10日目:残酷
======================
「くっそ・・・・・・」
思ったより距離がある。会議室は1階にあるため遠い。
「如月?」
「え?」
横から声を掛けられた。クラスの仲間だ。
「何やってんの?」
「何って・・・・・・」
「あれ?如月君じゃない」
そう言って、現れたのはクラスの女子・・・・・・。
「??」
「如月君、何かあったのか?」
「え・・・・・・」
今度現れた人物・・・・・・。それは――。
「木戸・・・・・・!?」
「どうかしたのか?」
「どうかしたって・・・・・・え、あれ?」
僕が戸惑っていると、
「如月!」
「如月君」
「如月ィィ!」
と、例の3人が現れた。
「橋田、無花果、羽賀!」
「俺は、体育館に行ったけど誰も居なかったぜ?しかも他の生徒に聞いたら、何も起こってないらしいしな」
「私たちも確認してみたけれど、どこにも居なかったわよ?」
橋田も頷く。
「な・・・・・・何がおきてんだ・・・・・・?」
「・・・・・・何か問題が生じたらしいね・・・・・・」
木戸が真面目な顔をして言った。
「・・・・・・まさか!?」
まさか、そういうことか!?
=================================
「2刀流かい?君の戦い方を知らない僕としては、何ともいえないね」
「ナイフだから、一概に2刀流と言っていいものか分からないな」
そう言って神道はナイフをくるくると回す。
「殺人は初めてだ。人が死ぬのを見るのは何度もあるから、俺の感情がどう働くかは分からないな」
「あっそ。どうでもいいけど」
そう言って『木戸』も武器を取り出す。
日本刀だった。
「リーチが長いな。どう対応すべきか分からない」
「分からないか・・・・・・。君の口から出そうな発言ではないね」
「そうか?」
先に動いたのは、おどけてみせた神道だった。
右手のナイフを『木戸』に突き立てる。
「無理」
そう言った『木戸』は、刀の腹で器用にナイフを受け止める。
「追撃開始」
神道は左手のナイフも突き立てる。
「よっと」
『木戸』はそのままナイフを押し返して、離れる。
しかし神道はその応対を予測していたかの動きで、『木戸』に突っ込んでいく。
「く・・・・・・」
少し『木戸』は苦しそうに呟くと、日本刀を振り上げる。
「・・・・・・」
神道は床を一瞬這うように転がると、また一瞬で飛び上がるようにして『木戸』の目の前へ。
「掛かった!」
『木戸』はそう叫んで、刀をもう一度強く構える。
「空中なら、避けられないだろ!」
『木戸』はそう言って刀を振り下ろした。
「知るか」
神道は言うと、刀を諸共せずに、体で受けた。
「な・・・・・・!?」
「死ね」
神道はそのまま真っ直ぐにナイフを2本突き立てた。
「うがあああ!!?」
「後、残念なお知らせ。俺は2刀流じゃない」
そう言ってポケットから、何かを出した。
「自分でも数は知らん」
そこにあった全てのナイフを『木戸』に突き立てた。