11日目:音の無い世界は、畏怖
静まった・・・・・・。
明らかに何の音もしていない。
「・・・・・・どうなってるのかしら・・・・・・?」
「分からないけど・・・・・・音がしていないってことは、誰も死んでいないってことだろ?」
「まぁ・・・・・・そうなるわね」
そう言って無花果は、廊下を見る。
「・・・・・・鎧の姿は無いわ」
「じゃあ、取り敢えず進んでみよう」
僕はそう提案して、廊下に出た。
天井と床には鎧が動いた軌跡として、壊れた天井とそのコンクリート片が有った。
「ふむ・・・・・・」
取り敢えず、その形跡を追って歩く。
「・・・・・・ていうか、よく考えたら、あの鎧の中の人は教師なんだよな?」
「ええ、そうね」
「なのに、あの鎧は4メートル以上だった・・・・・・」
「・・・・・・それが?」
「おかしいだろ」
僕はそう言って無花果を見る。
「自分の2倍以上もある鎧を着たまま歩けるものなのか。しかもこうやって天井を壊して・・・・・・」
「そんなこと考える必要は無いんじゃないかしら?」
無花果は尚も淡白にそう言う。
「だって、そんなこと言い始めたら、木戸君に完璧に変装することや突然変異の蚊などはどう説明付けるの?」
「それは・・・・・・」
「大方、最新の機械が中に詰め込まれているとかじゃないかしら?なんにせよ、深く考えるべきではないと思うわよ」
そう言って無花果は、僕の前を歩く。
僕はそれを追って、東の階段に辿りついた。
「・・・・・・さて」
「昇ったか、降りたか・・・・・・どっちだろうか」
「分散するのは危険だから、どちらか選びましょう」
「だったら、羽賀たちと合流できる可能性の高い、下を選ぼう」
僕はそう言って降りる。
そして到着した。
「お。期せずして、待機部隊全員集合か」
羽賀がそう言って笑う。
そこには予想通り、神道と橋田が居た。
「これで、一応メンバーの半分が揃っているという事になるな」
「なるのか?」
「10人だからな」
そう会話して、鎧が居るであろう上の階を見る。
「アレは一体何なんだ?」
「さぁな。しかし、ヤバイだろう」
「何故?」
神道の意見に対して、僕はそういって聞き返す。
「恐らくだが、あいつの中には最新の機械があるんだろうな」
「それは、そうだろう。さっきそういう話もした」
「ということは、アレは鎧であって、ただの鎧ではない」
そして、神道は絶望の言葉を続けた。
「アレは恐らく、かなり速く動く。熱光線だって出せるだろう」
「な――!」
その言葉に反応しようとした、その時だった。
上の階から、破砕音がした。