安らぎ時間。
今回から通常運行になります。
夢。
そうこれは夢だ!
鼻孔をくすぐる蘭の薫り。
そして上等な絹のようなしっとりと肌に引っ付く感触。
「まだ寝てて良いですよ♪」
声のほうに顔を向ける…白い山の向こうに銀髪の天使が笑顔を振り撒いていた。
そうか、夢か。
ん?
「もっとゆっくりしていって下さい♪真様。」
なんだ…シルヴィアさんか…
「シルヴィアさん何やってるんですか?」
「膝枕ですが?」
「膝枕はともかくその格好はなんですか?」
白い肌に白いビキニ姿だった。
もう肌色面積80%だった。
「日本では膝枕をする時のユニフォームだと聞きました。」
「誰から聞いたのですか?」
「えっ…やっぱり全裸じゃあ無いからダメ何ですか?」
「誰からかは聞きませんが、膝枕にユニフォームはありません。」
「やはり全裸になれということなんですね…」
「全裸にならなくても良いです!服を着て下さい!!」
「見ての通り大切な場所は隠してるから良いじゃないか♪」
目を瞬せながら言う銀髪美女。
「良かったですよ水着だけでも着ていてくれて。」
どっと疲れる。
返事は返ってこないかもしれないが『しるびぃ』にメールを送ろう。
「ごめんなさい。水着は恥ずかしくて着れませんでした。」
頬を紅く染めて羞じらっていた。
その姿に心臓の鼓動が早くなった。
「え?水着じゃあ無いなら…」
「ええ、ホディーペイントです♪真様の慧眼に感服しました。」
変に言い回しが古風な人だ…
「そっちの方が恥ずかしいですよ!一見聡明な女性何ですから…」
「一見聡明って引っ掛かるなあ~『そうめ』『ひもろぎ』と思っているなら真様は神主か神様なんだろう。」
「そうめ?ひもろぎ?」
「宗教が入り乱れている日本ならではの答えですね」ふふ♪
「取り合えず服を着てくれないか?」
「ペイントを落とさないと着れないですよ。」
「なら風呂使って下さい。」
「分かりました。お背中流さしていただきます♪」
「聞いてました?風呂に入って下さい。」
「はい♪私はお風呂のあの機械の使い方が分かりません…だから手取り足取り腰取り教えて下さい。」
「腰取りって何する気だ!」
「ナニする気です♪痛いことはしません!むしろ痛いのは私デース♪」
「シルヴィアが痛い娘なのは良く分かったよ…」
「初めてですから当たり前です!」
「済みません。黙ってくれますか…」
「黙って天井の染みを数えてます。」
「天井の染みよりお風呂に行って下さい。」
「初めては寝具の上が希望だったのですが…お風呂でするのですね♪ドキドキします!」
「お前たちは何やってる!」
シアを起こしてしまったようだ。
しかしシアの顔から下に目を向けると『金髪全裸少女シア』が降臨していた。
「服は真が脱がしたんだぞ?」
「え?そうだったのか…悪いことしたね…」
「モチロン夢の中での話だがな♪」
「え?じゃあ服は?」
「寝る時は全裸がユニフォームだぞ?」裸がユニフォームの高校球児が居るんだから良いじゃん♪
僕の安らぎ時間は終了しました。
僕の安らぎ時間は終了しました。
大事だから二度言いました!
「何、許嫁制度を無くす手段がワタシの戦略なんだよ!」
両手でガッツポーズを作るシア姫。
「ごめん。戦略になってるの?」
「女の子が裸で異性と同じ布団で寝ると赤ちゃんが来るって…お母さん言ったもん!」
僕の安らぎと引き換えがシアの乙女姿だった。
『恐怖に歓喜する乙女を女にするチャンス…実に良いものだ!』
「ナレーション…」
「最高にヒャッハー♪ な気分でしょ?」
人が夢を見ると儚いけど…獣の夢って何だろう?
その時僕は外に誰かが居て鍵を開けた事に気付かなかった…
ガチャ!
「真~居る~?」
次回でメインが出揃います。