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第2話 「職業適性」

キャラクター作成が終わり、いよいよ本編チュートリアルが始まった。



「これよりプレイヤーの職業適性を見極める為のテストを行います。端末のバイタル設定をONにして下さい」



チュートリアルのボイスに合わせて画面が切り替わる。



「はぁ?職業適性だ? 自分でやりたいジョブ選べねーのかよ」


「どうやらゲーム側でその人にあったジョブの候補を挙げてくれるみたいだね」


「俺は火力ジョブ命なんだから、それ以外はやんねーぞ」


「まあ、とりあえず進めてみようよ」



端末の設定を操作する。 



「バイタルを確認しました。 それでは第1部の基礎体力測定に入ります」



テストは7部に分かれているらしく、それらの結果を総合して適性判定されるらしい。


---


第1部≪基礎体力測定≫

第2部≪状況対応力測定≫

第3部≪ロジック測定≫

第4部≪反射速度測定≫

第5部≪決断力測定≫

第6部≪心理測定≫


---


最後にAIとの対話方式での質疑応答があった。


自身の前に女神像のような建造物が佇んでおり、そこから女性的な声で質問される事に答える。



「それでは最後の質問です。 貴方は現実世界を一からやり直したいと思った事はありますか?」



ここまで他愛ない日常的な質問ばかりだったところに、いきなり本質を抉られるような質問が飛んできた。


急激に心拍数が上がっているのを実感出来るのに、何故か身体は凍り付いたように冷めていく。



あの日以来忘れようと思っていたシーンが頭の中に蘇る。



---


(回想)


---


どれだけの時間が過ぎただろうか。数分、いやほんの数十秒にも満たなかったかもしれない。


全身に嫌な汗があふれ出し、気づいたら肩で呼吸をしていた。



「質問への回答がありませんでした。 もう一度訪ねます。 貴方は現実世界を一からやり直したいと思った事はありますか?」



女神像が再度同じ問いをしてくる。


僕は深呼吸をして身体を整え、軽く目を瞑って考えてから女神像に答えた。



「いいえ、ありません」




数秒の静寂の後、女神像が再び話しかけてくる。



「わかりました。これで貴方の適性テストは終了です。 後ろのポータルに入ると結果画面が表示されます。お疲れ様でした」

「ルイン、貴方のエスリブに幸あらんことを」


「はい」


僕は女神像に軽く一礼をしポータルを後にする。



----


世界が反転し、意識が現実世界へ戻ってくる。


「・・しもーし」


「神、今終わったよ」


「お、やっと戻ってきたか。 随分時間かかったみたいだな」


「適当に受けて変な職業適性がついても嫌だからね」


「ははっ、違いねーわ」


「神のテスト結果はどうだった?」


「俺か? ふふーん、やっぱ俺様のスタイルは火力にあるみたいだぜ」


「どんな感じ?」


「今転送するわ」




---


≪Test Result≫


Character ID: Ash_God


Recommended Job:


1.Duelist (Match: 93%)


2.Berserker (Match:86%)


3.Gladiator (Match:81%)




---


「見事に物理職系だね(笑)」


「マジで?」


「え、自分でも火力職だって言ったじゃん」


「いや、そんな気がしただけだ。俺英語わかんねーし」


「どれも近接物理型のような名前だけど、ちょっとデータベース見てみるよ」


「おう」



---


1.Duelistデュエリスト(決闘士)


1vs1の戦いに無類の強さを誇る対人スペシャリスト。 素早い動きと強力無比な一撃で相手を戦闘不能にさせる。

一通りの物理系武器の装備が可能で、敵に合わせて近接・遠隔と対応する事が出来る。 範囲技に乏しく集団戦闘には向かない。



2.Berserkerバーサーカー(狂戦士)


自身の攻撃力を極限まで高め強力な一撃を叩き込む近接職。 自身の攻撃力を高めやられる前にやる脳筋スタイル。

装備は斧や金鎚といった重量系を得意とする。 単体/範囲攻撃共に隙はないが、敏捷が低く紙装甲



3.Gladiatorグラディエーター(剣闘士)


