10日目:喧嘩
今回は少し短いです。
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「神道!」
図書館に入って、誰よりも早く入って叫んだのは木戸だった。
「何だ。騒がしいぞ」
本を持って座ったままの神道が言った。
全員がぞろぞろざわざわと入ってきたので、当然うるさくもなる。
「図書館ではお静かに、だ」
神道はそう言って本を閉じて、立ち上がる。
「だ・・・・・・大丈夫なのか?」
「見て分からないのか。俺は傷は負ったものの、死体の処理が出来るくらいに元気だ」
そう言って、毛布が掛けられた死体(と断定)を指差す。
が、その指を差した左手の袖は破れており、その袖と思われる部分が右手の肩を止血していた。
「全然大丈夫じゃなさそうだな・・・・・・」
羽賀がそう言って、ウエストポーチを開けて、応急処置の道具を取り出した。そしてそれを橋田に渡す。
橋田は何も言わずに、神道の治療を始めた。神道も嫌そうながら、治療を受ける。
「ついでだ。ここで話を続けるぜ」
羽賀はそう言って、席に座った。初めて彼が議長になったようなスタンスだ。
「単刀直入に話を始める。先生達がどこにいるか分かったぜ」
「マジか!?」
「ああ・・・・・・。部室棟の奥にある、旧体育教官室だ」
「体育教官室・・・・・・!?」
「昔の場所だから無意識に場所として外してしまっていたけど、相手は残り7人だ。だったら、そこまで大きな空間である必要は無いんだ。そして意識から外れやすく、環境的に整っている場所・・・・・・ってわけだ」
そう言って羽賀は証明終了といわんばかりのドヤ顔。
「羽賀。そこまで計算して、捜したのか?」
神道は言う。
「そんなわけ無いだろ?」
「だろうな」
「殺すぞ、死にぞこない」
「脳の無い奴に殺されはしない」
神道と羽賀は相変わらずケンカを始める。
はぁ・・・・・・。面倒だ。