしっかり肉眼で捉えた時、陽は思わず走り出していた。

 いくらそういう生物などの知識を持っていたとしても、実際に遭遇すれば逃げ出してしまうのは当たり前だ。むしろ、それがゴブリンという事を理解したからこそ、逃げたのだ。


 とにかく遠くへ。ゴブリンが見失うように、うんと遠くへ逃げる。

 ゴブリンなどは最弱の敵として有名である。所謂冒険者などが最初に討伐する魔物として、創作物などにも登場している。


 だが、その多くはチートを持った転生者&転移者、もしくは特別な才能などを持つ者だけ。実際普通の人間が戦った物語も存在するが、六人掛でようやく倒せていたのを、陽は覚えている。


 目印をつけることも忘れ、今自分がどこを走っているのかもわからない。先ほどまで道は覚えていたはずなのに、今の衝撃で全部抜けた。

 そもそもゴブリンとは人間に近く知能を持っていることが多い。先ほどの銅のナイフがいい例だ。ゴブリンは人間を真似ることにより、自然界で生きていく力を持っている。


(無理無理無理無理無理無理だって! いきなり遭遇は勘弁してよ! 大体銅のナイフだけでどうしろって言うんだ。絶対押し切られて終わるじゃないか!)


 現実逃避を進行形で行い、陽は体をフル稼働させる。

 しばらく立ったところで息が切れた。その場で膝に手を突き、かひゅうー、かひゅーと死にかけのような呼吸を繰り返す。


「……つぁ、ここまでくれば大丈夫ってぎゃぁぁぁぁぁぁああっ!」


 ふと背後を見れば、息(?)を切らせることなく陽を追っているゴブリンの姿が。「何としても捕まえる!」とばかりに赤い目をギラギラと輝かせ、その口からよだれを垂らしている。


 陽は叫び声を上げつつ、再度思い足に鞭を打ち、走り始める。背後を振り返らずとも、ゴブリンのどたどたという足音が聞こえる恐怖に、全身が震えあがった。

 涙と鼻水で顔面を汚しながら疾走する。


「グギャァぁァァァァァアァッ!!」


 獣の叫び声と共に、ゴブリンはその手に持つ銅のナイフを振るう。


 バゴンッ


「……、……、……はっ?」


 目の前の現実を理解できない。

 というより、理解し得ない。なぜならば、ゴブリンが叫び声音共に振るったナイフは木を捉えた。最初は威嚇の為かと思い気にしていなかった。だが、起きたのは自分の目を疑う光景。

  

 ─────銅のナイフが、大木を一刀両断したのだ


「うそぉぉぉぉっぉ!?」

「グガァァアァアァァァ!!」


 涙を滝のように流しつつ、陽は目の前の現実に吠える。

 まさか、ゴブリンが木を一刀両断するなど誰が想像できるだろうか。陽は倒れる大木に対し、思いっきり飛んで回避を試みる。


「うあわっ!」


 何とか直撃は避けられたが、木が地面に転がり、それによって発生した風圧が体を捉えた。瞬間、煙が巻き上がる。

 数m先へ吹き飛ばされ、草に地面を打ち付けながら停止した。すぐに体勢を直し、煙が巻き上がっている方を睨む。


 中からは、依然陽だけを睨みつけているゴブリンの姿が。煙のせいでなかなか見えずらいものの、赤い目が確実に存在を主張していた。

 陽はぞわっと恐怖が体を駆け上がるのを感じ、急いで走り出す。


「ちょっとちょっと! ゴブリンがラスボス級とか聞いてないよ!? 森の主だったりするのかなぁ!?」


 背後を見つつ悪態をつき、改めて陽は前を見る。

 やはり森、森。どこまでも続く緑の迷宮。鳥がいなくなったのでループ状態は解除されたようだが、それでもこの森が広いという事実は変わらなかった。


 背後のゴブリンは相も変わらず、邪魔な木をなぎ倒しながら陽を追っている。確実に、意思疎通は出来ないだろうし、捕まればジ・エンドだ。洒落にもならない。


「いっそ捕まって、打開策でも探してみるか……?」


 脳裏に浮かぶのは、ゴブリンに捕まり、巣へ連れていかれ、そこから意表をついて脱出するというバカな方法。そんな機転の利く作戦は立てられないし、ましてや巣に連れていかれるかどうかも謎だ。捕まればそこで喰われてしまう可能性もある。


 また、もう一つ浮かぶのはゴブリンを殺そうと試みる方法だ。

 陽の手元には、幸いにも刃物がある。これをゴブリンの肉体に突き立てることが出来れば、ダメージは与えられるかもしれない。もっとも、先ほどの一刀両断を見た後だと、それすらも不安になってくるのだが。


 撃退するにしても、どうやって撃退するべきか。逃げている今の状況を利用し、いきなり振り返ってザクッ、という方法や、真っ向から迎え撃ってブスッ、という方法もある。


「いや、無理だろ」


 自分の無謀な考えを振り切る。考えてみたが、そんなことは現実的に無理だ。万が一失敗したら木を両断できるゴブリンの一撃を全身で受けることになる。それだけは避けない。


 よって、陽にできる行動は走るということだけ。しかも、ゴブリンに追われているという恐怖と、このままは知っていてもいいのかという焦燥の板挟み。心臓がキリキリと痛みを持っているよう。幻覚通という奴だろうか。


 ──────そんな、あるかどうかも分からない痛みに悶えること、数十分。不思議と足は止まらなかった。近くにゴブリンの巣でもあるのだろうか。いつしか陽を追うゴブリンの数は六匹へと変わっている。

 回り込まれることが無いのは、ゴブリンの知能故だろう。そこだけは救いだ。


 いつしか、陽の視界に変化が訪れた。無限に続く緑の先に、断崖絶壁が見え始めたのだ。

 それは、まさに壁。石や鉱石によって形成された天然の要塞。横幅は広すぎて、どこまで続いているのか見当もつかない。上を見上げれば、雲まで続く壁。こちらも同様にどこまで続いているのか分からない。


 だが、目の前には、ある意味の救いがあった。

 それは、円形の穴。まるでドアのように壁に開いていたのだ。しかも、人は入れそうだがゴブリンは入れそうにない。陽はそれを見て、ある一つの単語が思い浮かぶ。


 ─────ダン、ジョン


 もしくは迷宮。知識があっているとするならば、それだった。絵に描いたような光景だ。壁に穴、中は暗闇で見えない。こういう形のダンジョンはなかなか見ないが、それでも良くある例の一つだ。


「……っ……どうする、入るか……?」


 頬を伝う汗を強引に拭い、陽は考える。

 このままではゴブリンに追い付かれて殺されるだろう。かといって、ダンジョンとは危険がつきものである。中に入れば魔物の犇めく地獄。下手したら、これ以上に危険な展開だ。


「「「「「グギャァアァぁアァァァアアアアッ!!」」」」」

「って、なんか増えてない!?」


 背後を見れば……数は十匹程度に増えていた。

 それを見た瞬間、決める。ようやく見つけた発見だ。ここはひとつ、


「賭けるとしますか!」


 陽は中に飛び込んだ。


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