《三章》下 再会と後悔
俺以外の全員はやっと来たかと言わんばかりの待つことに飽きたような顔。
しかし俺の顔は鏡など見ていないがきっと分かりやすく唖然しているような顔なんだろう。
あの男が教卓に移動すると同時に感覚的に俺は立っていた。
「どうしたの?。」
凛々菜が首をかしげ目を合わせてくる。
「いや、何でもない。」
俺以外の奴らは当然どうしたんだと表情を顔に写す。
立っていた理由はよく分からない。
けど、多分感情が込み上げたことは確かだ。
でもなぜあの男がここに?
修行してた頃は、名前を教えてはくれなかった。
いつか分かると
あの男は口を開け太い声で喋る。
「俺は風都 竜希だ。名前は適当に読んでくれ、あと華湊人久しぶり。」
いつかは今日だった。
あの男は、俺に向かって手を振ってきた。
それも修行中では見せたことのない笑顔で。
それが本当なのか、偽りなのかは分からない。
勿論、手を振り返すことなど出来ず皆の視線がこちらに向く。
不思議そうに見てくる皆の視線とあの男ととの再開の衝撃で俺はこの場所から走りさった。
はぁはぁ………。
一息つけたのはすでに家だった。
学校からは競技用の自転車を精製して全力で走った。
「明日学校行きたくねぇー。」
正直あの場ではいなくなりたい一心で何も考えてなかった。
まじ終った………。
空想文字に何十件も通知が来ていたが見る気にならない。
取りあえず寝よう。
んん~~、苦しい。
寝返りが出来ないし、腹が重い。
「ん、ぎゅぅー。」
え?今何か声がしたけど。
腹回りが誰かに触られて…る。
ゆ、ゆう、れい………?
そう考えるだけで鳥肌がたってきた。
「おき、た?。」
かけていた掛け布団が膨れる。
「う、うわぁぁぁぁっ!。」
幽霊を見ないように顔をてで守る。
「どうしたの?ふぅあぁぁぁ。」
見ればあくびをしている口を手で隠しながら自分の腹に乗っている凛々菜がいた。
「何で…、凛々菜がここ、に?」
驚きで心臓が………。
「あの後心配になったから来ちゃった。」
相変わらず無表情な顔で当然のように質問に対しての返答がやって来る。
………いや待てよ、何で俺の家を知ってるんだ………。
これで三人目だぞ、家を教えてないのに来る人が。
いったいどうなってるんだ。
「なぁ、なんで俺の家知ってるんだ?。」
「秘密。」
怖い、幽霊よりその答えが怖い。
現在の時間は午後十時。
いろいろ考えなくてはならないことはあるが遅い夜ご飯でも食べよう。
キッチンに立つと凛々菜が近づいてきた。
「ご飯?」
「あぁ、流石に何も食べないのは腹が辛い。」
すると冷蔵庫から凛々菜が大きな皿を取り出す。
「これ食べて。」
そう差し出されたのは焼きそばだった。
普通にうまそうだ。
「ありがとう、凛々菜は?、なに食べるんだ?。」
すると凛々菜は冷蔵庫から小さめな皿に乗った焼きそばを取り出した。
夜は、凛々菜と食べた。
その後、一言「帰る。」と言って凛々菜は帰っていった。
けど、何故だろう。
誰から見られてるのは。