第1話
第二章です。
主人公、テレポートしちゃいました。
ドサッ。
そんな音を立てて着地した。下は、なんかもふもふしていた。
立ち上がると、目の前には、白衣をまとった見知らぬ男性がいた。顔や体型からして、恐らく日本人だろう。
知らない場所に、知らない人。今いる場所さえもわからない。
でもそんな俺もお構い無しに、男性は(多分少女に対して)「Welcome home.」と言ってきた。
やはり、中身は外国人だったかー……………。
「ただい………えっとー……………。」
「あ、自分も俺と同じなん?」
その人は、バリバリ日本語を使ってきた。しかも関西弁。
「え…………。同じってー……………?」
そう言うと男性は、いきなり笑い出した。
「嫌やなぁ。そんぐらいわかってくれや~!自分も日本人なんやろ?俺もや。まあもっとも、名前は別としてやけどな。」
よかった!この異空間(少なくとも俺にとっては)に俺以外で日本人がいた!!
「え?“名前は別として”って、どういうことですか?」
「俺、名前がよう日本チックじゃないねん。」
わはははと、笑いながら言ってきた。随分と明るい人だ。逆に明るすぎてこっちがそのテンションについていけない。
「そうなんですか。え、なんていうんですか。」
「えー?宮本キル」
かの宮本武蔵もビックリだな。
「そ、そうなんですか。でも、“宮本”って苗字って、フツーに日本人にいますよね。ハーフっぽく聞こえますよ?」
「えー?まあそうなんやけどな、なんか……宮本って、Miyamotoってすると、なんや外国っぽくね?日本チックじゃなくね?」
俺がフォローしても、宮本さんは断固意見を変えない。てか一瞬標準語しゃべったやろ。
対応がめんどくさかったので、俺はテキトーに「あ、言われてみればそうっすね。」で流した。
「Kill!!」
「ん?あ、おお。すまんかったな。なんせ久しぶりに日本人と話したもんだからはしゃいじまって~。ごめんなぁ、ホンマに。」
「宮本さん。そいつ、日本語わかりませんよ。」
「ん?あ、せやな。そうやった。ジャパンスイッチのまんま話してたわ。Sorry,Aria.」
発音が向こうの人並みにすんばらしかった。
宮本さん。俺にもその一瞬で英語ペラペラにしゃべれる宮本スイッチ下さい。