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ナイトメア・シェルフ  作者: 茜ひいろ
安心して寝るために
12/22

第6話

「笠井……龍之介………?」

「せや。」

カチッと、ライターの火をつける乾いた音が部屋にこだまする。

「笠井は研究員の中では一番できる奴やった。頼まれた事は漏れなく全てこなす、エリート中のエリートや。博士もその腕を買っていた。せやなぁ………笠井は俺が博士の研究チームに入る前からおったわ。そして、俺の一番のライバルやった。」

室内の空気が妙な重圧感を起こす。

「でも笠井は、昔最愛の妹を亡くしてる。これは笠井本人から聞いた事や。でもその亡くした原因が、どうやら博士との実験らしい。

まあ詳しくは知らんが…。」

「そう……なんですか……………。」

「だから俺は、その時の因縁もあって、笠井がやったんやないかと睨んでる。アイツの頭脳なら充分可能な範囲や。

………それに、アリアが襲われた日の前日から笠井のやつは行方不明やからな。遠隔操作かなんかやる為に、姿眩ましたんやろ、きっと。」

「……………。」

俺はその時、部活のことを思い出していた。

「宮本さんー……………。」

「ん?」

「宮本さんは、ライバルがいなくなって悲しいですか。」

つい、そんな質問をしていた。

帰ってくる答えが、少し怖かった。


「そんなん、当たり前やろ。」


でも、宮本さんは即答だった。

「今まで一緒にやってきて、共に戦ってきたライバルがいなくなって、しかも罪を犯してもうたなんて、悲しむに決まっとるやろ。まだ決着もついてへんのに。」


「決着………ねぇー……………。」


決着なんて、つける気もつくことも無かった。俺は。

でもアイツは本気だった。

俺はそれを、裏切っちまったんだ。こんな才能のせいで。


元気か、市野(・・)ー……。

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