第4話 「初めてのクエスト」
「大変お待たせ致しました。≪始まりの町≫冒険者ギルドへようこそ」
ルインとアッシュの順番が回ってきたのでカウンターに歩み寄ると反対側にいるNPCから挨拶を受ける。
「ちっす、俺たち二人冒険者登録に来たんだが」
「承りました。それではこちらの登録用紙にお名前と職業を記入してください」
二人それぞれ必要事項を記入する。
「ルイン様とアッシュゴッド様でいらっしゃいますね」
「おう、アッシュで構わないぜ」「うん」
「ではルイン様、アッシュ様。これからライジングサンの施設説明と冒険者ギルドの機能説明をさせて頂きます。まずはこちらをご覧ください」
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日本エリアにある≪始まりの町 -ライジングサン-≫
日本国内のプレイヤーがキャラクターを作成した際、必ずこの町の中央広場から始めることになる。
町は中央広場を隔てて4地区に分かれており
東地区:冒険者ギルド
西地区:工業区(武具屋、アイテム屋、鍛冶屋、鑑定屋などの冒険関連に必要な道具類)
南地区:商業区(飲食店を始めとした休憩処)
北地区:居住区
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「冒険者ギルドでは主にギルドの結成、パーティーメンバーの募集、クエストの受注、プレイヤーランクの管理等が行えます」
「プレイヤーランクと言うのは?」
「プレイヤーランクとはプレイヤーのレベルとは別にエスリブ内における様々な行動や条件を満たすことにより、ランクポイントが獲得でき
一定の数値が溜まるとランクアップが可能になります。ランクが上がるにつれ様々な機能が解放され冒険を有利に進める事が出来ます」
「ほお、実績システムみたいなもんだな」
「クエスト報告の際にもプレイヤーランクを獲得する事が出来ますので積極的に上げていく事をお勧めします。プレイヤーランクの恩恵は
こちらの表をご確認ください」
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≪プレイヤーランク説明≫
RANK.2 生産ジョブの解除
RANK.3 ギルド設立権限の解除
RANK.4 闘技場コンテンツの解除
RANK.5 サブ職業の解除
RANK.6 2つ目の生産ジョブの解除
RANK.7 パートナーシップシステムの解除(未実装)
RANK.8 行政コンテンツの解除(未実装)
RANK.9 転生システムの解除(未実装)
RANK.10 (以降未実装)
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「未実装のコンテンツにつきましては、順次アップデートがされる予定ですので定期的に冒険者掲示板をご確認ください」
「ほう、生産や対人コンテンツはランク上げないと解除されないのか」
「じゃあとりあえずはクエスト受注しながらランク上げも兼ねないとね」
「んだな」
「えーと、受付さん?」
「私の事はマリネと及びください、ルイン様」
「それではマリネさん、初心者にお勧めのクエストを紹介してください」
「承りました。お二方のレベルとランクに基づきこちらのクエストがお勧めです」
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冒険クエスト①「始まりの町周辺でネコミンからアイテムを3個獲得せよ」
受注可能Lv.1 報酬:プレイヤーランク10、¥1,000、クエストランク①の解除
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「ではそれでお願いします」
「承りました」
「ルイン、これ一発でプレイヤーランク10になるのか?」
「流石にならないでしょ」
「こちらの表示はプレイヤーランクアップに必要なポイントになります。RANK2までの必要ポイントは30となりますので頑張って上げてくださいね」
「分かりました。それでは・・」
「一つ言い忘れておりましたが、ルイン様とアッシュ様の冒険者ギルド内の管理は今後わたくしマリネが担当する事になりました」
「それは今後何かあったらマリネさんを通して行えばいいって事?」
「はい〜。私達冒険者ギルド員それぞれ一定数の担当を任されております。毎回違う者が担当しますと何かと不都合があるかもしれないので」
「そんじゃ、これからも毎日マリネさんとお話しできるわけか」
「・・・(笑顔)」
「よっしゃ、そうとなったらルイン、さっさとクエスト終わらせて報告にくんぞ」
「う、うん。」
「それじゃマリネさん、またお会いしましょう(キメ顔)」
「・・・(引きつった笑顔)」
「ではマリネさん、今後ともよろしくお願いします」
「はい〜。宜しくお願い致します。ルイン様」
「俺も忘れないでねーマリネちゃん」
「アッシュ様もお元気で(笑顔)」
二人が冒険者ギルドを後にする
・・・
・・
・
「(はぁ。。)」
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クエストの討伐地に向かう途中
「アッシュってああいうキャラが好みなの?」
「ん?なんのことだ」
「マリネさん」
「いあ、あれは挨拶みたいなもんだ、まあ可愛いかったがな」
「NPCなのに表情豊かだったね」
「完璧な営業スマイルだったな」
「(途中引きつってたようにも見えたけど)。。」
