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ナイトメア・シェルフ  作者: 茜ひいろ
副業・退治屋
15/22

第3話

「…………て…」

ん……………。

「き……………て………」

ん~………………。

「……て…………………よ……………………」

なんだよ、もう朝かよ……。

母さん今日は日曜だぜ?


バチンッ。


「おおーっとビンタ炸裂!朝っぱらからこれは痛いぞ!!」

アリアのビンタが、俺の頬をじんじんと痛ませる。まあ別に日曜の朝でもなんでもないからどーでもいいんだが。

「黙れカス。」

「え?」

「え?」

ちょ………待て。

今まで英語しかしゃべれなかったアリアが、日本語話してるぞ。

なんでだ?やっぱりこれも、夢の中だからとかそういうのか?

どうやらその理由はアリアにもわからないらしく、アリアの顔が珍しく驚いた表情をしている。

「なぁ。これも夢が関係してんのかな。」

「そんなの、私に聞かれても知らないわよっ!!」

お。初めて日本語で会話成立。

「でも、そう考えた方が理に適ってるだろ。」

「そっ……そうだけど……………。」

俺が答えを出したことを、なんか認めたくないらしい。俺はどんだけ馬鹿にされていたんだ。

………そういや初めて会った時も日本語で「おとなしく氏になさい!」とか言ってたか。アレも夢の中だったな。これも今回の事も、きっと夢が関係してる。俺の推測としては、


《夢の中では言語が日本語になる》


だと思う。そう考えた方が妥当だろう。

……なんて事をアリアに言うと、もう金輪際口を利いてくれなさそうなので、あえて言わないでおく。


「でもそれならそれで、都合がいいわ。メアー(・・・)退治もスムーズにできそう。」

「え?何?〈メアー〉?」

「ええ。例の怪物のことよ。単に私がそう呼んでるだけだけどね。」

「ふうん。」

「さあ、探すわよ、メアーを!」

そう言ってアリアが指差した方には森らしきものがあった。

「……え?アレ?何?怖がってるの?やぁねぇ、最近の若者は。」

「別に怖がってないけど……。てかどこの奥様だソレ。」

「うわー無いわー。

年上にタメ&ツッコミとかマジ無いわー。

うーわー怖いわー。」


言語が通じるって怖いですね。


え?何故かって?

だってそりゃあ、相手の本性がわかってしまうからに決まってるだろう。


その一番の例がアリアだ。


「まあとりあえず着いてくるんだな、若者よ。

…………あ、間違えた。ニートか。」

「誰がニートだ。俺はちゃんと通学してっぞ。」

「まあどーでもいいわ。

今から怖がるんじゃないぞ?どうしてもって言うんなら、カリスマメアーハンターであるこの私の後ろにしがみついてもいいけどな。」

「足震えながら言ってる人に言われたかねーよ。」


なんて会話をしていると。


ズドォォォォォォン


遠くの、森の向こう側の方で、そんな音が聞こえた。

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