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ナイトメア・シェルフ  作者: 茜ひいろ
副業・退治屋
17/22

第5話

城の中は少し薄暗くて、少し怖かった。

でも、一人じゃない。

隣にアリアがいる。

こいつは、今まで一人で退治してきたんだ。それに比べたらこんなの、どうってことない。

「かげる。」

「ん?」

アリアが声をかけてきた。

「武器、必要だったら自分で呼び寄せることができるから。」

「え?ま……マジか。」

アリアが頷く。

「使いたい武器を想像して強く願えば、多分出てくる。前、キルがそう言ってたわ。」

「じ……じゃあ、今出してもいいかな。」

「ええ。いつ敵が現れるかわからないしね。」

「了解。」

俺は武器を想像する。


銃、剣、斧、弓………。


色々浮かんだが、やっぱり俺にはこれが性に合っている。

「それ、剣か?」

「ああ。ホントに出てくるんだな。」

俺が手にしているのは日本刀。

模擬刀は持ったことがあるが、本物は初めて持った。結構重いんだな…。

俺はその剣を鞘ごと腰にさした。

「あれ?アリアは武器とか出さねえのか?」

「前までは出してたけど、今は違う。

………………守ってくれるんでしょ?」

「あ、そういうこと…………。」

このお嬢さん、どうやら戦闘は俺に任せる気らしい。

俺、「メアー退治」ド素人なんだけどなー…………。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

城の探索も、結構奥まで来た。

でも、怪物(これからはメアーと呼ぼう)は一向に現れる気配が無い。

城のタイルが、俺たちの足音を響かせるだけだ。

「本当にいるのか?メアー。」

「いる。絶対、いる。」


その時。


「うわああああああ!!」


叫び声が城内に響き渡った。

「かげる!!」

「おう!」


叫び声は俺たちの前方で聞こえた。

俺は前方へと、全速力で走った。


「はぁ…はぁ……はぁ………。」

まだ先は見えない。

さすがに息が切れたが、そんなことは関係ない。今の俺の使命は、メアーを倒すことだ。

「何やってんのよ!行くわよ!」

後から追ってきたアリアも、少し息が上がっている。

「ああ。言われなくてもな。」

俺はアリアの手を強引に引っぱって走った。

「ちょっ…!かげる?!」

「後からのろのろ来られても、迷惑なんだよ!」

「なっ?!うっさいわよ!足が遅くて悪かったわね!」

「はいはい!」


城の薄暗さは相変わらず。


まだ先は見えない。



まだ、メアーは見つからない。

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