第3話
少々長文ですが、お付き合いください。m(_ _)m
「……………………?!」
ついさっきまで、俺の隣には某アイドルがいた。
ついさっきまで、俺と一緒に会話していた。
決して幸せな内容ではなかったが、確かに話していた。
でも今は。
俺の隣にいるのは毛むくじゃらの、体長2m弱は軽くある怪物だ。
もう、先ほどまでの白い肌はあとかたも無く消え去っている。
某アイドルのファンが見たら、泣き叫ぶだろう。
「オオオオオオオオオオオ!!!!!」
怪物は吠えると、俺に襲いかかってきた。
「?!」
とっさの出来事に驚きながらも、俺はギリギリのところで怪物の攻撃をかわす。
「なんなんだよ、一体!!」
続く連続攻撃。
普通だったらまずよけられないその攻撃も、夢の中だったらよけられる………だろう。
まあそれは本当のことで。
俺はギリギリではあるが、怪物の攻撃をかわしていく。
でもやっぱり、最終的には捕まるわけで。
「ぐっ………!!!」
奴は片手で俺を捕まえると、その捕まえた手にこれでもかというぐらいの力を入れようとした。
その時だ。
俺を掴んでいた奴の力が、少しだけだが、抜けていった。
その隙を逃さなかった俺は、その馬鹿でかい奴の手からスルリと抜けた。
奴の体長からして、俺は空中で捕まえられていた。まあ夢の中だから、
『着地失敗により全身骨折』
とか、そういうようなことは100%無い。
俺はスタッと快い音を立てて着地した。
そして奴の方を向くと。
さっきの力の緩みを感じさせないようなオーラをまとわせ、こちらへ歩み寄ってきた。
「Don't touch me!!」
いや、決してふざけて言ったわけでは無い。
とっさに出た言葉がコレだった。
「グァォォォォ!!!」
…………今のどこに怒らせる要素があったのだろうか。
奴は俺に接近してくる。
うわぁ~、歩いてくるたびに地面が揺れるなぁ~。
苑條翳、17歳。
所属部活剣道部。
死因:不明
遺言
「Don't touch me!!」
では皆さん。
俺の最期をどうか見届けてやって下さい。
なんて、そんなことしたらこの話が終わってしまう。
まず夢だしね、これ。
とか色々考えていた時。
「おとなしく氏になさい!」
という、敬語なのに残酷な内容のセリフが聞こえてきた。