多種多様の武器を器用に扱う事ができ重装備も出来る戦闘のエキスパート。手数は少ないが一撃辺りの攻撃が強力。

対人戦闘においてステータス上昇補正がかかるがフィールド戦闘では若干能力が下がる。



---


「こんな感じだってさ」


「うぉっ、俺マジ戦士だわ」


「職業名の後にある数字は適性率だと思う。高いほど向いてるらしい」


「てことはデュエリストが一番合ってるってことか」


「うん」


「PTプレイ考えたらバーサーカーが無難そうだな、グラディエーターは補正かかるし」


「でも、神ほとんどソロプレイじゃん」


「俺のスタイルについてこれるやつが少ないからな」


「まあ、確かに」


「馬鹿の一つ覚えじゃ飽きが来そうだから、スタイル変えられるデュエリストいいかもな。PTでは寄生枠だろうがな(笑)」


「でも、装備幅広いなら他のPTメンバーに被らないように調整しやすいかも」


「そう言わるとそうかもな。おっし、俺デュエリストなるわ」


「おけ」


「で、お前はどうだったよ?」


「今見てみる」




「・・・」


「どうしたよ?」


「いや、なんというか・・びっくりして」


「ほう、ちょっと見せてみ」


「うん」



---


Character ID: Ruin


Recommended Job:


1.Fool (Match:99%)


2.Hermit (Match:84%)


3.Wanderer (Match: 71%)



---


「さっぱり分からん」


「えっとね・・」



---


1.Foolフール(愚者)


これと言った型がなく、発想次第で自由にカスタマイズが出来る職業。重装以外の全ての装備が可能だがステータスは全職業中最低クラス。

その為、転職に必要なパラメーターが上がりにくく大器晩成型と言われている。


2.Hermitハーミット(隠者)


仙人とも言われその叡智を持ってPTメンバーに恩恵をもたらすサポートのスペシャリスト。戦闘能力は皆無だが集団戦闘になるほど

その真価を発揮する縁の下の力持ち。 


3.Wandererワンダラー(放浪者)


何事にも捕らわれず自由気ままに冒険するソロリスト。 ソロプレイに必須なスキルを一通り覚え大概の事は一人でこなせるが、

PTプレイにおいては双方のメリットは薄い。 ボッチ向け。



---



「・・・。」


「・・・聞いた事ない職業ばかりだな」


「うん」


「なんつーか、お前のボッチ力に乾杯だわ」


「僕、結構PTで遊ぶの好きなんだけどね」


「だったら説明見る限り隠者一択じゃねーの?」


「うん、そうなんだけど・・」


「まあ放浪者はないわな。MMOにこんな職業ある意味わかんね」


「・・・。」


「というか、お前の事だからてっきりタンクか、剣タイプかと思ったが」


「・・・。」


「・・・やっぱりあれか、お前まだあの時の」


「それは大丈夫だよ、神」


「・・そうか、すまん」


「いいよ、僕も毎回PT出来るとは限らないし、色々なスタイルでやれた方がいいから愚者かな」


「でもお前、それステータス全職業中最低クラスだって。リスク高すぎんだろ」


「うん、でも自由度で言ったらこれ以上の職業はないと思うんだよね。型にとらわれず好きな事が出来るのは面白そう」


「まあ、玄人向けな感じがすっけど、お前なら大丈夫だろ」


「これで頑張ってみるよ」


「おっし、じゃあ決まりだな、てかそのキャラ何て読むんだ・・ルイン?」


「うん、今の僕にはピッタリかなって」


「そうか、よくわからんけど。これで頑張ろうぜ」


「うん」



---


「これでやっとチュートリアル終了か。いよいよ冒険が始まるぜこん畜生」


「そうだね、最終確認が終わったら終了っぽい」



キャラクター作成の最終確認画面を決定すると、本人認証設定画面に移動した。



「最後に本人認証を行い、キャラクターを関連付けます。 案内に従って網膜と指紋及び音声認証のページへ進んでください」



「なるほど、網膜と指紋で認証を行ったら端末を変えようと新しいキャラクターは作れないね」


「そうなんか?」


「二つとも世界で同じパターンを持つ人はいないと言われているから。仮にどちらかで適合したとしても両方同じと言うのは無いかな」


「つまりこれでハッキングされる可能性は無いってことか」


「うん、それに何らかの自体が起きた場合も本人特定が可能になるから犯罪行為の抑止力にもなると思う」


「へー、随分と考えられてるんだな」


「よし、これで認証完了だ」


「俺の方も出来たぜ、いよいよ冒険の始まりぜよ」


「何で土佐弁?」


「こまけーことは気にすんな。 行くぞルイン!」


「オッケー アッシュ」











ようやく本編に入れる。やっと世界観に入れる。

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