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シンデレラバトローション  作者: 榊屋
11日目
78/88

11日目:開演のブザー音は、もうすぐ


「どういうことだ!」

 神道が誰よりも早く叫んだ。

【私だって驚いてますから。まさか、こんな結果になって、こんなに一気に人数を減らされるとは】

「だからどういうことなんだ!!」

 神道はもう一度叫ぶ。

 それへの受け答えとして、ヒラオカは

【このゲームのルール。戦線中以外に関する内容を覚えているでしょうか?】

 と言った。


「・・・・・・どういうことだ?」

【戦線中以外でのルールです】

「・・・・・・戦線以外で、人を殺した場合、反発とみなし、お前がその人物を殺す・・・・・・」

【そういうことです】

 証明終了とでも言わんばかりの言い方で、ヒラオカは黙った。

「・・・・・・まさか・・・・・・」

 神道はそう言って、少し青ざめる。

 きっと、その推測は当っている。

 ここまでくれば全員分かるはずだ。

 今ここにいない奴らは、ルールを無視して、戦線中で無いにも拘わらず、教師達を殺しに行き、ヒラオカによって無駄死にとなった・・・・・・と。

【残念なことに無駄死にではありませんでした】

 ヒラオカは心を読んだようにそう言った。

【彼らは、自分で爆弾を持って突っ込むという方法によって、私が殺す暇も無く死にました。手法としては、自爆テロです】

「自爆テロ・・・・・・」

【私に殺される前に、先に相手を殺してしまうということでしょう。ルールにのっとるとすれば教師が死ぬまで、その人物がルールを破ったかどうかは分からないのですから。木戸さんはそこまで考えていたのでしょうね】

 そう言って、区切りがついたのか少し黙ると、

【さて】

 と話題を転換した。

【これによって、戦線は一気にクライマックスまで着ましたね。生徒、残り12人・・・・・・教師は残り】

 その人数によって、俺達の運命は左右される。

 一体、何人残っているのか。


【1人です】

 ヒラオカはそう言って、

【以上の状況により、戦線はすぐに開始します。両者、準備を開始してください】

 と続けると、ブツッ!という音を立てて通信を遮断した。


「・・・・・・後、1人・・・・・・」

 誰かがそう呟いた。

「追い詰めた・・・・・・けど」

「木戸たちは死んだ・・・・・・」

 呟きは増えていく・・・・・・。

 『死んだ』という事実が僕らの心をむしばむ。


「あ・・・・・・」

 突然昨日の発言を思い出した。

 木戸が言っていった。

 『封筒』があると・・・・・・。

 僕は無我夢中という感じで教卓の中を見た。


 ポツンと。


 封筒が1つだけ置かれ、それ以外の何も置かれていなかった。


「これは・・・・・・?」

 僕が取り出したそれを見た神道が尋ねる。

「多分・・・・・・木戸の遺書だろう」

「遺書・・・・・・!?」

 皆が様々な反応を見せる中、僕はその中から紙を取り出した。


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