《四章》上 最悪と遅刻
午後十時半
なんだろう。
凛々菜が帰ったのに視線を感じる。
玄関や窓、クローゼットと、人が入れそうな所などは一通り見たが誰も居なかった。
なんだっんだ。
探し回って一息つくと視線は感じなくなっていた。
どうも学校の事で俺はかなり疲れているらしい。
明日は休もう。
次の日の朝、七時半。
目を開けると枕下には置き手紙が置かれていた。
紙には、『学校来いよ。風都先生より。』
だからなんで俺の家しってんだよ。
学校には急げば間に合うが、なんというか………。
ダルい
とりあえず飯でも食べるか。
軽く炒飯を作り食事を済ませると学校に行く用意をした。
多分今日休んだら明日はもっと行きたくないだろうし。
準備をしているとインターホンが鳴った。
「はーい。」
インターホンのカメラが映しだしたのは風都先生だった。
マジかよ…、でたくねぇ。
ピンポーン。
無視しよう。
そう考えを決めた刹那ガチャンと扉が開いた。
「いや出ろよ。」
「………!?」
「そして無視すんなよ。」
「えと、何で開いたんですか…?」
多分いま心拍数ヤバい、驚きでヤバいこれは。
「いや俺もわからん。」
あれ、口調が変わってる。
「キモいって言われたからね。あと、声に出てる。」
あ、この癖治さないとな。
「話戻るけど華湊斗君、君が鍵を閉め忘れたんじゃないの?。」
「昨日寝るとき閉めてあること確認したので。」
「うーむ、あーんーと、僕が来た本題に入っていい?」
「あ、はい。」
あとで考えることにしよう。
「学校こい、逃げた罰な。それに生徒指導ね。」
死んだ。
最悪だ、腹痛い。
今どんな状況かというとあれから先生に散々怒られ学校に遅刻しないために先生の高テクニックで精製した車で
学校に向かっている。
学校に着いても怒られそう………。
不安の積もる中、ちょっとした希望を持っていた。
きっと凛々菜なら分かってくれると。
そんな定まらない心の中、学校に着いてしまった。
「ほら、降りろ。」
「はい………。」
「早く教室に行かないと遅刻だぞ。」
くっそー。
「くっそーじゃねーよ。」
「行きます、行きますからお尻触んないでください。」
変態め。
「なんだよ男同士だろ?。」
「そう言われるともっと変態に感じますよ。」
そう言い残し入りづらい教室に重たい足を進めた。