11日目:始まった絶望は、希望
「だそうだ」
手紙に書かれていた内容を読み終えて、僕は顔を上げた。
「ふん・・・・・・、奴らしい文章だったな」
「最後まで俺達のこと考えてたな」
神道と羽賀はそう言って笑う。
「私達も負けてられないわね」
「頑張ろう!」
無花果と橋田も笑いながら、決意表明。
まぁ、この辺は異常だから不思議ではないけど・・・・・・。
普通の人間大丈夫なのだろうか?と、視線を向ける。
「絶対勝つぞ!!」
「ああ、俺達ならやれる!あと1人だ!」
「私達だって、木戸君に負けてられないよ」
「最低限、死ぬときでも全力でやろう!」
かつて。
かつてここまで死ぬことに前向きになっている人間たちを見たことがあるだろうか?
「だが、余裕ぶっても要られないな」
神道がそう言って教壇に立つ。
「ここまでくれば、相手の武器がどのようなものかもわからん。しかし、木戸たちの一斉攻撃を諸共していなかっただろうという事は予測できる」
「なるほど・・・・・・つまり、防御が高えってことか」
「可能性はあるな」
「てなれば、奇襲戦法で行くべきか?」
「どうだろう・・・・・・、相手はもしかしたら、あらゆる面で最強なのが出てくるかもしれない・・・・・・。」
「ああ、ラスボスって感じだしな」
ふざけているように見えて、真面目な作戦会議を続けていた。
「俺と無花果で、外を見張ろう」
「そうしましょうか」
羽賀と無花果が一緒に廊下に出て行った。
それとほぼ同時に、
【シンデレラバトローション 泣いても笑っても最終バトル!! 始まるぜぇぇぇぇぇえええ!!!】
Biiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii!!
「・・・・・・何か妙なテンションになってるな・・・・・・」
「まあ、今更気にする話じゃないだろ。それよりどんな敵が来るのかを考えよう」
と、その時だった。
外で、激しい音が鳴った。
それに気付いた男子が扉を開けた。
「どうした!何が――」
「来るな!」
羽賀が叫んだが、遅かった。
男子の体は、大きな剣によって縦に引き裂かれた。
「な・・・・・・!!」
目の前で切り裂かれた体をみて硬直した男子生徒も同じように切り裂かれた。
というか・・・・・・。
目の前に居るものをみて、僕達全員の体は硬直の一途を辿るしかなかった。
鎧を纏った4メートルくらいの巨体が、天井を壊しながら歩いてくる。そしてその手には、大きな大剣を構えている。
コイツは・・・・・・。
コイツは一体何なんだ!?
最終決戦、始まる。
教師1人 生徒10人