1日目:待機部隊=はぐれ者
あーした天気になあれ
あれって、晴れと雨のパターンは決まってるけど、横になった時って決まってないよな・・・。
「で、お前らの話を聞こうか」
部隊決めがひと段落つき、待機部隊以外は校内の探索に向かった。遊撃部隊と救護部隊が一緒。守備と特攻が一緒というバランスだった(ちなみに木好は遊撃部隊で指揮)。
で、皆が探索に向かうと同時に、自分の席に座った神道が言った。
「・・・は?」
羽賀が疑問の声(だと思う)を上げた。
「貴様じゃない。無花果と如月だ」
「・・・何のこと?」
反射的に反応したのは無花果の方。僕は無視するつもりだった。
「どうして最後まで立とうとしなかった」
「足がつってすぐには動けなかったのよ」
「都合良く、そのタイミングで・・・か?」
「何の都合が良いのかは知らないけれど、そんな感じね」
「・・・・・・如月は?」
はいきた。同じ言い訳は使用できない。
「誰かに話しかけられるのを待ってたんだ。でも、都合良く友達がいなくて、結局残ってしまったんだよ。あぁ、悲しきかな」
「貴様らとは真面目に会話しても無駄なようだな」
と、神道が睨んできた。次の瞬間、神道は動いた。
「・・・・・・」
神道は僕の頚動脈を的確に狙って、カッターナイフを当てた。切らないように、しかし、力強く。まぁ僕は動じないし、無花果も興味が無いようだ。羽賀と橋田は驚きを隠せず、足を一歩引いている。目を丸くしているな。そうやって自分の弱さは見せないほうがいいぞ。
「真面目に答えろ」
「そんな事で僕が動じるとでも?」
「答えなければ殺す」
「答えを知りたいのなら、僕を殺してからしろー」
「ふざけるな!」
「僕、この会話が終わったら、結婚するんだ」
死亡フラグっぽいのを並べてみて、挑発したところ
「!」
あ、蹴られた。んで、倒れた。でも、カッターナイフは、はずしている。セーフ。
「・・・・・・一応教えておいてやる。俺は人を殺す事など怖くは無い。俺は殺人事件をいくつか解決した。その際、殺された人間の写真を見ている。目の前で、死刑も見たことがある。俺にとって命とはそこに合って、すぐ消えるものなんだよ」
「へえ・・・。じゃあ、お前には一生かけても、僕の考えは理解できないな」
「何だと・・・?」
怒りを拳に溜めている。
「僕にも分からない。だからこそ、アイツらと一緒に戦いたくは無い。だから、最後まで戦うことを拒否したんだよ。そして、こうやって待機してるんだ」
「お前は何を言っているんだ・・・?」
神道は分からないようだ。だろうな。
「大丈夫だ。明日には分かる」
僕は手をだした。神道に手を貸してもらうために
「何のつもりだ」
「僕達は待機部隊。一応でも、部隊であり、仲間だ。仲直りくらいはしとかないとな」
「フン・・・」
で、神道は手を取った。
「俺はお前らを利用してみせる。仲良くなんざしてたまるものか。が・・・」
神道は笑った。
「俺が選んだ、最高の部隊だ。せいぜい頑張れ」
あ、そう。本当に嫌な笑い方だが、事態の収束は出来たな。おけ、おけ。
でその後は作戦会議という手法を取った。なので、真ん中の机を5つ、動かして、班活動のような形を取った。
「で、俺らはどうすんの?」
羽賀が訊いてきた。僕が訊きたいよ。
「あの、リーダーとか、決めたら、いいと思う、けど」
橋田・・・もう少し、強気に行こうぜ・・・。
「そうね。じゃあ、リーダーは」
「俺だ」
うん、神道だな。
「後は、雑務だが・・・如月。貴様がやれ」
「何でだよ・・・」
「リーダーの命令は聞け」
「チッ・・・」
まぁ、こんなところで喧嘩したところで仕方が無い。
「じゃあ、ゲーム部でも行って何か取って来い」
「は?」
「ここには娯楽道具が無さ過ぎるだろう。トランプでも取って来い」
「分かったよ・・・ったく」
面倒だな・・・。
現在、8時25分。
明日転機になれますように。