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ナイトメア・シェルフ  作者: 茜ひいろ
副業・退治屋
18/22

第6話

最初の方は少年サイドです。

気づいたら、柱に縛られていた。


視界が曖昧で、はっきりしない。


僕は、何をしているんだ。


さっきまで花畑で遊んでただけなのに。



腕が、痛いー……。


夢なのに。


なんで?夢の中なのに、痛みを感じるよ。


苦しいよ。


動けないよ。


助けて、誰か、助けて。


「オ前ニ助ケナド、来ルワケガナイダロウ。」


僕の目の前にいるのは、誰?


「安心シロ。オ前ノ身体ハ私ガ受ケ継グ。オ前ハ静カニ、私ニ殺サレレバヨイノダ。」


“殺される”?

僕は死ぬの………?


「サァ、逝クガヨイ。」


ヒュッと風を切る音がした。

目の前にいる“誰か”が、持っていた大剣を振り上げる音。


でもその時。


ガキン


そんな音がした。


誰?

視界が霞んで見えないよ。


「そりゃねえぜ~メアーさんよぉ。」


視覚があまり働いていない中、そんな声だけが聞こえた。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

いつまでも続く薄暗い闇の中。アリアの手を引いて、ずっと走っていた。

「見つかんねえな………」

「ええ。どこに隠れているのかしら。」

「オイ。」

「なによ。」

「俺たちのその《チカラ》とやらを使って、どうにかできねえのか。」

「私は封印しかできないし、あんたはトロルでしょ。」

「ダメか……………。」

「………待って。」

アリアが足を止めた。

「どうした。なんか策でもあんのか?」

「一つだけ、ある。……ようは、この薄暗さを無くせればいいのよね?」

「ああ。簡単に言うとそうだな。」

「ちょっと離れてて。」

アリアの言う通りに、俺は少し離れた。


「シェルフ・アウト!」


アリアがそう言うと同時に、アリアの下に五芒星が現れた。その五芒星の中から、だんだんと姿を表したのは。


「提灯お化け……?」

「そうなの?」

「あ、アリアは知らないのか。日本の妖怪だから。」

アリアが頷く。

「前に封印した時、ピカピカ光ってたのを思い出して。思ったら、私は封印したのを出し入れできるのよね。」

「え?出しちゃっていいのかよ。せっかく捕まえたんだろ?逃げたりしたらどうするんだよ!」

「大丈夫よ。この子は持ち手さえつかんどけば逃げないから。もし逃げた場合でも、雑魚だから大したコトないわ。」

「そ……そうか………………。」

「さあ、照らしてくれる?」

アリアの言葉に答えたのかどうかは知らないが、提灯お化けはケタケタと笑いながら光った。

「わっ………」

すっかり闇に慣れていた視界に突然多量の光が差して、眼が少し痛くなった。

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