「それよかルイン、お前丸腰でスキルも取得してないだろ。俺が倒すからPT組もうぜ」
「うん、頼むよアッシュ」
視界にPT招待のウインドが開く。
「おっけー入ったよ」
「うむ、つかお前の初期ステータスまじヤバいな」
「え?」
「すれ違ってる相手の情報はレベルと職業しか見えないが、フレ追加すると詳細が見えるらしいぜ」
「本当に?アッシュのみせてもらうよ」
「おう」
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Ash_God Lv.1(0%) Duelist LP:45/45 CP:13/13
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STR: 20(S)
VIT: 9(B)
AGI: 18(S)
DEX: 7(B)
INT: 3(E)
WIL: 13(A)
CHA: 18(A)
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「すごいね」
「だろー」
「知力の成長率Eだってさ」
「すごいのはそこじゃねえだろ!」
「でも他の成長率は軒並み高いね、流石だよ」
「成長率って分かるんか?」
「うん、数値の後ろにあるアルファベットが成長率を示してるらしい。M>S>A>B>C>D>E>Fの順で」
「てことは俺の成長率はまあまあって事か」
「力と敏捷がSだから、相当のDPS(秒間火力)になりそうだね」
「まあ、俺の生きる道だからな」
「この成長率が多分、キャラ作成の際に受けたテストに基づいたステータスだと思ってたけど、アッシュの知力見て確信したよ」
「そ、そうか。ま、とりあえずレベル上げてスキル覚えないと話ならねえな」
「うん、スキルシステムがどんな感じかもまだ分からないし」
「この手探り感が楽しいんじゃねえか」
「うん、そうだね」
「と話してる間に敵さんのおでましだぜ」
「あれが標的・・?」
「ああ、らしいな。 なんつーか・・」
「可愛いね」
「どうみても大きめな猫だな」
「猫だね」
そこには気持ちよさそうに昼寝してる大きな猫の集団がいた。
「・・・。」
「・・・。」
「じゃあ、僕は後ろで立ってるからよろしく」
「ちょっと待て、俺一人であいつを倒せってか」
「だって、あんなの・・叩けないし」
「俺だって無防備で寝てる動物を殴る趣味ねーよ!」
「でも討伐しないとクエスト完了しないし」
「だがなぁ・・」
「それに、完了させないとマリネさんに会えないよ(ボソ)」
「!!!」
「すまん、俺はお前たちを倒さないといけないんだ。許せ」
「うらああ」
アッシュが最寄りの寝てる猫に向かって突撃する。
高速の突きを繰り返し、一体を撃破。
「よっしゃ、流石に初クエストだけあって余裕だな」
「アッシュ、後ろ」
「あ?」
振り返るとそこには、先ほどまで寝ていたネコミンのグループが威嚇しながらアッシュに向かってきた。
「こいつら、雑魚mobのくせにリンク特性持ちかよ」
「昼寝の邪魔をされて怒ってるみたいだね」
「だーっ、お前も見てないで戦え!」
「僕実は猫アレルギーもちなんだ」
「お前絶対それ今作っただろ!」
その間にもネコミンは交互にアッシュに飛びつき肉球パンチを繰り出す。
「ちょ、これダメージ受けてるはずなのに、微妙に気持ちいいぞ」
「アッシュにそんな特殊な性癖があるとは知らなかったな」
「そんなんじゃねーし。お前も受けてみれば分かる」
「だから僕は猫アレr・・」
「行くぞルイン 受け取れー」
アッシュが足元にいたネコミンを一体掴んでこっちに投げてきた。
回転しながらネコミンが態勢を整え右足を前に出し、ルインに攻撃をしかける。
「ぺちっ」
・・・
・・
・
「いい〜」
ルインは嬉しそうな顔で後ろに吹き飛ばされる。
「おい、ルイン大丈夫か?」
「大丈夫だ、問題ないよ」
立ち上がると先ほどのネコミンが威嚇を続けている。よく見ると首に赤いリボンのようなものがついている。
「ん?そういえば」
ルインはクエスト画面を開き内容を確認する。
「やっぱりそうか」
ルインはネコミンを持ち上げ首についているリボンを取る。
「にゃ!」
途端、威嚇していたネコミンが鳴きながら逃げ出していった。
「アッシュ、ネコミンの首についてるリボンを取るんだ」
「あん?」
「クエスト内容は討伐じゃなくてアイテムの収集だから、倒さなくても大丈夫」
「そうか、じゃあまとめて頂きますか」
素早い動きでネコミンの首元のリボンを奪う。
ネコミンのグループは逃げるように森に帰って行った。
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「これでクエスト終了か」
「ずいぶんと苦戦したね」
「結局アイテム集めるだけで、討伐はしてないから経験値稼げてないんだがな」
「あ・・」
「お前それ気づいてなかったの?」
「だって・・ね」
「まあ・・・な」
「可愛かったし」「可愛かったからな」
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≪クエスト完了≫
冒険クエスト①「始まりの町周辺でネコミンからアイテムを3個獲得せよ」
Ash_God: Lv.1 (30%) LP18/45 MP13/13
Ruin: Lv.1 (30%) LP3/10 MP25/25
話を書いていて一番難しいのはギャグとシリアスの比率だと思うのです。
特にギャグパートは好みも十人十色ですし、パロディを入れようものなら歳がばれますしね。




